薬学部トロント小児病院・トロント大学との留学プログラム オンライン実施

 薬学部は、2021年2月8日(月)から1週間、トロント小児病院とトロント大学と連携した海外留学プログラム「薬学海外フィールドスタディ」(Toronto Clinical Training Program以下TCTP)」をオンラインで開催しました。

最先端の医療現場で学ぶ薬学部独自留学プログラム

 TCTP は、薬学部薬学科の5回生を対象とした薬学部独自の海外留学プログラムです。世界最先端の医療現場であるトロント小児病院の臨床病棟体験、症例カンファレンスへの参加、トロント大学薬学部の授業への参加や学生との交流を行います。学生が将来、臨床に関わる病院薬剤師、薬局や企業等で薬剤師などとして、国内外で医療に貢献できる人材となるために、グローバルな視野を養うことを目的とし、2016年度から派遣を続けています。

コロナ禍での「代替案」ではなく「今だからできる最高のバーチャル・エデュケーション」を。創り出された「留学体験」

 2019年度(2020年2月~3月実施)は新型コロナウィルス感染拡大に伴い、医療現場で学ぶことを主軸としたこのプログラムも医療的な観点を考慮し、渡航中止としました。2020年度はバーチャル・エデュケーション(オンライン留学)を実施すべく、トロント小児病院と約1年かけてプログラム開発に注力しました。開発にあたっては、トロント小児病院とオンラインで協議を重ね、「コロナ禍だから代替案を行なうのではなく、今だからできるベストを行おう」という思いを共有しながら、連携を強化させました。
 海外留学は、授業だけでなく、現地での異文化体験や交流、英語漬けの生活なども重要な要素です。オンラインでもその環境を創り出すため、トロント小児病院・トロント大学とのZoomセッションによる授業に加え、立命館大学薬学部からも、さまざまな海外経験を持つTAや教員とのセッションの場を提供することにより、プログラム全体で「留学体験」ができるように工夫しました。

プログラム詳細

トロント小児病院とのプログラム

 トロント小児病院(SickKids)は、トロント大学の関連病院で、世界最先端の小児医療を提供する医療機関のひとつであり、医療、研究、教育を総合的に実践することで、小児の健康増進に寄与しているカナダの中心拠点です。病院の薬剤師、薬剤師レジデント、医師によるセミナー、立命館大学の学生による症例発表を実施しました。

トロント大学とのプログラム

 トロント大学薬学部の学生約25名との交流会を実施しました。互いの国・大学での薬学部の教育システム、実習、選択科目、キャリア、ボランティア活動など活発なコミュニケーションがとられていました。

立命館大学内でのプログラム

症例ディスカッション
 トロント小児病院とのセミナー後、学んだことを本学薬学部のNahla HAMOUDA講師に説明し、症例ディスカッションを行いました。Nahla講師からフィードバックを受け、参加学生は医学的な観点から復習を行いました。

症例ディスカッションの様子


レビュー・セッションの様子


インド、中国出身のTAとカナダ出身の講師による異文化交流セッション
 TAのXinjia WANGさん(生命科学研究科、中国出身)、Haarish C. V. さん(理工学研究科、インド出身)、外部講師のPhilip Gurney先生と異文化交流セッションを行い、自国でよく知られているOTC薬(市販薬)の紹介や、薬剤師の役割について話しました。最終日は各国のさまざまなお菓子を紹介しながら交流しました。

異文化交流セッションの様子1


異文化交流セッションの様子2

参加学生の感想

参加した学生からは、以下のような声が寄せられました。

  • 初めは全然英語を聞き取ることが出来ず、授業について行けるのか、コミュニケーションが取れるか不安でしたが、三日目くらいから耳も慣れてきて、徐々に話していることは分かるようになり、質問も出来るようになった
  • 英語で講義を理解し、質問をし、答えを理解する。この一連の流れが英語でできたときの嬉しさは言葉で表せないくらいの喜びで、もっと英語を使いたい、話したいと思った
  • 薬剤師の役割の違いを学んで、自分の将来の薬剤師の働き方について考えることができた
  • SickKidsという世界でもトップレベルの病院で、薬剤師の在り方などについてのお話を聞けたことで、将来薬剤師として働くときに大事にしたいことが見えた

 1週間という短い期間でしたが、自分の薬剤師というキャリアについて多面的に考えられたと同時に、英語を積極的に使い、グローバルな視野で薬学を学ぶことができ、参加した学生にとって貴重な留学体験となりました。

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