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2021.11.17

第38回AJI研究最前線セミナー開催

 2021年11月9日、第38回AJI研究最前線セミナーがオンラインで開催されました。今回は、山田翔太氏(立命館大学大学院国際関係学研究科博士課程)が“Drinking Water Supply Sector and Ease of Entry by NGOs in Rural Bangladesh: A Case Study from Southwest Coastal Area”と題して英語で発表を行いました。

 深刻な飲料水の危機に直面するバングラデシュにおいて、NGOは主要な役割を担っています。これまでの研究では、NGOがバングラデシュの飲料水のセクターを巻き込んで、どのような意思決定を行っているか、また、バングラデシュ農村部の飲料水問題を解決するために、NGOがどのようなスキルと知識を持っているかについての洞察が不足していました。COVID-19を受けて現地調査ができないことから、山田氏は、バングラデシュ南西部の農村地域Shyamnagar Upazilaでの代替的な調査によって、現地のNGO活動実態を調査しました。山田氏によれば、この部門への参入が容易になったこともあり、飲料水供給の専門知識を持たないNGOが、飲料水施設の放棄、不十分な維持管理、看過できない飲料水の水質などの悪影響などの問題に関わるようになったことが明らかになりました。

 プレゼンテーション後には、参加者との間で、浄水システムの有効性をめぐって、そうした施設が放棄される理由、また、なぜ地方自治体ではなく、NGOが主導権を握ったのかについて議論が交わされました。山田氏は、これらの理由として、農村部の利害当事者や地方自治体のスキルと資金不足の観点から明確かつ有益な回答を参加者に対して示していただきました。結果として、非常に活発なセミナーとなりました。

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発表を行う山田翔太氏

過去のAJI最前線セミナーについては以下のリンクからご覧いただけます。
https://www.ritsumei.ac.jp/research/aji/young_researcher/seminar/archive/