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教員紹介

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小林 泰三教授 KOBAYASHI Taizo

所属学科
環境都市工学科
研究室
地盤システム工学研究室
学位
博士(工学)

経歴概要

1998 立命館大学理工学部土木工学科 卒業 2000 立命館大学大学院理工学研究科環境社会工学専攻博士前期課程 修了 2003 立命館大学大学院理工学研究科総合理工学専攻博士後期課程 修了 2003 博士(工学)(立命館大学)取得

研究について

研究分野・テーマ

地盤のセンシングと防災・維持管理・情報化施工への応用

研究キーワード

地盤工学、テラメカニクス、地盤調査、防災・維持管理、情報化施工

研究概要

「最近、土砂災害のニュースが多いですが、うちの裏山大丈夫でしょうか?」、「どうも家が傾いてきている気がするのですが、何が起こっているのでしょうか?」といった「地盤(土)」にまつわる問い合わせが多く舞い込んできます。目には見えない地下の構造や特性を把握することは簡単なことではなく、地盤情報の欠如に起因する災害や構造物損傷が後を絶ちません。これまで、構造物をつくるための地盤調査技術が発展してきましたが、これからは、変化していく状態を監視したり、将来を予測できるような調査・診断システムが求められるようになってきます。我々の研究室では、地盤を調査・センシングする新しいアイデアを考え、それを防災や社会インフラ整備の施工・維持管理の効率化、建設機械の自動化などに活かすための研究を行っています。その内容は、地上の問題はもちろん、月・惑星の地盤調査装置の開発、着陸船着陸時の沈下量予測、探査ローバーの走行性予測などといった宇宙分野にまで広がっています。

  • ICT技術を活用して情報化・自動化が進む土工施工現場。更なる高度化には、地盤情報のリアルタイムセンシングが欠かせない。

インタビュー

研究者になったきっかけ

学生時代、研究を通じて「すべり線場理論」というものに出会いました。これは、材料にどれくらいの力が加わると破壊するのか? そのとき、材料内部はどのような応力状態になるのか?を理論的に予測するための解析手法です。力学的な問題を解くための理論ですが、中身は偏微分方程式を解くための数学の世界です。当時既に古典的と言われる手法でしたが、研究上の有力なツールになるだろうということで、必死に勉強してマスターしました。試験問題としてだけでしか付き合ってこなかった数学が、目の前に起こる自然現象を予測するための強力な武器になった瞬間でした。それまで学んできた数学や力学の基礎知識の重要性に気づいた瞬間でもありました。工学系ではあるものの、学問としての純粋な面白さに惹かれ、そのまま博士課程への進学を決意。その後、勉強と研究の違いを思い知らされるにせよ(笑)、純粋な気持ちに任せたそのときの(怖いもの知らずの)選択は間違っていなかったと思っています。

受験生へのメッセージ

目の前に軟弱な湿地が現れ、そのまま足を踏み入れるべきか否かを迷ったとします。多くのひとは棒をもってきて地面をつついて地盤の硬さや強さを確かめると思います。人間の感覚は優れたもので、こんな方法でもなんとなく判断できることが少なくありません。 地盤がどれくらいの荷重に耐えられるのか?という問いは、構造物を建設・維持管理していく上で極めて重要な問題のひとつです。ただし、構造物を設計するのに「なんとなく」は許されません。環境都市工学科は、「なんとなく」から脱却し、根拠をもって物事をばっちり予測し、しっかり説明できる人材を育てます。 そのために、学部の4年間をかけて基礎理論をしっかり学びます。基礎力なくして応用はあり得ません。入学後には、難しいし、いったい何の役に立つの?と思う授業がたくさん待っているかもしれませんが、無駄なものはありません。夢を広げ、それを実現するためには、じっくりと、そして確実に基礎力を身につけることが何より重要です。それが夢を実現するための早道でもあります。

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