立命館白川静記念東洋文字文化賞 第7回~第9回

「立命館白川静記念東洋文字文化賞(略称 立命館白川静賞)」について

---------- 制定の趣旨 ----------

日本の社会と文化の発展、また東アジアの交流と相互理解の歴史を顧みるに、漢字を中心とする東洋文字文化は大きな役割を果たしてきました。東洋文字文化はこれからも日本および東アジアの精神的支柱であり続け、その振興は重要な意義が有ると考えます。

この賞は、立命館大学白川静記念東洋文字文化研究所が、東洋文字文化に関する研究、普及および教育活動等の奨励支援のため、優れた個人および団体の業績を表彰することを目的としています。日本社会・文化の継承と発展、東アジアの平和と繁栄のために本賞の制定がその一助となることを願っています。

<対象者>

  1. 立命館白川静記念東洋文字文化賞大賞特にすぐれた業績のもの
  2. 立命館白川静記念東洋文字文化賞教育普及賞教育指導ならびに
    漢字文化の普及に貢献したもの
  3. 立命館白川静記念東洋文字文化賞奨励賞若手の研究者

第9回「立命館白川静記念東洋文字文化賞」表彰式

第9回「立命館白川静記念東洋文字文化賞」は以下の2件に贈ることを決定し、2015年3月8日、立命館大学衣笠キャンパス敬学館210教室にて表彰式を行いました。

立命館白川静記念東洋文字文化賞優秀賞

受賞者 金成恩(大韓民国全南大学校教授)
対象業績 日韓近代翻訳比較研究
副賞 賞金 30万円

立命館白川静記念東洋文字文化賞奨励賞

受賞者 張宇衛(台湾中央研究院語言学研究所研究員)
対象業績 甲骨文研究
副賞 賞金 20万円

---------- 授賞理由 ----------

(1)立命館白川静記念東洋文字文化賞優秀賞 金成恩 氏

キリスト教関係文献に対する日本語訳や朝鮮語訳、また日本人の今田束著『実用解剖学』(明治20年・1887年)の朝鮮語訳等についての詳細にして綿密な分析を通じて、東北アジア共通の漢字漢文から東北アジア諸国の近代語や語彙・文法体系がどのように再編されていったかという問題意識の下、東北アジアにおける近代知の形成に漢字漢文を通じての翻訳ルートが重要な要因として作用したことを明らかにしようとして成功している勝れた業績に対して、新設の白川賞優秀賞に値すると評価した。

(2)立命館白川静記念東洋文字文化賞奨励賞 張宇衛 氏

甲骨文研究において、形態よりも音韻を通じての分析に重点を置いているのが特徴で、一定の新しい解釈を創出しており、従来と異なる勝れた読みかたに成功している。 また、甲骨文の断片をつなぎあわせる作業(綴文)に取り組み、16例の報告を出しており、古代文字学の研究者として堅実な能力を備えており、将来に期待できることに対して、白川賞奨励賞に値すると評価する。

-------- 立命館白川静記念東洋文字文化賞選考委員会--------

委員長 杉橋隆夫(立命館大学白川静記念東洋文字文化研究所長)
委員 加地伸行(衣笠総合研究機構特別研究フェロー)
下中美都(株式会社平凡社代表取締役社長)
上野隆三(立命館大学文学部教授)
萩原正樹(立命館大学文学部教授)
 ※順不同

第8回「立命館白川静賞」の募集について

第8回立命館白川静賞の選考は2013年9月に行われましたが、「該当者なし」との結果となりました。

 

第7回「立命館白川静記念東洋文字文化賞」表彰式

第7回「立命館白川静記念東洋文字文化賞」は以下の1件に贈ることを決定し、2013年6月6日、立命館大学衣笠キャンパス末川記念会館にて表彰式と故白川静・立命館大学名誉教授への名誉漢字教育士認定証追贈式を行いました。

立命館白川静記念東洋文字文化賞教育普及賞

受賞者 張莉(同志社女子大学現代社会学部准教授)
対象業績 白川静文字学的精華
副賞 賞金 30万円

---------- 授賞理由 ----------

(1)立命館白川静記念東洋文字文化賞教育普及賞  張莉 氏

対象となる業績の1つである『白川静文字学的精華』は白川静先生の業績(釈史、釈文)を中心に中国語に翻訳し、紹介した上で、客観的な立場から解説している。翻訳の精度も高く、白川文字学の普及という側面において顕著な業績であることが認められる。

-------- 立命館白川静記念東洋文字文化賞選考委員会--------

委員長 加地伸行(衣笠総合研究機構特別研究フェロー)
委員 上野隆三(立命館大学教授)
下中美都(株式会社平凡社取締役)
萩原正樹(立命館大学教授)
芳村弘道(立命館大学教授)
 ※五十音順

pagetop
pagetop