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2022.10.22

【開催案内】2022年度第1回全学協議会開催のお知らせ

1028日(金)に、公開での全学協議会が開催されます。

立命館の教職員・学部学生・院生の皆さんは各会場にて傍聴が可能ですので、以下をご確認のうえ、ぜひご参加ください。

 

●全学協議会とは

学⽣・院⽣と大学(常任理事会)が⼤学づくりについて議論する場です。1948年から続いている、全構成自治にもとづく⽴命館⼤学独自の仕組みです。

2022年度に開催される全学協議会に向けて、RS学園通信を発行し、説明動画を公開していますので以下のURLよりご確認ください。

RS学園通信:http://www.ritsumei.ac.jp/features/zengakkyo/2022/

説明動画  :https://youtu.be/irnU4Q_onsw

 

全学協議会の日時・場所

全学協議会は朱雀キャンパスにて開催されますが、各キャンパスに傍聴席を設けています。

日時:20221028日(金)18302030(予定)

場所:朱雀キャンパス 601 東・西会議室

     衣笠:清心館4階 SE401

     BKC:コラーニングハウスⅠ3階 C301

     OIC:A棟2階 AS257

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2022.02.25

2021年度 第1回全学協議会代表者会議 概要
~新型コロナ禍の影響を踏まえた課題とR2030チャレンジ・デザイン具体化や2022年度全学協議会に向けて~

 2022年1月24日に、2021年度第1回全学協議会代表者会議が開催されました。また、2021年度全学協議会代表者会議は2022年度全学協議会やR2030チャレンジ・デザインにつながる議論をする機会として位置付けられることから、理事長・総長も出席しました。
 この会議に向けては、2021年4月から協議を開始しました。4月末には全学協議会構成パートとの懇談会において、大学から①新型コロナウイルス禍(以下、新型コロナ禍)による影響なども鑑み2022年度の学部生・大学院生学費について、現行の学費政策を1年延長し、現行の授業料改定方式を2022年度入学者に適用すること、②2022年度に2023年度以降の学費提起とあわせて改めて公開での全学協議会を行うこと、を提起しました。その後も学友会や院生協議会連合会(以下、院協)の問題関心を踏まえ、学内関連部門と連携し懇談会等をのべ25回重ね、2021年度全学協議会代表者会議に向けた協議を進めてきました。
 学友会・院協からは、これらを踏まえ、2019年度全学協議会で確認した事項の進捗の確認や、新型コロナ禍を踏まえ、今後も継続的に議論を進めるべき内容について論点提起がされました。各論点については、R2030チャレンジ・デザインで掲げられたビジョンの実現に向けて重要な点を含んでいることから、大学からはR2030チャレンジ・デザインの具体的施策の取り組みに向けた課題として受け止め、今後に向けた考え方・議論の方向性・具体的な取り組み等を示しながら協議を行いました。本会議の要点は、以下の通りです。

第1議題:学友会からの論点提起

 学友会は、論点提起に先立ち、これまでの懇談会で議論をしてきたすべての論点において、大学での学びを充実したものにする点が重要だと考えたこと、学びと成長の実現のために、「学生の学ぶ意欲を止めない」こと、を前提として議論を進めてきたことについて説明をしました。そして、学友会から提起する論点は、①過年度より議論されている継続課題、②新型コロナ禍の影響によって浮き彫りになった課題、③2022年度以降の解決を目指す現状を確認したい課題、の3つのテーマで取りまとめました。

(1)2019年度全学協議会確認からの継続課題の確認と具体的な施策について
 2019年度全学協議会で確認したことのうち、学友会から以下の3点の進捗確認が求められました。

① 外国語教育に関して、語学力を測る基準のひとつであるCEFRの結果が、立命館が目標としているB1レベル以上の学生が増加傾向にあることを評価しました。一方で、「学友会全学学生アンケート2021(以下、学生アンケート)」の結果では、「大学での英語に関する講義を通じてどのような力が身についたと思うか」という設問に、回答者の半数以上が「身についていない」、もしくは「あまり身についていない」と回答したこと、「回生を重ねるごとに、英語の能力が低下している」と回答した学生が約40%いること、学部ごとに結果が大きく異なること、の結果を実態として指摘をしました。このことから、学友会は外国語に関する学生の学びの実感が少ないと受け止め、成長実感を伴った外国語の学習機会の担保が必要であることが2019年度からも継続していると考え、大学に対して、学生が外国語の講義に対して求める内容や到達目標の整理をした上で、授業方法に関する見直しの検討を求めました。

② Beyond Borders Plaza(以下、BBP)に関して、学生アンケートでは「BBPを利用したことがない」と答えた学生が85.9%と大多数を占めていました。この結果は、大学から説明を受けていた、新型コロナ禍前に、目標値を大きく上回る利用者がいたという状況とは乖離がある点を課題として指摘しました。これらについて、学友会は、BBPの利用者層が固定化されており、国際学生・国内学生の間で交流をしたいと考えている多くの学生にとっては、BBPを利用する敷居が高く感じられているのではないかと主張しました。一方で、新型コロナ禍では、BBPでも大学主催の様々なオンライン企画が開催され、多くの学生を集めることに成功している状況があることから、オンライン企画における取り組みや工夫が、新規利用者の増加や、BBP利用のハードルを下げる効果についても指摘しました。さらに、これらの実態を踏まえて、今後どのようにBBPを活用し、広報を行っていくのかについて方向性の提示を求めました。

③ ダイバーシティ&インクルージョン(以下、D&I)の大学の取り組みに関して、国籍や民族、宗教などの分野に関しては様々な取り組みが、多くの学生に認知されていると評価をしました。しかしながら、ジェンダーの分野は、学生の認知度が低く、学友会は、D&Iの取り組みのうち、特に性の多様性に関する様々な取り組みは、入学関連のイベントや入学試験よりも前に、情報が届くことが必要であると主張しました。現状は、この取り組みの具体的な情報を発信する位置づけにある「立命館大学における性の多様性に関わる学生支援の対応ガイドライン 」が学内関係者しか見られない環境(RAINBOW認証)となっており、立命館の学生でなければ閲覧することができない点を指摘しました。まずはこの環境を改善し、在学生以外へも、必要な方に情報を届けることを念頭に置き広報を行うよう求めました。

 学友会からの論点提起を踏まえ、大学からは、以下の通り説明をしました。

① 外国語教育に関して、2023年度終了のSGUとの関係で、外国語能力に関する一定の目標(CEFR B1以上の学生が全学で50%以上)の達成が求められており、英語スコアのような客観的データをもとに英語能力の到達度を確認してきています。今後へ向けては、SGUの先を見据え、立命館が2030年の段階でどのような英語教育を全学的に行い、それを通じてどのような結果を出していくべきなのか議論をさらに進めていく必要があると認識しています。そのためには、主観的データ、つまり学生一人ひとりの成長実感も重要で、学部ごとの実態に即した議論も重要であると考えており、これらを踏まえながら学友会と協議を行っていきます。

② BBP関して、新型コロナ禍の影響によって、認知度が低下している現状があることから広報を強化しており、従来から行ってきているBBPのホームページでの広報に加えて、新入生全員にBBPの紹介リーフレットを郵送しました。さらに、授業教員から受講生へ情報提供ができるよう、英語を担当する教員向けにBBPニュースの配信を開始しています。施設に関しては、BCPレベルに応じて一部利用制限がされるなどの影響を受けていますが、キャンパスを特定しないオンラインでの企画・支援を進めてきており、BBPの認知を高めるためオンラインでの利用をより促進していくことが重要だと考えています。また、このBBPの議論は、国際社会の中で生きていく必要がある日本の学生としてどう考えるのか、あるいはどうすれば意識してもらえるのか、行動に出てもらえるのか、といった大きな課題として受け止め、今後も継続して学生のみなさんと考えていきたいと課題提起をしました。

③ D&I関しては、2020年12月より「立命館大学における性の多様性に関わる学生支援の対応ガイドライン」 の運用を開始しています。このガイドラインは、まずは学内での周知に取り組んでいます。具体的には、新入生オリエンテーション内の学生生活ガイダンス、新入生のためのスタートアップサイト、キャンパスダイアリーやTIPSにD&Iの内容を盛り込み、広報を強化してきています。加えて、教職員へ向けた啓発にも取り組んできており、今後は学生・院生を対象としたセミナーの開催も企画しています。学友会からの指摘も踏まえ、ガイドラインに関して、今後は学外へ向けた公開を検討していきます。

(2) 新型コロナ禍の影響によって新たに浮き彫りになり、2021年度中に方向性を確認したい課題
 学友会から新型コロナ禍の影響によって浮き彫りになった課題として、授業形態について3点、学生生活について2点の論点を以下の通り提示をしました。

① 「学生の学ぶ意欲を止めない」ために、学生の満足する授業とは何か、という本質的な議論が重要であるという見解を示しました。また、対面講義で得られていた学生同士のつながりや、それによって得られる人間的成長の機会などの副次的効果を、オンライン講義でどのように担保していくのかの議論を行うことを求めました。

② 受講登録に関して、過年度から継続して、受講登録で講義を選択する上で、学生はシラバスを確認し熟読するべきものであるとの認識を示しました。しかし、学生アンケートでは、約半数の学生が「シラバスと実際の講義に差異があった」、具体的には「成績評価方法、授業の概要と方法、授業スケジュール」の3項目が、シラバスと実際の講義との間に差異があったと認識していると回答し、大きな問題として受け止めていると主張しました。学友会は、シラバスと実際の授業に差異が生じる原因は、教員と学生の認識の違いや、シラバス記載内容や、その変更方法の曖昧さに課題があると考えていることから、シラバスの記載方法や変更方法の見直しを求めました。

③ 授業で利用するレジュメ等の保管について、一定期間ポータルサイトなどに保管し学生が閲覧できる状態にしておくことが、学生の負担軽減につながり望ましいと主張しました。特に、オンライン授業の状況下では、レジュメ等の配布もポータルサイトでの活用が促進されている背景を踏まえています。加えて、これらの情報は、受講登録時に参考になることから、次の学期の受講登録期間に授業動画・資料を公開することについて検討を求めました。

④ 新型コロナ禍における課外自主活動団体の対面活動に関する大学の対応について、本来ならば学友会としても取り組みを進める課題であるが、大学の対応が速やかであった点に感謝の意を示しました。しかし、新型コロナ禍で、対面での活動を進めるにあたり、事前申請による許可制を取っている中で、活動許可基準が明確でないと考えている学生や、申請内容の確認の判断が大学側の恣意性があると感じたと考える学生が一定数いることから、新型コロナ禍における一連の判断の説明を求めました。また、2022年度以降も対面活動の許可制が継続する場合、申請の簡便化と活動許可基準の公開の検討を求めました。

⑤ 留学生支援について、すでに日本に入国し生活をしている留学生は、日本人学生以上にアルバイトで生計を立てることが困難であると予想しており、支援する課題があると懸念を示しました。政府の水際対策等により、日本に入国ができていない留学生が多く存在することから、それぞれ留学生に対しての支援状況の確認と、2022 年度以降も、渡日することができていない留学生へフォロー体制を構築することの検討を求めました。

 学友会からの論点提起を踏まえ大学からは以下の通り、説明をしました。

① 授業形態に関して、新型コロナ禍での対応や経験を踏まえ、今後のあるべき授業形態を考えるためには、対面授業の質をどのように担保しつつ、学生が意欲的に対面授業に参加するための授業方法はどうしたらいいかということをしっかり見ていく必要があると考えています。また、対面での授業を重視しながらも、より高度な対面授業の実現を通じて学生の「学ぶ意欲」に応えるために、オンライン授業に関しては、質の高い授業が開発できるようにガイドラインをつくっていきます。これらを検討することは、アフターコロナの「大学における学び」のあり方、さらには2030年を展望した「大学における学び」のあり方を具体化していくことにもつながると考えています。

② シラバスに関して、シラバスの各項目のうち到達目標や成績評価方法のように授業の基本的な部分に関わる内容について原則として変更は行われるべきではないと考えています。一方で、授業の目的をよりよく実現するために、授業の質を担保するための工夫として、各回の具体的な内容が個別に変更されることはあり得ます。このような変更がある際には、担当教員が受講生に対して丁寧に説明をして、理解を得ることが必要です。この点で、教員と学生の間に認識の違いがあれば解消をしたいと考えています。

③ 授業で使う資料に関して、学生の受講登録の参考にすることを目的として、授業資料を次学期の受講登録期間に一部公開するという点について、検討を行います。

④ 課外自主活動の支援に関して、2020年春学期に政府から出された緊急事態宣言を受け、学生・教職員・関係者の安全・安心を守る・担保することから対面での活動ができない期間がありながらも、可能な限り課外自主活動への参加促進の取り組みを行ってきました。感染防止策を含めた活動計画の確認をした上で、ヒアリングや面談を通じて各団体と丁寧なやり取りを行い、対面活動の再開を学生部が確認し、認めてきました。また、この対応は、一部の学友会公認団体等に限らず、すべての団体を対象としました。確認の過程や判断に恣意性は無いものの、伝わりづらいところがあった点については、学生部長からのメッセージを状況に応じて丁寧に行うことで理解を広めていきたいと考えています。

⑤ 留学生支援に関して、文部科学省にて措置された「学生等の学びを継続するための緊急給付金」制度への申請や、本学独自の支援として「学びの緊急支援プロジェクト寄付」を原資にして経済支援を実施してきました。渡日できない留学生へ向けては、Zendeskというプラットフォームを作成し、オンラインで支援をしながら、「留学生支援コーディネーター」が個別対応も行っています。政府の水際対策で入国ができない状態が続いていますが、緩和され次第すぐに入国できるように準備を進めています。また、入国に必要な費用に関しては、出来る限りサポートするようにしたいと考えています。

(3)2022年度以降の解決を目指す、現状を確認したい課題
 学友会は、2022 年度以降の解決を目指す現状を確認したい課題として、以下の2点の提起をしました。

① 2023年度以降の学費について、学費政策を決定する責任は常任理事会にあることは相違ないとした上で、全学協議会を構成する各パートへの説明および協議が不足している点を指摘しました。その上で、学びの価値提供を止めず、学生の成長実感を促す支援を今後も継続するために、2023年度以降の学費決定のプロセスの中で、全学協議会を構成するすべてのパートの意見を反映させられるように検討することを求めました。

② 奨学金制度について、立命館大学の奨学金制度の規模は日本の大学の中で、トップレベルであることを評価しました。そして、2021年度から新制度がスタートしており、2025 年に一度見直しの機会が予定されていることや奨学金の受給率を踏まえて、奨学金制度の先行きを見据えた議論を行っていくことを求めました。

 学友会からの論点提起を踏まえ大学からは以下の通り、説明をしました。

① 私学において、学費は、持続的な教学展開と学園財政の健全性の維持・強化という大学運営の要点を接合するものです。全学協議会では、学修、研究、あるいは課外での活動を含め学生生活全般を支える上での重要な機能のひとつとして学費政策を議論する必要があります。
2023年度以降の学費政策については、2022年度の提起に向けて、事前の意見交換など、現実的にどのようなプロセスがとれるのか、引き続き学友会の意見を聞きながら具体化を検討していきます。その際には、学費政策の背景となる学園財政の現状や課題についての理解を深める機会もつくっていきます。
プロセスを具体化する過程では、学友会がどういった形で、どのように参加することが望ましいのかについて、学友会が学生の目線でも検討を行い、大学への提案を含めて議論を継続することについて確認しました。

② 奨学金制度に関して、2021年度から新たな奨学金制度がスタートしており、2021年度から2025年度を区切りとしています。2026年度以降へ向けては、運用実績に基づいて、2023年度後半から奨学金制度の評価、次期奨学金制度を検討していく予定となっており、検討に際しては、学友会とも議論をしながら進めていきます。

第2議題:院生協議会連合会からの論点提起

 院協からは、2019年度全学協議会で確認したことのうち、①施設利用について、オンラインでの学会や研究会の開催が増加しており、特に海外で行われる活動は時差があることから、施設が開いていない時間帯に開催されることも多いという実態も踏まえて24時間化の検討をすること、②日本語を母国語とする院生に対して、研究上必要な外国語を学習できるオンデマンド講座開設へ向けて、具体的な方向性を協議すること、③施設設備について、大学と院協の間で確認されている座席配置のルールに関して、新型コロナ禍や研究科のキャンパス移転等、変化する情勢を踏まえた議論を再度行うこと、④大学と院協それぞれが担う役割について、研究環境整備という観点から確認・整理を行うこと、⑤キャリアパスについて、新型コロナ禍で学会や研究会が中止・延期されている状況を踏まえて、業績を安定的に積み重ねていくことを目的とした学内における発表・論文投稿等の機会の増加を求め、⑥学費については、現行学費を継続しながら、キャリアパス推進制度の維持を求めました。また、2022年度以降へ向けては、⑦全学協議会のあり方について、安定した開催・運営ができるよう各パートとの認識をすり合わせたいとの意見を表明しました。

 院生協議会連合会からの論点提起を踏まえ大学からは以下の通り、説明をしました。

① 施設利用の24時間化に関して、近隣の環境保持との関係や施設管理、院生の安全確保を考えると、24時間利用は現状、非常に課題の解決が厳しいという状況にあります。そのような中、情報環境の提供に関しては、低価格の通信サービスの斡旋をするなど支援を行ってきています。

② 外国語教育に関して、まずは英語のオンデマンド学習環境の整備を2021年から全学的に進めてきています。この環境を多くの院生に活用してほしいと考えており、院協の協力も得ながら取り組みを進めていきたいと考えています。

③ 施設整備に関して、研究室などの施設は、新型コロナ禍の中で院生の安全を守る観点から、イレギュラーな運用となっていました。そのような中で、院生の位置づけについて、守られるべき学生なのか、研究活動を保障されるべき研究者なのか、立命館では明確に意識されていなかったことが課題として浮かびあがってきました。

④ この課題を解決するため、院生という存在を中心に置いて、新たに施策や施設利用を再設定していく必要があると考えており、院協とも議論を行いたいと考えています。

⑤ キャリアパスに関して、例えば、研究機構の研究センターが発行している紀要のレフリージャーナルに掲載することが考えられるため、大学として支援ができないか検討行います。一方で、論文の評価としては、学内向けより学外向けのほうが評価が高いため、学外での学会発表や投稿の機会のサポートを、引き続き進めていきたいと考えています。

⑥ 現行学費の継続とキャリアパス推進制度の維持という論点については、R2030の次世代研究大学の実現に向け、院生像、大学院政策、大学院制度の検討と関連することから、これらに関連して院協と議論をしながら取り組みを進めていきたいと考えています。

⑦ 全学協議会のあり方については、2016年度に議論を行い「①全学協議会の会則の変更は行わず、従来通り全学協議会を開催する、②全学協議会の開催は、学友会の意思や主体性を尊重しつつ、4パートで協議して決定するが、少なくとも常任理事会が全学的な学費提起を行う際には全学協議会を開催する」といったことを確認してきています。この議論の到達点を踏まえ、運営上の課題があれば、協議を進めていく中で整理していくことが必要であると考えています。

⑧ R2030チャレンジ・デザインにて「次世代研究大学」を掲げる際には、院生がその主人公となることから、院生のニーズを院協として、取りまとめ大学に共有してもらう等、院生がキャリアデザインを設計し、自らのものにできるよう院協としての大学院生像を議論してほしいという課題提起をしました。

議論のまとめ

 以上の2つの議題の議論を踏まえ、大学からの受け止めや評価を、以下の通りまとめました。

  • 教学について、英語教育に関する学生の成長実感がない点を、大きな課題として受け止めました。学部によって差異があることも踏まえ、各学部の特性や実情に応じた教育・学習法のあり方は、学部単位でも検討できるよう、学友会からも情報提供をしてもらい、議論を進めていきます。また、どのような授業形態がベストであるのか、そして、対面・オンラインそれぞれの形式でどのように学生同士の深いつながりが形成できるのかこの2点が今後重要になると考えています。そのため、どのような形態であっても学びの質や満足度を高めるため、引き続き議論を進めていきたいと考えています。
  • 学生生活について、学生のみなさんが大事にしている課外自主活動を含め、安全・安心に取り組みを進めていけるよう支援を継続していく必要があると考えています。また、R2030の具体化に向けては、D&I推進の観点を踏まえながら、課外自主活動のあり方や支援のあり方について引き続き検討を進めていきます。さらに、留学生へ向けた支援は、日本に入国をすることができているか否か、それぞれの状況を踏まえて支援を継続していきます。加えて、奨学金については経済型・成長支援型それぞれ、学友会とも議論をしながらよりよい制度設計ができるよう進めていきます。
  • 大学院生は、R2030チャレンジ・デザイン「次世代研究大学」の主役となることから院協の取り組みに大きな期待をします。今後の全学協議会の議論へ向けては、どのような院生像や施策をつくっていくのかを議論をしながら深めていきたいと考えています。また院協から課題提起があった、全学協議会で協議する議題設定のあり方、運営のあり方については、課題を明確にした上で、協議の中で整理していく必要があると考えています。
  • 最後に、学生・院生のみなさん自身が安全・安心に学びや研究や成長を遂げるためにチャレンジができるように、持続的な活動が担保されるための大きな基盤として学費があります。そして、学費は単に今だけではなく、今後の持続的・継続的な発展の基盤にも求められるものです。この確認をした上で、学生・院生のみなさん自身が、わくわくしながらチャレンジできる大学であるということを実感できるよう、2022年度の全学協議会へ向けて今後も議論させていただきたいと考えています。

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2021.04.09

RS学園通信特別号「2021年度のスタートにあたって -2020年度の新型コロナウイルス禍での実践をふまえて-」

冊子版(PDF)

 2020年度は、新型コロナウイルス感染拡大により学生・院生が学びや学生生活について甚大な影響を受けた年でした。こうしたなかで、大学は試行錯誤しながらも学生に教育的な価値を提供すべく、「新型コロナウイルス禍に対する学びの緊急支援」をはじめとした様々な工夫を重ね、学びと成長を実現する取り組みを進めてきました。また、新型コロナウイルス禍での影響について、特に学生(学友会)から、学生からの視点で問題点等の指摘が出されました。学友会とは懇談会等でコミュニケーションを重ね、2020年度全学協議会代表者会議でも協議のテーマとして取り扱いました。
 このような未曽有の事態に向き合い、乗り越えていくためには、立命館大学の学生・院生・教職員・関係者の全構成員の結束が重要となります。2021年度はR2020後半期で築いてきた基盤、ならびに新型コロナウイルス禍のなかで得た経験をもとに、従来とは違うレベルでの教学、学生生活の創造を構築していきます。それとともに、2021年度は未来に向けた取り組みとしてR2030チャレンジデザイン(中期計画)を具体的に進める画期となる年度にあたることから、2020年度の取り組みや経験を取りまとめ、未来への展望につなげることを目的に、このRS学園通信を発行します。


第1章 2020年度の新型コロナウイルス感染拡大による影響と立命館大学の取り組み

 2020年度においては新型コロナウイルス感染拡大により、大学のあり方や、教学・学生生活を含む「日常」や「当たり前」が一変しました。大学は、学生と教職員の生命・健康を守ることを最優先としたうえで、大学の根幹をなす教学・研究活動を継続する方法を模索しました。春学期にWEB授業への移行を判断した際には、授業の実施や学生のみなさんの学びと諸活動を支援するための包括的な「学びの緊急支援策」(学園全体で総額25億円)を具体化しました。4月下旬から、①全学生を対象とする一律3万円の情報環境整備のための緊急支援金の支給、②情報環境整備が困難な学生のみなさんを対象とするパソコンとモバイルルーターの無償貸与、③開講直後には一時動作が不安定であったmanaba+Rの抜本的な増強、④状況の変化にかかわる学生のみなさんからのさまざまな疑問に答えるFAQサイトの新たな整備、⑤各学部で必要な機材・ソフト・郵送できる実験キットの購入などを実施しました。


 このほか、WEB授業の質を確保するため、教員対象のサイトにWEB授業に関する案内や情報提供のためのページなども設けました。図書館では、5月の連休明けから郵送による貸出サービスを開始し、電子書籍の契約規模も大幅に拡大しました。学生生活の面では、アルバイトの停止や家計の急変などの経済的な困難を抱える学生に対して、校友や教職員等からの篤志・ご寄付を得ながら緊急生活支援金として9万円(月額3万×3カ月)の給付を行い、約3,800名の学生が利用しました。国の学生緊急支援金制度の適用と合わせれば、約1万名の学生に対して、総額10億円を超える規模の支援となりました。
 課外自主活動については、感染リスク等の低減を工夫している団体に対して活動計画書の点検や、執行部学生との面談等を実施し、限定的な対面活動の再開を認めてきました。対面活動再開後も、各団体には教職員ならびに顧問・部長・副部長等によるサポートを行っています。こうした対応に加え、新型コロナウイルス感染対策に関わる啓発を目的に動画やクイズ等の教材を開発し、多くの学生が感染予防の理解を深めました。
 また、WEB授業を進めたことで、対面授業がもつ固有の価値・役割を改めて認識する機会になりました。秋学期からは、可能な範囲で対面授業を再開していく方針を定めました。同時に、誰もが学び学び合える環境を創出するため、対面授業でもライブ配信や録画配信を推奨することとしました。そのために、①対面授業の同時ライブ配信・録画配信が可能となるよう、約600の全教室にカメラ・スピーカーシステムを整備し、②大学全体でZoom(WEB会議システム)のライセンス契約を締結し、③学生が授業動画をダウンロードせずに視聴できるよう、ストリーミング配信システムのパノプトを導入し、④学内でのWEB授業の受講のために無線LANアクセスポイントの増強をしました。これらは、新型コロナウイルスへの一時的な対策にとどまらない、アフターコロナを見据えた新たな教学の質、学生生活の質を創り出す取り組みの第一歩となっています。


 しかしながら、学生のみなさんからは、WEB授業の質のバラつきに対する不満が出され、また授業の作業・宿題の集中やその多さに困惑するなど、これまでの基本的な学びのスタイルとは大きく異なる困難を経験することになりました。さらに、キャンパス利用の制限や課外自主活動への参画ができにくくなり、こうした問題を友達同士で話題にして解決・消化していく場も充分に作ることができませんでした。結果として、思い描いた学生生活を送れない残念さ、不満やストレスを感じた学生が少なくありませんでした。これらは、大学や学友会が実施したアンケートにおいても明らかでした。さらに、ご父母のみなさまからも多くの心配の声が寄せられました。
 このような学生のみなさんの声や実態をしっかりと受け止め、大学では新型コロナウイルス禍による急激な環境変化に対応するべく、新たな教学・学生生活を創り出そうと懸命に取り組んできました。すべての問題が解決されたとは言えませんが、この間生じた多くの困難のなかであっても、正課・正課外での学びのなかで新たな取り組みが生まれていることも事実です。大学は上述した状況や経験を全学で共有しつつ、アフターコロナを展望したときにどういう方向に向かうべきか、リアルを基本におきつつ、デジタルや様々な手法を加えることによって、学習・学生支援の諸施策をどのように発展させるべきかについて、学生・院生・教職員のみなさんと真摯に議論し、全構成員で団結して取り組んでいくことが重要と考えました。こうした立場から、第2章に記載したように、2020年度第1回全学協議会代表者会議において、学生(学友会)や院生(院生協議会連合会)との協議を進めました。


第2章 新型コロナウイルス禍での経験をふまえた学びや学費のあり方について
~2020年度第1回全学協議会※ 代表者会議での協議から~

 2021年1月27日、2020年度 第1回全学協議会代表者会議において、学生・院生・教職員・大学が新型コロナウイルス禍での経験をふまえた学びや学費のあり方などについて協議しました。新型コロナウイルス禍により、学生・院生が学習や学生生活に甚大な影響を被ったことを考慮し、その声を直接聞かせてもらいたいという趣旨から、理事長・総長も出席しました。


 第1議題の、「2020年度の新型コロナウイルス感染拡大の影響を踏まえ実施してきた施策について」での協議内容は、次の通りでした。
 学友会は、新型コロナウイルス禍において対面授業の激減、留学の中止、課外自主活動の制限や学生間のコミュニティ形成が困難であったことなど、学びの機会の損失は大きく、人間的成長の機会を著しく損なわれたという認識を提示しました。学びに関わる特に顕在化した諸課題として、①「WEB授業における課題の増加」②「授業等で活用するICTツール(オンラインツール)の標準化」③「WEB授業で提出した課題等への教員から学生へのフィードバックの機会の担保」④「通信環境の整備」⑤「教育効果を高める講義形態の模索」⑥「課外自主活動の対面活動実施に向けた進め方」⑦「初年次教育の重要性と特に1回生のコミュニティ形成」などの問題点を指摘し、改善を求めました。これに対して大学側は、以下の見解を表明しました。

 

 新型コロナウイルス禍における学びの諸課題について、①WEB授業における作業・宿題の分量については、「単位制度の実質化」に向けて授業外学習は不可欠ですが、その負担が重くなりすぎないよう、「その分量と提出期間」に対する配慮を秋学期開講時に教員に対して求めました。②WEB授業で使用されるICTツールの「標準化」については、様々なツールが試行的に活用されている現状での統一は適切ではないため、今後対応が必要であると受け止めました。③授業の作業・宿題へのフィードバックについては、より教員が注力できるよう、教学部においてFDに関する懇談会やITスキルに関する研修会の開催などの支援をしてきました。フィードバックに関する基本的な考え方については、全学レベルで合意形成と共有化をめざし、一定のルールを作り上げる必要性を認識しています。④通信不良への対策として、大容量で安定的かつ高速であるオンライン環境の支援サービスの導入が計画されています。⑤今後の講義形態については、大学は対面授業とWEB授業のそれぞれのメリットを享受できるハイブリッド型(対面・WEB併用)を考えていきます。以上の点については、今後とも、学生相互の学びあい・ピアラーニングの場を確保する課題を共有し、学生のみなさんと議論を重ねていきます。
 課外自主活動について、⑥学生の生命・健康を守ることを最優先に、2020年4月からオンラインでの支援などを進めてきました。課外自主活動の取り組み自身が、みなさんの成長に重要であるという立場から、2020年6月からは対面での活動再開を段階的に進めています。クラブ・サークルの主体的・組織的な活動意義や構成員の安全・健康を守る活動計画を再確認するなかで、みなさんの人間的成長もあったと感じています。⑦2021年度の新歓期には、新1回生だけでなく2020年度入学の新2回生も対象とする企画を学友会と連携し、オリター団等の学生とともに、安全・安心なキャンパスで新入生を迎え入れることとしました。

 第2議題では、「新型コロナウイルス禍での経験をふまえた学費のあり方について」をテーマに協議を進めました。この協議では、学費の重みに応える教学の考え方を大学から説明しました。また、学費に見合った学びの実感の重要性について、継続して協議を重ねることを確認しました。
 リアルな学びとそれを満たす条件の整備、WEBを活用した新たな授業方法の開発、ならびにWEB授業受講のために大学は必要な環境の整備、家計急変などに対する奨学金・助成金の支給等、立命館大学は「新型コロナウイルス禍に対する学びの緊急支援」を他大学に劣らない内容と規模で実行してきました。しかしながら、キャンパスでのコミュニティ形成、友人作りや学び合いなどが著しく制限され、留学の中止も余儀なくされた状況下で、学生のみなさんが思い描いた学生生活を送ることができず、成長の実感を十分に得ることが難しかった現実や、学費の一部返還を求める厳しい声があることについて、大学は重く受け止めています。新型コロナウイルス禍は、大学の教育研究事業のあり方や、人と人との交流・学びと成長の場としてのキャンパスの価値等を問い直す重要な契機であると受け止めています。2020年度における実態の確認ならびに実践の成果をもとに、ウィズコロナ・アフターコロナにおける学習環境や学生生活を創造することを2021年度以降も追求していきます。
 学園財政に目を転じると、公費助成の二重の格差1のなかで、日本の私立大学にとっては、学費が大学運営の基盤的な収入となっています。学費収入による財政基盤があるからこそ、「新型コロナウイルス禍における学びの緊急支援」等を実行することが可能であり、大学の重要な使命である教育研究の質の向上を持続的に展開していくことが可能となります。学生のみなさんの学びと成長の実感を高めることは普遍的な課題ですが、新型コロナウイルス禍といった未曽有の緊急事態下にあっても、その時々の状況や実態に対応しながら、教育研究の質の向上、学びや成長の機会創出に努めることが、学費の重みに応える大学の責任であると考えています。また、こうした持続的な教学向上の営みは、在籍する学生のみなさんだけではなく、卒業生(校友)にとっても母校の価値向上として還元されるものです。2020年12月には、学長からのメッセージ「新たなキャンパスライフをつくる7つの宣言」を学生のみなさんに発信しました。

 2021年1月に開催された2020年度全学協議会代表者会議での協議は、新型コロナウイルス感染拡大による多大なる影響や課題について、学生・院生・教職員と大学とが認識を共有すると同時に、こうした苦難を乗り越え新たな大学、教学や学生生活を創り出す未来へのスタートの第一歩であったといえます。

1 日本の私立大学に対する公費助成は、次の構造的な矛盾を抱えています。①教育は公の性質を持つにも関わらず、日本の教育に対する公財政支出は低い水準にあり、高等教育段階では私費負担割合が約65%で、OECD平均の2倍以上に達しています。②また、私立大学(学校法人)も国立大学も同様に公教育を担う機関であるにも関わらず、私立大学への公費助成は国立大学の約4分の1で、学生ひとりあたり約13倍の格差が生じています。


第3章 R2030チャレンジ・デザインの具現化に向けた2021年度の取り組みについて

 2020年度はR2020計画の最終年度にあたり、2030年に向けた「学園ビジョンR2030チャレンジ・デザイン」を議決した年でもありました。「学園ビジョンR2030チャレンジ・デザイン」は、これまで述べてきた2020年度の新型コロナウイルス禍での経験もふまえ、学生・院生・教職員のみなさんともに具現化を図っていくものとなります。ここでは、この概要を紹介するとともに、2021年度の具体的な取り組みを記載します。

1.学園ビジョンR2030チャレンジ・デザインについて

 立命館大学は、2030年代のめざすべき姿として、社会共生価値の創出に向けて、①新たな価値を創造する次世代研究大学、②イノベーション・創発性人材を生み出す大学、の2つの柱を掲げています。
 また、その際に、(1)社会との共有知を創造する、(2)学びの価値を提供する、(3)自己変革する組織を実現する、という3つの重点目標を設定し、達成をめざします。この目標をふまえ、立命館大学のチャレンジ・デザインとして、①Ritsumeikan Knowledge Nodes 構想を核とした次世代研究大学の構築、②研究力の向上と教育の高度化をつなぐ教育の展開、③多様化する学習者に向き合う学びのシステムの適応性の向上、④オープン・イノベーションを推進する多元的な連携の構築、⑤多様な個を新しい価値の創出へと導く組織変革、の5つを課題領域として設定し、具体的な施策を取り決めて推し進めていきます。
 こうした取り組みを通じて、立命館大学から新たな価値や学びが生み出され続けることをめざします。また、この源泉となるのは、生涯にわたって社会に向き合いながら学び続ける学生・院生・校友・教職員などの主体者が人生の節目で立命館大学に集い、学び合うことにあると考えています。立命館大学は、この生涯にわたる学びの旅路の主体者の母港(母校)のような存在であるといえます。

2.立命館大学の2021年度の学びの充実に向けた取り組みについて

 R2020後半期計画では、学習者中心の教育、学びのコミュニティ形成、国際教育を軸として教学の質向上を図ってきました。そのために、重点的な基本課題の一つとして「学びの立命館モデル」の構築を進めてきました。これにより多様な学習支援、履修指導、コモンズをはじめとしたピアラーニング支援や、学生支援・課外自主活動支援に関わるSSP(Student Success Program)、立命館・社会起業家支援プラットフォーム(RIMIX)、立命館大学オンライン交流促進プロジェクト(RI-sA)などの取り組みが広がりました。この結果、例えば、2017年度から2019年度の調査では、授業外学習時間2が伸びただけでなく、語学力を測る基準の一つであるCEFRの成績をみると、B1レベルに達する学生が増加傾向にあります。このように学習環境の改善が進み、その効果も検証されていますが、さらなる向上が求められます。R2030チャレンジ・デザインの具体化の取り組みの施策として、キャンパスDX(デジタルトランスフォーメーション)を積極的に推進するなかで、「誰もが、いつでも、どこでも、学び、学び合える」環境をめざし、みなさんの学びのさらなる充実に取り組みます。
 このようなR2020計画での到達点や課題、新型コロナウイルス禍での経験や「学園ビジョンR2030チャレンジ・デザイン」をふまえた学びの充実に向けて、2021年度には以下の点に取り組みます。


  • 授業について
    2021年度は、キャンパス内で対面授業を受講する機会を増やし、対面とWEBを組み合わせて実施する授業においても、可能な限り対面授業の回数を増やします(対面授業を含む授業3はBCPレベル2の状況下で全体の9割となっています)。また、対面授業やWEB授業など、各科目の授業実施形態はシラバスに記載し、公開します。また、「学びの立命館モデル」を発展させ、様々な研究成果にふれながら学ぶ機会の拡大に向けた検討を始めます。

  • つながり・交流促進について
    2021年4・5月には、学友会新歓実行委員会やクラブ・サークル活動に参加する学生のみなさんと連携し、課外自主活動への参加や立命館大学への入学を歓迎する企画を実施します。オンキャンパスでは、対面ブース形式の活動紹介企画やホール・大教室等を利用した発表・プレゼンテーションの企画を行います。また、オンラインでは「Ritsumeikan Cyber-Campus」(大学)や「FrontieR」(学友会)など様々な方法で交流の場を設定し、つながり・交流を促進します。21年度新入生ならびに20年度新入生についても、交流の促進を図ります。
     
  • クラブ・サークルなどの課外自主活動について
    新型コロナウイルス感染拡大防止策を徹底しながら、対面により課外自主活動を実施する団体を2021年4月時点で200団体以上に増やし、継続して支援していきます。2021年度も対面での活動を希望する団体へは、新型コロナウイルス感染対策の啓発などの支援を継続していきます。
     
  • 留学・国際交流について
    グローバルな学びや国際交流の促進として、国際教養科目群の設置や英語開講科目の提供、またBBPでの共修・交流企画、外国語学習機会の提供にいっそう取り組みます。海外渡航の再開を見据えつつ、オンライン留学やハイブリッド留学も進めます。
     
  • 多様な学生への対応と支援について
    立命館大学における性の多様性に関して、ジェンダー・セクシャリティなどのダイバーシティ&インクルージョンの取り組みについて、学生支援のガイドラインに基づく対応や支援を推し進めます。障害のある学生に対しても障害学生支援室の支援コーディネーターがニーズを聞き取り、修学しやすい環境に調整していきます。外国人留学生についても、多言語での生活サポートを続けていきます。
     
  • キャリア形成支援について
    学部低回生から就職活動時期、そして大学院生も対象とした各種セミナー・ワークショップを実施し、リアルな就職活動を伝えます。オンライン・プラットフォームを活用することで、OB・OGのキャリアを知り、訪問することができます。さまざまなツールを用いた面接対策支援などを提供します。個別相談では、学生がオンライン型か対面型を選択することができます。今後も、学生の状況や希望をふまえた支援を展開していきます。
     
  • 安心の感染防止対策について
    みなさんを感染症から守る取り組み(飛沫防止アクリル板の設置やマスク着用等)を継続します。また、感染者の発生に備えて、すべての教室の座席にQRコードを貼付し、着席した場所を登録すれば周囲に感染者が発生した場合に通知が届く、本学独自の接触状況把握システムを導入します。
     
  • R2030チャレンジ・デザインの具体化に向けて
    2021年度は、R2030チャレンジ・デザインの開始の年として、①アフターコロナを展望したウィズコロナの学びの充実、②DXの推進による教育・研究の高度化と学びの充実・活性化、③新たなグローバル化の推進、④オープン・イノベーションを通じた起業文化・マインドの形成を重点課題として、その具体化に取り組みます。

2 2020年度では、新型コロナウイルス感染拡大の影響が大きいため調査対象から除いています。
3 ここでは、全15回の授業回数のうち対面で実施される回が3分の1を超える授業をさしています。


[用語解説]
※ 全学協議会とは、立命館大学において、大学という「学びのコミュニティ」を構成する全学部学生(以下、学生という)、大学院生(以下、院生という)、教職員および常任理事会が、教育・研究、学生生活の諸条件の改革・ 改善に主体的に関わり、協議するために1948年に設置された機関です。大学を構成するすべての構成員による自治という「全構成員自治」の考えのもとに、大学を構成する4つのパート(学友会、院生協議会連合会、教職員組合、常任理事会)に、学生生活等を支援する立命館生活協同組合もオブザーバーとして加わり、協議が行われます。
 立命館大学では、これまで学費および学費改定方式を見直す際に、これまでの教育・研究、学生生活支援の到達点と今後の課題を総括し、次期の学費政策・授業料改定方式の提起とあわせ教育・研究、学生生活支援の改革・改善の方向性について、全学協議会で協議してきました。
 2020年度では全学協議会代表者会議に向けて学生(学友会)と21回、院生(院生協議会連合会)と6回の懇談会等を設定し、議論を重ねてきました。2020年度全学協議会代表者会議の協議内容、2019年度全学協議会確認事項など、過年度の全学協議会の情報はHPをご参照ください。

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2021.03.19

2020年度 第1回全学協議会代表者会議 議論まとめ

 2021年1月27日に、2020年度 第1回全学協議会代表者会議が開催されました。2020年度は、R2020 後半期計画の最終年度であり、学園ビジョンR2030立命館大学チャレンジ・デザインが議決された年です。2019年度全学協議会以降に各パートで議論を深めてきた論点の確認とともに、2020年1月に国内で感染例が生じた新型コロナウイルス感染拡大による影響もふまえ、どのように学ぶ機会を充実させていくのかという点が協議されました。また、新型コロナウイルス禍により、学生・院生が教学や学生生活に甚大な影響を被ったことを受け、その声を直接聞かせてもらいたいという趣旨から、理事長・総長も出席して開催されました。


第1議題:2019年度全学協議会からの継続課題の確認、および2020年度の新型コロナウイルス感染拡大の影響を踏まえ実施してきた施策について
 学友会からは、2019年度全学協議会で確認したことのうち、おもに①「試合等参加証明書制度の周知徹底」②「グローバル化のさらなる促進」③「ダイバーシティ&インクルージョンの取り組みについて」④「分かりやすい奨学金制度設計と学生への周知」についての進捗確認がありました。
 また、新型コロナウイルス禍において、対面授業の激減、留学の中止、課外自主活動の制限や学生間のコミュニティの未成熟など、学びの機会の損失は大きく、人間的成長の機会を著しく損なわれたという認識が提示されました。特に顕在化した学びに関わる課題として、⑤「Web授業における課題の増加」⑥「授業等で活用するICTツールの標準化」⑦「Web授業で提出した課題等への教員から学生へのフィードバックの機会の担保」⑧「通信環境の整備」⑨「教育効果を高める講義形態の模索」⑩「課外自主活動の対面活動実施に向けた進め方」⑪「初年次教育の重要性と特に1回生のコミュニティ形成について」などの問題点を指摘し、改善を求めました。
 これらの確認や指摘について、大学は以下のとおりに回答しました。①試合等参加証明書について、教授会・教務支援ホームページ等でさらに丁寧に説明をしていきます。問題が生じた際には、まずは学部事務室・学びステーションに相談いただき、学生部が連携して対応をします。②グローバル化の促進については、新型コロナウイルス禍でも、仮想BBPをはじめ各種のコンテンツを稼働させました。到達実感のもてる外国語の学びについては、引き続き学友会と意見交換の場を設定します。③④ジェンダー・セクシャリティなどのダイバーシティ&インクルージョン、ならびに奨学金の取り組みについては、別途、学友会への説明と懇談の場を持つことを確認しました。
 新型コロナウイルス禍における学びへの課題について、⑤Web授業による過度な課題に対して、大学は「課題の分量と提出期間」に対する配慮を秋学期開講時に教員に対して求め、引き続き「単位制度の実質化」の取り組みを進めます。⑥Web授業で使用されるICTツール(オンラインツール)の「標準化」については、試行的な現状での統一は適切ではないため、今後の課題として受け止めます。⑦課題のフィードバックについては、より教員が注力できるよう、教学部においてFDに関する懇談会やITスキルに関する研修会の開催などの支援をしてきました。フィードバックに関する基本的な考え方については、全学レベルで合意形成と共有化をめざし、一定のルールを作り上げる必要性を認識しています。⑧通信不良への対策として、大容量で安定的かつ高速であるオンライン環境の支援サービスの導入が計画されています。⑨今後の講義形態については、大学は対面授業とWeb授業のそれぞれのメリットを享受するハイブリッド型(対面・Web併用)を考えていきます。今後とも、学生相互の学びあい・ピアラーニングの場を確保する課題を共有し、学生のみなさんと議論を重ねていきます。
 課外自主活動について、⑩再開については、学生の生命・健康を守ることを最優先に、4月からオンラインでの支援などを進めてきました。課外自主活動の取り組み自身が、みなさんの成長に重要であるという立場から、6月より対面での活動再開を段階的に進めています。クラブ・サークルが主体的・組織的に活動意義や構成員の安全・健康を守る活動計画を再確認する中で、みなさんの人間的成長もあったと感じています。⑪2021年度の新歓活動は、新1回生だけでなく2020年度入学の新2回生も対象とする企画の実施をめざします。オリター団等の学生とともに、安全・安心なキャンパスで新入生を迎え入れます。

 院生協議会連合会は、2019年度全学協議会からの進捗の確認としてグローバル化、施設整備やキャリアパス、ならびに学費について説明を求めました。研究環境の充実に関わる課題について大学は、院生の安全確保や施設の管理に加え、近隣の環境保持が重要で、住民との調整に力を入れています。特に研究施設の24時間化については課題が多く、現状ではその実現は難しいものの、利用ニーズがあることを受け止めました。その可能性を探るなど、継続した協議を行います。



第2議題:新型コロナウイルス禍での経験をふまえた学費のあり方について
 この協議では、学費の重みに応える教学の考え方を大学から説明しました。また、学費に見合った学びの実感の重要性について、継続して協議を重ねることを確認しました。大学からの説明の要点は、以下のとおりです。
 リアルな学びと、それを満たす条件の整備、Webを活用した新たな授業方法の開発、ならびにWeb授業受講のために、大学は必要な環境の整備、家計急変などに対する奨学金・助成金など「新型コロナウイルス禍に対する学びの緊急支援」策として総額25億円の取り組みに尽力してきました。とはいえ、2020年度春学期に学びと成長の機会が十分に提供できなかったことを理由に、学費の一部返還を求めるといった意見があることについて、大学として重く受け止めています。キャンパスでのコミュニティ形成、友人作りや学び合いなどが著しく制限され、留学中止も余儀なくされました。そのことが学生生活全体に重大な影響を及ぼし、現在もそのなかにいることを大学は重く認識しています。このような状況において大学が果たすべき責任は、おもに次の点にあると考えます。

●授業、コミュニティ形成、留学や学外のフィールドワーク、課外自主活動などのいずれにおいても、従来のリアルな対面を前提とする方法と、オンラインを活用した教育・学生生活の新たな可能性との両立を追求します。
●これらに必要な環境整備への投資を行うとともに、感染防止対策を徹底します。

 また、新型コロナウイルス感染拡大防止、学生生活の安全・健康確保を第一に諸施策を進めてきました。学生が学びを続ける・成長をする・実感を持てることの担保のため、学生サポートルームや障害学生支援室などにおいてオンラインでの学生相談を進めました。保健センターでは発熱外来を開設して、スクリーニング室を設け、キャンパス内で安全な診察体制を整備しました。本学独自の学びの緊急支援として、春学期には全学生を対象に一人当たり3万円、家計急変等経済的事情がある学生・院生3,796名(留学生含む)を対象に9万円を給付しました。秋学期には、留学生を対象に追加の支援も行いました。課外自主活動では、オンラインでの交流支援や感染症拡大防止を十分に図りながら、オンキャンパスでの対面ブースによる勧誘活動などを進めてきました。これらの取り組みのなかで、学生のコミュニティ形成を支援しています。
 学費は、大学全体の教学・学生生活全般を支える総合的な対価であり、原資となります。学生の学び・成長・交流の機会を提供するうえで、学費は不可欠な財源です。学費収入による財政基盤があるからこそ、教学の質を低下させることなく、持続的な展開・改善が実現できるのです。将来にむけた持続的な教学向上の営みは、卒業後も母校の価値向上として還元され、本学が歴史的存在として永続してきたと認識しています。新型コロナウイルス禍であっても、立命館大学は学生の学びや様々な活動を通じて学費に見合った成長の実感や達成感を持てるよう、引き続き全力を尽くすことを約束します。なお、このような考え方を具体的に推し進めるものとして、2020年12月に学長からのメッセージ「新たなキャンパスライフをつくる7つの宣言」 がみなさんに発信されています。

 議論を通じて、特に学友会から提示された対面での授業、課外自主活動や留学などの成長の機会が失われたこと、そして学生自身の成長が確認できる機会を保障して欲しいという切実な要望を、大学は重く受け止めました。2021年度新入生や新2回生を含めたすべての学生に対して、対面を中心としつつ、オンラインの活用を含めた可能な限りのことを行うと仲谷総長は約束し、今後とも継続して対応することとしました。なお、この協議でも重要なテーマとなった2020年度の新型コロナウイルス感染拡大を踏まえた取り組みと今後に向けた展望については、『RS学園通信特別号』を4月以降に発行し、改めて全学で共有します。



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2019.11.08

学友会との「教学関係およびスポーツ関係の論点を協議する懇談会」を開催

2019年11月6日(火)に、「教学関係およびスポーツ関係の論点を協議する懇談会」を開催しました。本懇談会は、2019年度全学協議会から継続して協議を行いたいと学友会から要請のあった教学およびスポーツに関する論点・テーマについて、大学(教学部、国際部、学生部)と学友会で意見交換し、今年度の全学協議論を取りまとめる「全学協議会確認文書」に反映することを目的に開催したものです。

 当日は、衣笠キャンパスと大阪いばらきキャンパス、朱雀キャンパス、東京キャンパスをサテライトシステムでつなぎ、学友会からは7名、大学からは森岡教学部長をはじめとした教職員が教学部から6名、国際部から1名、学生部から8名の計15名が出席しました。

本懇談会は、学友会から要請のあった以下の論点について、第1部を教学関係、第2部をスポーツ関係に分けて協議をする2部構成で実施し、まず大学(教学部、国際部、学生部)が、学友会から提起されている論点へ対応状況の説明を行い、これを受けて学友会から意見や指摘が出されました。

第1部では、「受講登録」と関わって「授業アンケート結果を、科目選択時に活用できるように、例えばmanaba+Rに掲載してあるアンケート結果を周知するタイミングを、学生が見やすいタイミングでリマインドするなど適切なタイミングで情報発信をしてほしい」といった意見が学友会から出されました。また、「試合等参加証明書の運用」の協議では「試合等参加証明書の学生・教員への周知は引き続き重要である」「教員が受理しないということがないように徹底してほしい」「受理してもらえない等の学生相談窓口は実現してほしい」といった指摘も出されました。

第2部では、スポーツ関連の課外自主活動施設の整備について協議がなされ、BKCアスリートジムの設備更新について優先順位を上げて取り組んでほしいという要望やOICアリーナでの空調設備に関わる課題の指摘がなされ、懇談会は終了しました。


■本懇談会における懇談テーマ・論点
【第1部】教学関係
 ・受講登録について
 ・講義におけるフォローアップについて
 ・BBP(Beyond Borders Plaza)の活用について
 ・試合等参加証明書の運用について
 ・その他(manaba+Rのアプリ化、学内におけるキャシュレス決済)について

【第2部】スポーツ関係
 ・課外自主活動施設(主にOICアリーナ、BKCアスリートジム)の利用改善について
 ・その他(BKCにおけるスポーツ関連の情報宣伝活動など)



(ニュース)20191106懇談会

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