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【SSH】さくらサイエンスプログラムでアメリカLewiston-Porter高校を受け入れ

2023.02.21

 国立研究開発法人科学技術振興機構(略称JST)の国際青少年サイエンス交流事業(さくらサイエンスプログラム)を通して、1月18日~24日の7日間、アメリカの高校Lewiston-Porter High School(Lew-Port)の生徒9人を受け入れました。ニューヨーク州ナイアガラにある公立高校で、科学教育に力を注いでおられる学校です。生徒達の課題研究も盛んで、以前から海外のサイエンス・フェアでお会いしていました。昨年5月にLew-Portにおいて、International Students Science Fair(ISSF)が開催され、立命館高校からも生徒を送り、交流が始まりました。本校生徒との研究の交流に加えて、立命館大学、大阪大学、京都大学などで最先端の科学技術について研修を行いました。本校生徒がバディとなり、ウェルカム企画、観光企画、フェアウェル企画を計画してLew-Portの生徒との親睦を深め、今後長く続く友情を築けました。プログラムの内容は以下の通りです。

1月18日(水)
 長時間のフライトの後、Lew-Portの皆さんが元気に伊丹空港へ到着しました。空港で迎え、バスで京都四条烏丸のホテルへ移動。夜9時頃の到着のため、オリエンテーションだけ行ってこの日は終わりました。

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1月19日(木)
 朝から立命館高校へ向かいます。この日は終日、立命館高校での取組です。このプログラムに関わる立命館の生徒達は、12月にすでにオンラインで何度かの交流を行い、バディ生徒としてお世話をするいくつかのグループができていたため、正門でお迎えした時点から、普通の友達のように仲良く会話する姿が印象的でした。東谷校長からの挨拶の後、高校2年SSGクラスの生徒達の課題研究授業へ入って、それぞれの生徒から自身の取り組んでいる課題研究について実験等を交えながら説明を聴いてもらいました。午前中の後半で、SSG2年の家庭科授業に入り、一緒に調理実習をしてもらいました。おにぎりとみそ汁を作っての昼食です。午後には、立命館へ年間留学している留学生も交えて日本語授業を受けたあと、音楽の先生から三味線を習いました。また、高校3年SSGクラスの生徒達がこの1年間取り組んできた課題研究をポスター発表しました。Lew-Portの生徒達も自分が取り組んでいる課題研究を簡単なポスターにまとめてきており、お互いに研究を交流しました。放課後は、生徒達の企画したウェルカムイベントがあり、1日の交流ですっかり仲良くなれました。

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1月20日(金)
 立命館大学びわこ・くさつキャンパスでの研修です。立命館高校の5名の生徒も学校を公欠で合流しました。午前中は、AIOLというものづくりLabで、3D作品の制作です。金山英幸先生のご指導で、3D作品を作ります。簡単な設計アプリを使い、自分達で設計したものを3Dプリンター等にセットして、昼食へ向かいました。午後には、森正樹先生のご指導で、天文台の見学を行い、その後に午前中の作品を受け取りました。また、立命館大学の博士課程で学ぶ立命館高校卒業生2名が研究の紹介をしてくれました。1名は3次元モニターの開発、もう1名は薬の副作用についての研究でした。

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1月21日(土)
 大阪大学吹田キャンパスでの研修です。土曜日で学校がお休みであり、立命館高校からも9名の生徒が同行しました。午前中は、池田史代先生、Kaypee Stephanie Roshni先生によるユビキチン生物学の講義を受け、その後、研究室を見学させていただきました。午後には、八木厚志先生から「走化性バクテリヤ集団のパターン形成」をテーマに数学の講義を行っていただきました。大阪大学での研修の後、万博記念公園に入園し、サッカー等で楽しく体を動かし、交流はどんどん深まりました。

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1月22日(日)
 京都大学での研修です。この日も日曜日のため、立命館高校から10名の生徒が合流しました。朝から京都大学総合博物館を見学し、その後、Roger Wendell先生による「ニュートリノ」の講義を受けました。Wendell先生は生徒達と同じアメリカ人ですが、日本で研究をされていますので、何故、日本で研究をされているのか等もお話しいただきました。今回来日した生徒達からも、将来、日本で研究活動を行ってくれる者が現れることを願っています。講義の後は、夕食までいくつかのグループに分かれて、立命館の生徒を交えた観光及び交流を行いました。

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1月23日(月)
 朝から伏見稲荷大社を拝観し、京都の文化に触れてもらいました。次に、立命館大学衣笠キャンパスを訪れ、図書館の見学と国際入学課の方から立命館大学における5つの英語で学べるコースについて説明がありました。アメリカン大学との共同学位プログラムには生徒からもいくつかの質問があり、興味を持ってもらえたようでした。最後に立命館高校へ戻り、浴衣と茶道の体験、フェアウェルイベントを行って、修了証の授与。再会を約束してすべての取組が終了しました。1週間の交流で友情が深まり、Lew-Portの生徒からの挨拶では、皆、声をつまらせ、涙を流しながらの挨拶となりました。別れを惜しみながら、学校を出発してホテルへ戻りました。

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1月24日(火)
 朝からホテルを出発し、空港までお見送りして、帰国の途に着かれました。

 今回のプログラムによって、Lewiston-Porter High Schoolと立命館高校との間の理解が進み、今後の交流について相談を行えました。素晴らしい機会をいただきましたこと、さくらサイエンスプログラムの関係者の皆さまに感謝申し上げます。