日本語教育学コース
Japanese Language Education Course
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カリキュラムの特徴
日本語教師、日本語教育の専門家に必要な、言語学習のプロセス、言語教育、言語、言語と文化/社会の関係などの高度な専門知識と研究方法を学び、国内外の日本語教育機関における教育実習で実践力を身につけることができる体系的なカリキュラムを設定しています。所定の条件を満たすと日本語教員養成課程の修了証を取得できます。学部で日本語教育や日本語学を専攻した人、現職の日本語教師の方や日本語や日本文化を専門として学んだ留学生など、多様なバックグラウンドを持った院生がお互いに刺激し合い、切磋琢磨できる環境・内容を提供しています。
日本語教育関連科目(講義系)
日本語教育の基礎から応用までの主たる内容として、日本語を対象とした第二言語習得論、日本語教育総論、教授法・教材論、そして言語教育における文化教育論、年少者日本語教育論などの科目を配置しています。日本語教育の知識・実践方法を学ぶというだけでなく、多様な学習者や教育環境に合わせて最適解を自分で考えることができるように、各自の応用力をつけることを目指す内容です。

日本語学関連科目
日本語の音声・音韻、語彙と意味、文法、語用論、談話分析などの科目を、言語学的な視点と応用言語学的な視点で学べるように配置しています。ここで学ぶ日本語学の知識・分析方法は、日本語を外国語として教えるためにも、また、日本語を言語学的に研究するためにも重要な基礎となるものです。

実践・演習系科目
日本語教育における実践力をつけるために、教材開発演習、電子教材開発演習、多文化共生実践演習、日本語教育実践演習(模擬授業含む)、日本語教育学演習(協定校での実習)などの科目を配置しています。特に協定校での実習は、国内の日本語教育機関だけでなく、英語圏、中国語圏、韓国、ベトナムでの実習機会も提供しており、国内外で活躍できる日本語教師の育成を目指したものです。また、正課外の活動として、府立高校での日本語教育ボランティアなどの活動も行っています。

想定される進路
日本語教育学コースでは、多様な日本語教育の現場で主体的に日本語教育を展開することができる高度な専門的知識と実践力を身につけます。それを活かして、以下のような進路で活躍できる人材を輩出しています。
- 日本語教師、日本語教育の専門家
国内外の大学、専門学校、日本語学校などの日本語教員、国際交流基金や国際協力機構(JICA)の日本語専門家、地域日本語教室の日本語教育コーディネーター/日本語教師、小中高等学校の外国ルーツの児童生徒を対象とした日本語指導員など - 本学文学研究科や他大学の博士後期課程への進学
(日本語教育学、日本語学などを専門とする研究者) - 教育/出版関係など、日本語教育や言語に関する知見とスキルを活かせる業界

言語学・コミュニケーション
表現学コース
Course in Linguistics and Studies of Communication and Expression
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カリキュラムの特徴
本コースは、言語学とコミュニケーション表現学の分野で大学院生が様々な事象を研究できるようになる教育を行っています。日本語や英語といった個別言語を研究対象とするだけでなく、複数の言語の対照研究や各言語の方言の研究も可能です。また、過去の修士論文の中には、日本語や英語の研究成果を応用してモンゴル語やチベット語や中国語を分析したものもあります。
さらに、対面調査だけでなくコーパスを使った研究や脳科学による言語研究の方法も学ぶことができます。一方、コミュニケーション表現については、具体的な音声表現・文章表現の作品分析から現実の社会生活場面の相互行為分析に亘る、多様なコミュニケーション表現事例の研究方法を学ぶことができます。
言語学関連科目
音韻論、形態論、統語論、意味論、社会言語学といった言語学の諸分野を扱う科目を配置しています。言語類型論の知見を取り入れた講義は、日本語や英語以外の言語の分析にも役立つ内容になっています。新しい知見を得るには、生成文法などの言語理論を学ぶのに加え、調査や分析の方法も学ぶ必要があります。フィールドワークやアンケート調査のノウハウを学ぶことができる科目も開設しています。
文理融合的な科目も開設しています。コーパス分析の科目では、用意されたソフトウェアを使うのではなく、テキストエディタなどによるデータの分析ができる力を身につけることができます。また、脳血流計を使った言語脳科学の科目では、母語と第2言語の脳活動を分析する方法を学ぶことができます。

コミュニケーション表現学関連科目
認知言語学、語用論、コミュニケーション論、相互行為分析、表現メディア研究といったコミュニケーション表現学の諸分野を扱う科目を配置しています。ことばを探究する視点として、特定の語句や文などの表現が、どのような心の作用と関係があるのか、他人に何を伝達しうるのか、社会の営みにどう貢献しているのかを学ぶことができます。また、小説やアニメなどのことばを用いたさまざまな表現媒体の作品を分析するための基礎を学ぶことができる科目も開設しています。コミュニケーション表現学を複数の視点から観察・説明できるようになるために、各科目で討議やさまざまな実践体験の機会もあります。たとえば、会話場面を収録するためのノウハウ、分析のための動画や音声の編集やアノテーションソフトウェアの操作方法だけでなく、文章表現・音声表現の機能を考慮したプレゼンテーションやアウトリーチの方法・技術を身につけることができます。

想定される進路
言語学・コミュニケーション表現学コースでは、言語学の専門知識を身につけることができるほか、テキスト処理技術に関する専門知識などの能力を身につけることができます。
また、単なる意思疎通能力としてのコミュニケーションスキルを超えた、実社会で活躍することを可能にする次世代型コミュニケーション能力や、表現分析に関する専門知識や今日のメディア環境に対応する文章表現・音声表現の実践能力などを身につけることができます。
このような能力を活かして主に下記のような進路で活躍する人材を輩出しています。
- 博士課程後期(文学研究科、他大学)進学(言語学など)
- 製造分野(システムエンジニア/研究/開発など)
- 出版社/教育事業分野(企画/編集/開発など)
- 情報・通信分野(新聞/放送/映像・音声・文字情報制作/インターネット関連など)
- サービス分野(コンサルティング/広告/システム/福祉など)

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