「東アジアの平和」をテーマに日中韓の学生が集う平和対話に参加。市民レベルで対話を続けることが緊張緩和につながるかもしれないという希望を持つことができました

井上 友佳理 さん
国際関係学専攻 3回生

大学入学後、国際関係学の学びに積極的に取り組まれてきた3回生の井上さんに、学部で学んでいる内容やこれまで参加したさまざまな取り組みについてお話を伺いました。

国際関係学部を志望した理由を教えてください。 

井上小学校の時に社会科の授業で、国連や青年海外協力隊など、貧困や紛争の解決のために世界で活躍する人々の存在を学んだことがきっかけで、私もそのような人になりたいという夢を漠然と抱きました。それ以来、大学では国際社会の貧困や紛争問題について学びたいと考えていたため、国際関係学を専攻できる大学に志望することは自然な選択でした。

立命館大学の国際関係学部では目標に向かって学ぶ志の高い友人に囲まれ、大学でやりたいと考えていた学問や活動に取り組める環境にあり、立命館大学に入学してよかったと感じています。

学部ではどのようなことに関心を持たれて学ばれていますか?

井上国際機構やNGO、市民社会を包摂するグローバルガバナンスに関心があり、現在は、東アジアにおける安全保障分野のリージョナルガバナンスについて学んでいます。

3回生からはグローバルガバナンス論や国際関係学を専門とされる足立研幾先生ゼミに所属しています。本ゼミは、様々な研究領域に関心のある学生と議論できることが魅力で、学問に対して志が高いゼミ生も多く、刺激を受けています。

印象に残っている授業は、3回生の春学期に受講した君島東彦先生教養ゼミナールという授業です。この授業では、夏休みに立命館大学、中国の復旦大学、韓国の慶熙大学の生徒が立命館大学に集まり、「東アジアの平和」をテーマに、3日間の日中韓学生平和対話を行いました。

日本、中国、韓国は、同じ東アジアに位置する国でありながら、言語も文化も歴史認識も異なっており、国家関係も非常に複雑です。領土問題や歴史問題など各国で認識が異なるテーマにも向き合い、英語でプレゼンテーションや議論を繰り返しました。

この学生対話を通して特に心に残ったことが2つあります。一つ目は、参加者全員で立命館大学内にある国際平和ミュージアムを訪れ、各国の歴史教育や歴史的記憶について話を聞くことができたことです。歴史認識については、互いの背景を尊重しながら向き合う必要のある難しいテーマであり、なかなか腹を割って話すことは難しいと感じていましたが、3カ国の歴史認識を共有できたことで、市民レベルではありますが、相手への理解が深まり、平和の実現に寄与していると感じました。

井上二つ目は、東アジアの平和について、3カ国の学生が直接意見交換できたことです。今まで、私は歴史認識の違いや領土問題に関するニュースを見る中で、現存する対立関係を解決し、東アジアの平和を実現することは困難なのではないかと感じていました。ですが、議論を重ねる中で、私たちには多くの共通点があり、「東アジアの平和のためには、対話が重要である」という認識を共有していることに気づきました。市民レベルの対話を続けることが緊張緩和につながるかもしれないという希望を持つことができ、大学生としてその議論の当事者になれたことをとても嬉しく思いました。

授業以外ではどのような学生生活を送られていますか?

井上2025年2月には、北東アジア学会と新潟県が主催する学生プレゼンテーションコンテスト「北東アジア Future Leadership Program(FLP)」に出場しました。前年9月頃から準備を始め、数か月にわたって研究に取り組む経験は私にとって初めての挑戦でした。大学の課題と両立することは容易ではありませんでしたが、試行錯誤を重ねた時間は非常に有意義なものとなりました。

コンテストでは「朝鮮半島の和平に向けて――北東アジアにおける対話実現に果たすモンゴル外交の役割――」というテーマで発表を行い、新潟県知事特別賞を受賞することができました。このコンテストへの参加がきっかけとなり、東アジアにおけるリージョナルガバナンスに関心を持つようになり、学生生活の中でも印象深い経験となりました。

井上2025年4月からは、立命館大学のプログラムである「国際社会で活躍する人材養成特別プログラム(通称:オナーズプログラム)」に参加しています。オナーズプログラムは大学内の様々な学部から学生が集まる1年間のプログラムで、特定のシナリオに基づいて、受講生が国家やメディアを演じ、外交交渉を体感するグローバルシミュレーションゲーミングを年に6回行います。1回約6時間のシミュレーションの中で、各国の外交関係や国際問題についての知識や批判的思考力を養うことができます。

12月には、大分でAPUの留学生と一緒に英語でグローバルシミュレーションゲーミングを行いました。自分の英語力のなさを痛感するとともに、APU生の失敗を恐れず発言や交渉を行う積極的な姿勢にはたくさんのことを学ぶことができました。ほかにも、宮家邦彦・立命館大学客員教授のゼミナールでは、宮家先生の外交経験の貴重なお話をお聞きすることができる等、国際問題・国際社会についての知識を得ることができます。

学問に熱心に取り組む学生が学部を越えて集まり、切磋琢磨しあいながら学ぶことができるオナーズプログラムは、私にとって主体的に課題へ挑戦する姿勢が培われる貴重な学びの場になっていると感じています。

井上2026年3月には、法務省と国際連合薬物・犯罪事務所が主催する、「法遵守の文化のためのグローバルユースフォーラム」に参加する予定です。ユースフォーラムでは、社会復帰を通じての再犯防止における若者と地域社会の役割について英語で議論を行います。大学の授業ではあまり勉強したことのない分野ですが、重要な国際問題であり、世界各国から集まって対話することができる環境に自分の身を置きたいと考えて応募しました。英語学習や専門的な知識について勉強を進め、主体的に議論に参加できるように準備したいと考えています。

将来の目標を聞かせてください

井上国際関係学部で学んだ知識を生かせる職業に就きたいと考えています。具体的には、小学生の時から憧れていた国際機関の職員などです。こうした職業に就くためには、大学院の修士号が必要ですので、現在は大学院進学を目指しています。具体的な進学先については未定ですが、国際関係学についての学びを深めたいと考えています。

国際関係学部を志望する受験生に対してメッセージをお願いします。

井上国際関係学部は、学生の挑戦を支えてくださる先生方や、多様な機会に恵まれた環境です。学部には、学業だけでなく、サークル活動やボランティア活動、留学に向けた語学勉強など、さまざまなことに打ち込む学生がたくさんいます。

自分の目標や、やりたいことが明確に決まっている人はもちろん、まだ模索している人も、主体的に挑戦を継続することによって、大きく成長できる環境だと思います。自分自身の関心や問題意識を大切にしながら、さまざまなことに挑戦していただければと思います。

2026年2月更新

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