もともと地図に対する興味がありました。登山なども好きで、地図が身近な存在だったこともあります。大学院に進学したのは、学部での研究に対して「まだやり足りない」と思ったから。それは、修士課程から博士課程に進む時も同じです。
学部生と大学院生の大きな違いは自分の研究を社会に還元していかなければいけないという意識。これは博士課程の道に進学してより一層強くなっています。私自身は大学での研究環境、指導者についても恵まれていたため、今の研究が続けられています。しかし、そのためには研究を何らかの形で成果として示すことが必要です。吸収した知識を生かし新たな生産につなげる、それにより自分の研究が深まっていく。この意識は学部時代にはありませんでしたね。
私の現在の研究テーマは「時空間概念を導入した立地・配分モデルに関する研究」。簡単に言えば、まず、交通行動調査をはじめとする大量のデータをもとに人の流れを分析。時間の流れに沿った需要分布図を作成します。同時に地域の特色を解釈し、公共施設や店舗の最適な配置に役立てようとするものです。これは都市計画をはじめ、商業分野の民間企業でも重要なもの。自分の研究を社会に還元したい、この夢をかなえるために、忙しいなかにも充実した時間を過ごしています。
大学院にただ漠然と進学するだけでは何も生まれません。将来の自分に大学院での学びがどう結びつくのかを考えること、それが大学院への進路を考えるうえでとても重要だと思います。
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