日本学術会議の会員任命について
日本学術会議が推薦された新規会員候補者のうち、6名が任命されないという事態が生じ、そのうちの一人は本学の法務研究科の松宮孝明教授でした。これまでの任命方法とは異なる運用が行われたにも関わらず、現在に至るまで適切な説明がなされず、今日に至るまで定員が充足されていない状況は正常とは言えず、憂慮しています。
立命館大学の学長として、日本学術会議が内閣総理大臣に提出された「第25期新規会員任命に関する要望書」にある通り、推薦した会員候補者が任命されない理由の説明と、任命されていない方について速やかに任命を求める要望を支持します。
コロナ禍において、私たちは社会、生活、教育、大学をめぐる環境が一変していくという急激な変化の時代を迎えています。このような時代には、学術や大学が重要な役割を果たしていかなければなりません。私は立命館憲章に示す「学問研究の自由に基づき普遍的な価値の創造と人類的諸課題の解明に邁進する」との立場にたち、一日も早く、人類に共通する課題に、国、社会、学術の力が結集することを願っています。
2020年10月28日
立命館大学長 仲谷善雄