2016.10.04 TOPICS

志高く、立命館らしい教職研究科をみなさんと共に 春日井敏之教職研究科長(2017年4月就任予定)が語る

 2017年4月に、立命館大学大学院教職研究科が開設されます。11月13日と2月19日に入学試験を実施しますが、西日本において、私立大学単独としては初めての教職大学院となります。この開設には次のような意義と期待が込められています。

 一つには、いじめや不登校、学力、発達障害、体罰や虐待など、複雑化・深刻化する教育課題への対応と同時に、ICTの発展やグローバル化への対応などが求められる今日、深い子ども理解を土台にした教員の資質・力量の一層の向上が求められています。それは、個としての力量に留まらず、むしろその限界を自覚しながら、様々なチームの軸としてリーダーシップを発揮できる資質・力量であると考えています。

 二つには、本学では、早くから教員養成に力を注ぎ、近年は毎年約300名の専任教員を輩出してきました。現在では約7000名を超える本学の卒業生が、全国で教員として活躍されています。現職教員院生のみなさんが、教育現場での体験や実践を経験知に高め、現場から経験知の理論化を図っていくことが、課題解決にとっても有効なのです。そこから、理論と実践の往還・融合を目指す実践教育学の構築を図りたいと考えています。

 三つには、立命館のキャンパスがある京都府、京都市、滋賀県、大阪府の4つの教育委員会と連携を進めると同時に、本学の附属校とも先進的な実践を踏まえながら、連携を図っていきます。具体的には、提携校として実習の現場になるだけではなく、附属校において「教職大学院生講師制度」を新設し、講師として一定の時間働きながら収入を得て、教職研究科における学びを継続していけるようになりました。そこから実績を重ね、附属校の専任として採用される可能性も開かれています。

 四つには、本学の建学の精神である「自由と清新」、教学理念である「平和と民主主義」 を体現し、立命館憲章に掲げられている「確かな学力の上に、豊かな個性を花開かせ、正義と倫理をもった地球市民として活躍できる人間の育成に努める」という理念は、立命館らしい教職研究科の理念でもあります。これは、人間を育てるという崇高な営みにおいて、担い手である私たち教員も変容のプロセスにあり、共通の課題であると考えています。

 具体的なカリキュラム上の特徴としては、院生は1年次の後期(2セメスター)から3つのコース(「臨床教育」「教育方法・学習科学」「国際教育」)より1つのコースを選択することになります。これら3コースは一つの履修モデルであり、院生は興味関心があるコースを選択しつつ、周辺の領域も学んでいくことができます。特に附属校の先進的な取り組みを踏まえた「国際教育」コースは、教職大学院のコースとしては全国的にも注目されています。
 また、共通基本科目では、研究者教員と実務家教員がペアになり、ディスカッションやグループ活動、フィールドワークなどを積極的に進めていきます。こうした正課、正課外活動の多くは、学部新卒院生と現職教員院生が一緒に受講することを基本としているため、お互いの強みを発揮しながら課題を補い合い、相乗効果のある学びを展開することができると考えています。教職研究科の院生のみなさんと私たちが、一つのチームとして協同していくことで、近い将来チームの軸としてリーダーシップを発揮できる教員が育ち、全国に根を張りながら、児童生徒、保護者とつながって、日本の教育を担っていくことを期待しています。

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