佐藤 圭輔准教授 SATO Keisuke
- 所属学科
- 環境都市工学科
- 研究室
- 流域環境情報研究室
- 学位
- 博士
経歴概要
1996年3月 旭川工業高等専門学校 制御情報工学科 卒業 1998年3月 茨城大学 工学部 都市システム工学科(3年次編入) 卒業 2000年3月 茨城大学大学院 理工学研究科 都市システム工学専攻 修士課程 修了 2006年3月 京都大学大学院 工学研究科 環境地球工学専攻 博士課程後期課程 修了
研究について
- 研究分野・テーマ
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気候変動による水資源・沿岸域の脆弱性評価と統合的流域管理手法の構築
- 研究キーワード
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物質動態評価・微量汚染物質制御、気候変動・水循環政策・洪水氾濫解析、排水の湿地処理・有機廃棄物再生
- 研究概要
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(1) 閉鎖性受水域における汚濁機構の解明と環境改善手法の提案: 琵琶湖や阿蘇海・天橋立など閉鎖性水域を対象に、汚濁物の堆積状況や流域汚濁負荷の現地観測を通じて、水質汚濁の機構を分析しています。これらの結果をもとに流域統合モデルを構築し、気候変動による影響予測や水循環政策の最適化を目指します。 (2) 気候変動による水資源の脆弱性評価と統合的流域管理手法の構築: アジア・太平洋地域の水資源・流域滞留性と人口・資源消費構造(ウォーターフットプリント)の変化に着目し、水ストレスの将来予測と水資源の共有や再生、水循環政策の有効性などを分析します。 (3) 長期再現確率を想定した浸水域の特定と環境リスクの評価: 時空間的に集中度を増している豪雨予測に基づいて、地方中小都市における将来の洪水リスクを分析するとともに、環境影響物質(危険物や感染性物質など)の氾濫に伴う波及的影響を評価します。 (4) 有機性廃棄物を対象とした再資源化システムの設計: 水環境の直接浄化と水草・底泥からの資源回収を目的として、嫌気発酵処理と消化液・排水処理(人工湿地法)の組み合わせ技術を開発しています。
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琵琶湖流域のGIS-RS鳥瞰図とフィールド調査の様子
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インタビュー
研究者になったきっかけ
私は、工業高等専門学校で制御情報工学、大学で土木工学、大学院修士課程で地球環境工学、大学院博士課程で微量汚染制御工学を学び、現在の環境都市工学の教員に至っています。専門を転々と変えているため、大学の教育研究者としては珍しい存在です。 高専から大学に進学した理由は“えらく”なりたかったからで、専門が変わることなど気にしていませんでした。当時は、勉強の意識は低かったのですが、単位取得には熱中して大学3回生には89単位を取得しました。大学院進学の理由は、就職分野を決断できなかったのが正直なところですが、入学後は地球環境を相手にする研究で“指導教員への憧れ”が強くなり、“社会貢献を目指す研究”のおもしろさを強く感じたこと、研究分野での“自分の可能性”を知りたかったこと、そして研究教育こそが“世界平和をもたらす唯一の手段”であると確信したこと、このような思いのもと、自分の人生をこの世界に賭けていこうと決断しました。