持田 泰秀教授 MOCHIDA Yasuhide
- 所属学科
- 建築都市デザイン学科
- 研究室
- 生産・材料研究室
- 学位
- 博士
経歴概要
1983年 福井大学工学部 卒業 1985年 東京工業大学大学院理工学研究科建築学専攻修士課程 修了 2004年 福井大学大学院工学研究科システム設計工学博士課程 単位取得退学
研究について
- 研究分野・テーマ
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建築の生産・構造・材料を発展させ、今以上に世の中に活かす。『新しい工法や調査管理方法の確立』『サステイナブルデザインの推進』『新しい材料の開発』の3つのテーマに挑む。
- 研究キーワード
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生産システム、維持管理
- 研究概要
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建物の設計やモノ造りの現場では、各々の段階で独自のものさしを使っています。そして、時代に合わせてものさしをうまく適応させて、これまでにない巨大な空間や高品質で便利なものを造り、社会に貢献しています。近年、新しいものを造るだけではなく、古い建物を再利用したり、長持ちする建物を造ったりするといった環境を重視した取り組みも大切になっています。 現在、3つの研究テーマに取組んでいます。一つが『新しい工法や調査管理方法の確立』で、近い将来のモノ造りに役立つ設計プロセスや施工プロセスの生産性向上を目指します。例えば、電気比抵抗調査を用いた材料や地盤の特性の評価や施工管理方法の開発を行っています。 二つ目の『サステイナブルデザインの推進』では、文化的な建築物を継続的に機能維持し、保存と再生を推進します。例えば、免震レトロフィット化や建物の物理的寿命に関する調査、設計法および施工法の分析評価を行っています。 最後の、『新しい材料の開発』では、これまで世の中にないデザインの創出のため、新しい建築材料の実現に取組みます。例えば、熱可塑性樹脂を用いた炭素繊維複合材等の開発を行っています。 以上の様に、研究のための研究ではなく、幅広く社会に役立つための研究を目指しています。
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RC造建物の現地施工実習
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電気抵抗率を用いた杭施工品質実験
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インタビュー
研究者になったきっかけ
幼少の頃から建築に興味を持ち、高度経済成長期に総合建設会社に入り、多くの超高層、大空間、免震制震建物の構造設計や技術開発を手掛けました。その中でも、世界遺産であるル・コルジュジェのデザインの国立西洋美術館本館の日本初免震レトロフィットに携わり、建築文化を改めて尊ぶと共に、阪神淡路大震災以後の免震技術の普及の先駆的取組みに、大変やりがいを感じました。 その時のBELCA賞審査の折に、建築家故内井昭蔵先生から、当時はまだ活用されていない免震部材の耐久性について問われ、『現在の免震部材は、将来の免震技術の発展とともに、より高性能に進化していきます』と答えたことを記憶しています。 私のプロジェクトでの取組みは、この建物の生涯のone phraseにしか過ぎません。次世代に文化的な価値を継承すると共に、次世代の優れた耐震性耐久性の技術により更なる進化がなされ、この建物が永遠に生き続いていくと願っています。この思いが、次世代を担う若者と一緒に研究できる教学の場へ私を歩ませたのではないでしょうか。