モルックサークル「Mörits（モリッツ）」とは

　立命館大学大阪いばらきキャンパス（OIC）に隣接する岩倉公園。木のピンを囲んで、何度も棒を投げる学生たちがいた。2020年9月に立ち上がった立命館大学のモルックサークル「Mörits（モリッツ）」のメンバーだ。「モルック」と呼ばれる木の棒を、1から12までの数字が書かれた木のピン「スキットル」に当て、点数を競うモルック。フィンランド発祥とされ、日本でも注目されている話題のスポーツだ。そんなモルックについて、Mörits創設者で2022年モルック世界大会に出場した小林澪二さん（政策科学部4回生）と、現在のMörits代表である川村燿平さん（政策科学部2回生）に、話を聞いた。

　身体能力はあまり求められないため、子どもから高齢者まで簡単にプレーすることができるモルック。その気軽さから年々競技人口も増えていき、大学のサークルも増えている。Möritsを立ち上げた小林さんも、モルックを知ったきっかけはSNSだった。
　「もともとお笑いが好きで、何気なくSNSを見ていたところ、さらば青春の光の森田哲矢さんがモルックに挑戦されているのを動画で見つけました。面白そうだと思い、その日にモルックセットを注文しました」（小林さん）

　友人らに声をかけてモルックを楽しむなか、サークル活動として取り組みたいと思いだした小林さん。友人ら数名でMöritsを設立し、練習や大会出場、普及活動に取り組んでいる。「モルックの知名度が高まることに合わせてサークルも大きくなりました。現在は41人で活動していますが、ほとんどが初心者です」（小林さん）

　小学校から高校までサッカーをしていた川村さんも、大学受験をする際に立命館大学にモルックサークルがあることをSNSで知った。
　「大学入学当初はフットサルをしようと思ってましたが、（OICは）キャンパスの近くで活動しているサークルがなくて。高校の授業でモルックを体験したことを思い出し、Möritsに入ろうと決めました。単純なルールで楽しめ、勝てた時の感触が楽しくてやりがいがありますね」（川村さん）

SNSでも話題に

　Möritsの設立当初は、あまりモルックというスポーツが知られてなかったが、芸能人がモルックに取り組む様子がメディアで取り上げられるなどして認知度も向上。SNSでは「モルック」というキーワードも増えている。ほぼすべての部員が初心者からスタートするMöritsの活動だが、だれでも気軽に始められることが魅力の一つだ。
　「しゃべりながら競技できるというのもモルックの魅力です。初心者にもやさしく、人数にも縛られない。友達と話すときの話題にもなりやすいのです」（川村さん）

　「モルックはいろんな年齢の方がされているスポーツなので、本来なら繋がらないような年代の方々とも交流できます」（小林さん）

世界大会にも出場。モルックの魅力を再発見

　2022年8月、フランスのサモエンヌでモルックの世界大会「Molkky World Championship 2022 in Samoens」が行われた。小林さんは国別対抗戦に日本代表（※オープン参加）として出場し、海外選手と戦ってベスト10まで勝ち上がった。初めての世界大会について、小林さんは次のように振り返ってくれた。
　「モルック熱はここ数年で日本がとても伸びているので、（海外選手に比べて）熱意は負けていないなと思いました。しかし、海外の選手はポテンシャルが高かったですね」

　小林さんの活躍に刺激を受けた川村さんも世界大会への出場を目指している。
「2023年の世界大会は発祥の地・フィンランドだと聞いています。目指す目標があることは幸せなことですし、他大学の学生サークルとも切磋琢磨し合いながら、世界大会で活躍したいですね」（川村さん）

　競技人口は世界でおよそ20万人、日本でおよそ5万人だとされるモルック。Möritsでは、これからもモルックをできる環境作りや裾野を広げるための普及活動、そして部員一人ひとりのレベルアップを目指し、日々活動していく。

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