コラム

遊びごころ

今年最後の学生サポートルームのコラムです。

「何について書こうかな」
「どういうテーマなら読む人のこころに届くだろう」
と思いながらネタ探しをしていたのですが、
なかなかこれ、というのに出会えません。
時事ネタについてはコラムを書けるほど詳しくないですし、
季節にまつわるエピソードは巷にあふれているので
ここでとりあげることもなさそうです。
 
うーん、と考え込んでしまったそんな時、ある漫画の登場人物が、
より正しい(正しそうに思える)選択を求めて悩む友人に伝えた
アドバイスを思い出しました。
正確な文言は忘れましたが、
「“どうすべきか”を考えて迷ったら、“どうしたら面白いか”で決めること」
というような内容だったと思います。
どうするのが正解か、何を求められているのか、を考えすぎて
凝り固まった思考では柔軟な発想は浮かばない。
むしろ、面白いかどうかと感じるこころを大事にして、
それを手がかりにすることで見えてくるものがある、
その様な意味が込められているのだと思います。
“Don't think. FEEL!(考えるな、感じるんだ!)”
という名言もあるくらいですから、人は考えすぎると身動きが取れなくなり、
頭を使うのに一生懸命になりすぎると本質から逸れていく、
その様な側面があるともいえそうです。

真剣になにかに向き合うとき、持てるかぎりの経験や知識、
情報をよりどころにして考えることも大切な作業です。
けれどももし、考えすぎて袋小路に陥ったならば、
ふっと肩の力を抜いて、こころの声に耳を澄ませてみることで、
新たな展開や可能性に開かれていくこともあるのではないでしょうか。

ところで、肩の力を抜く、こころの声に耳を澄ます、と書いたものの、
誰もが今すぐに、自由自在にできることでもなさそうです。
日ごろから、こころを柔らかくする工夫が必要になってくるでしょう。
映画を観たり、身体を動かしたり、音楽を聴いたり、
小説を読んだり、おしゃべりしたり、工夫は人それぞれで、
自分に合うものを試すのが一番だと思いますが、
ここでちょっとした工夫を披露(白状?)して、
このコラムをしめくくろうと思います。
それは、落ち着いた装いの下に、面白モチーフのTシャツを秘かに着込み、
何くわぬ顔で過ごすこと。
時々やってみるのですが、けっこう効果的なのです。
先が見えなくて不安なときや疲れて何もかもが嫌なとき、
困難の中にあるときにも、遊びごころを忘れずに。

学生サポートルームカウンセラー