コラム

お酒に弱くなりました

 新年早々、こんなタイトルですみません。新しい年の幕開けにあまりふさわしくないテーマかもしれませんが、このコラムの締め切りに追われて焦る私の脳裏には、昨年末に起きた衝撃的かつ笑劇的なある出来事しか浮かばず、これでいこうと思います。

 それは昨年、年末もおし迫ったある日のこと。午前中の面談を終え、お昼ご飯を買いにいつものお弁当屋さんへ行くと、年末サービスということで粕汁をふるまってくれました。
 とても寒い日だったので喜んで粕汁をもらい、職場に戻りました。同様に粕汁をもらった同僚たちと「おいしいね」「温まりますね」などと言いながら食べていたのですが、徐々に異変が起きました。最初はぽかぽかと「温まる」程度だったのですが、なんだか頬が熱くなり、ぼんやりゆったりした気分になってきました。「こ、これは!?」と嫌な予感に鏡を見ると、そこにはうっすら赤くなった己の顔がありました。そうです、まさかの粕汁で酔ってしまったのです!
「やばい!午後からもカウンセリング予約が入っているのに、酔ってしまった!」と慌てて同僚に打ち明けるも、あまりのハプニングに話す本人も半笑いですし、同僚も「粕汁で!?おもしろすぎるわ」と大笑い。笑ったせいでさらに赤くなったところで、これはまずいと我に返り、ひたすら水を飲み続けて30分。幸い、学生が来る頃には酔いが醒めて事なきを得ましたが、一時はどうしようかと本気で焦りました。
 もともとお酒に弱く、進んで飲むこともないのですが、ウィスキーボンボンや粕汁程度で酔うことはなかったので、油断していました。知らないうちに、ずいぶんとお酒に弱くなったものです。これからは気を付けよう、そして今現在の自分の体調や状態を把握しておくことも大事だな、と改めて思った年末でした。

 さて、今私はある誘惑と闘っています。目の前に、お土産の「酒粕の飴」が置かれているのです。なんとタイムリー。「どんな味だろう?本当に酒粕の味がするのかな?」と、興味はつきません。乳白色のその飴がやけにおいしそうに見えるのです。
 でもご安心ください。新たな年を迎え、私も少しは賢くなりました。同じ轍は踏みません。誘惑をぐっとこらえ、万が一酔っても大丈夫なように、一粒もらって帰ることにしました。

 挑戦や諦めずに頑張ることに注目が集まりやすい昨今。自分の限界を知り、それを踏まえたうえで無理せずに止めておく、見送る、留まる、そうした判断の大切さも忘れずにいたいものですね。 

学生サポートルーム カウンセラー