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SGH Rits Super Global Forum (RSGF) 2015 を実施
2016.01.26
Super Global High School
(SGH)
Rits Super Global Forum(RSGF)高校生による国際フォーラム
SGH Rits Super Global Forum(RSGF)2015を実施
立命館高等学校では、2016年1月19日(火)から25日(月)にかけて、今回で第2回目となるRits Super Global Forum(RSGF)を実施しました。本校では、「平和な社会の実現に貢献できる人材の育成を目指す教育 システムの研究開発」というスーパーグローバルハイスクール(SGH:文部科学省より指定、2年目)の研究開発課題のもと、「貧困の撲滅と災害の防止・対策~世界平和の実現のために~」をテーマに、人類のために貢献するという強い使命感、それを実現するための問題解決能力や判断力、 プレゼンテーション力、未知の分野への積極性などを養うべく教育活動を実施しています。このRSGFは、海外生徒を招聘し、本校生徒とともに共同してディスカッションや実地体験等を共有することで、さまざまなグローバル・イシューに 関して課題解決に向かうことの重要性を学ぶものです。
「Rits Super Global Forum 2015」 概要
【1】実施目的
①高校生の視点から、平和な社会の実現に向けて、世界的な課題、特に貧困と災害に関わる課題について考え、実地体験に基づく経験を共有し、グループによる討議をすることで、課題解決に向かうことの大切さを学ぶ。
②同年代の高校生が共同で生活する体験を通して、視野を広げ、課題に取り組む姿勢を身につける。
③参加した高校生の友好を深め、将来のグローバルリーダーへの素養を高めるとともに、フォロワーシップを伴うリーダーシップを身につける。
【2】参加生徒
本校GLコース・GJコース生徒(SGH事業対象コース)、
高雄市立高雄高級中学10人(台湾)、高雄市立高雄女子高級中学10人(台湾)、
フィリピン・サイエンスハイスクール・システム10人(フィリピン)、
カンボーン・サイエンスインターナショナルアカデミー5人(イギリス)、
インド・アミティインターナショナル6人(インド)
ラッフルズ・インスティテューション8人(シンガポール)、
ホワチョン・インスティテューション5人(シンガポール)、
GTカレッジ7人(香港)、
海外生徒は、1月18日(月)にほとんどの学校が来日し、先に来日しホームステイをするカンボーンの生徒をのぞき、本校の体験学習棟での宿泊がスタートしました。
1月19日(火)が公式日程第1日目。この日は、参加生徒の全員がカフェテリアに集まって、Ice-breaking Activitiesで緊張をほぐした後、京都市内でのOne Day Field Trip(防災研修)に出かけました。
最初に、立命館大学国際平和ミュージアムでの研修を行い、その後、金閣寺と清水寺で古都の文化遺産を火事や地震といった災害から守るシステムの見学を中心に研修を行いました。この日は、時には激しく雪の舞うとても寒い日で、雪を初めて見るフィリピンやシンガポールの生徒はとても喜んでいましたが、寒さには耐えがたく、見学の予定時間を一部短縮して、体調管理を優先して、これからの日程に備えました。
1月20日(水)は、Opening Ceremony (開会式)の日でした。本校の教育交流協定締結校であり、SGHの共同研究校でもある、台湾の高雄市立高雄高級中学と高雄市立高雄女子高級中学がこの日にしか日本に来ることができない事情があり、それにあわせての日程です。
今回のRits Super Global Forumは、“For the Construction of World Peace”というメインテーマのもと、以下の5つのTopicsについて、参加各校が事前に調べてきてその内容を発表し、そこからさらに、参加高校生全員がこのTopicごとの5つのグループに分かれて、議論をし、それぞれの解決策を模索し、発表しあい、最終日には全体でまた議論を行うという形態のフォーラムでした。
5つのTopicsは、以下の通りです。
1. (Refugee) Immigration
2. Child Labor
3. Food Security
4. Gender
5. Natural Resources
これら5つのテーマも、今回のフォーラムの形態も、すべて生徒のRSGF実行委員会のメンバーが議論を重ね、教員との折衝も重ね、決めてきたものです。
第2日目は、これらのTopicsについて、事前に調べたことや自分達の考えを英語で発表しあうポスターセッションから始まりました。午前のポスターセッション①では、立命館の生徒達が発表し、海外生徒達がそれを聞き、質問をしたり意見交換をしたりするセッションでした。
お互いに事前に調べてきているので、昨年度に比べてもレベルの高い質疑応答がなされていました。
午前には、このポスターセッションに続き、立命館大学 国際関係学部の石原 直紀 教授による特別講演が行われました。石原教授は国連で働いておられた経験から、この5つのTopicsについて、それぞれ実際に国連が行っている取組みやその効果や課題についてお話をくださり、さまざまな視点から視ることの重要性について考えさせるとともに、生徒が考える際のヒントになる示唆をいろいろといただきました。
カフェテリアでの各ディスカッショングループでの昼食の後は、全員が本校の清和会記念ホールに集まり、開会式が行われました。吹奏楽部の演奏やダンス部のパフォーマンスで盛り上げてくれた会場では、各校の紹介や、各校が調べてきたことを発表するプレゼンテーションが行われ、合計5日間にわたるディスカッションがスタートしました。
その後、ポスターセッション②として、今度は海外校の生徒が日本の生徒に事前に調べてきたことや考えを発表し意見交換を行いました。日本の発想では考えられないような、ユニークでオリジナリティあふれるポスターもあり、生徒達は、日本の生徒も海外の生徒も入り混じって、まさに国やその他の違いを超えて、出会いを楽しんでいました。
1月21日(木)からは、参加生徒全員がそれぞれのディスカッショングループに分かれて、本格的な議論がスタートしました。海外生徒61名と立命館の生徒70名、それに立命館大学の留学生TA(補助学生)20名の、総勢151名が、5つのTopics各4グループの合計20グループに分かれて、これから3日間、合計10時間超におよぶディスカッションを繰り広げます。さまざまなアイデアを出し合い、検討し、またゼロから考える繰り返しですが、そのなかで、本質を考え、課題を他人事としてではなく深めて考える姿勢を身につけていってほしいと考えます。
この日の午前中は、ディスカッションのスタート、休憩をはさんで3時間でしたが、グループごとにさまざまな工夫をしてディスカッションを進めました。
昼食は、全員が集まって、Lunch Party形式で行いました。実行委員が司会をしながら、さまざまなゲームもしながら進めたので、海外の生徒からもとても楽しかったという声をもらいました。
この日の午後は、グループごとの共同作業で、立命館小学校の5年生・6年生の児童との交流を行いました。その後、放課後のCampus Tourを立命館の生徒が案内して行い、剣道部の協力で剣道体験をしたり、楽しい時間を過ごしました。
1月22日(金)は、ほとんど丸一日ディスカッションばかりの日でした。午前中から13時過ぎまでの連続ディスカッションでは、さまざまな意見が出され、議論も進みましたが、いざ、解決策の議論は簡単には進まず、より深い問題の分析が必要になって苦労するグループや、意見が対立するグループもあり、苦心をしていました。午後にも1時間ほどディスカッションを継続した後、Free Cultural Exchange through some gamesという企画が実行委員の手で行われ、ちょっとした息抜きとともに、さらに交流を深めることができました。
1月23日(土)は、いよいよディスカッションのまとめに入る日でした。午前中には、各グループのディスカッションの成果を「5スライド以内、5分間以内」のプレゼンテーションにまとめ、午後の発表に向けての準備を行いました。
午後は、各Topicごとに4つのグループがプレゼンテーションを発表しあい、代表の1グループを選び、その後、他の3つのグループのアイデアや意見も含めて議論を行い、代表のグループが各Topicの代表のプレゼンテーションをつくりあげる時間でした。これで各Topicごとのプレゼンテーションがつくりあげられ、最終日の発表に備えました。
1月24日(日)は、各Topicのプレゼンテーションをお互いに発表しあい、それを受けて、各校の代表が出てパネルディスカッションを行いました。会場からも多くの意見が出され、全体で、ともに自分達の共通の問題として考える、ディスカッションとなりました。
その後、Cultural Performanceで各国の伝統文化等をステージで各校が発表をしました。
カフェテリアでのFarewell Lunch Partyで、各国各校からの有志による歌やダンスの披露を堪能した後は、再びホールに戻り、Closing Ceremony (閉会式)で、校長・理事長の挨拶の後、各国の生徒代表のスピーチがありました。
どの生徒からも、苦労はあったけれども、苦労をともに分かち合い、乗り越えてきた、充実感と、苦労したからこそ築き上げられた友情が感じられ、すばらしい経験をしたことがうかがえました。