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SGH 高3のGLコース生徒による関西模擬国連大会参加報告

2018.08.01

Super Global High School (SGH)
第28回関西高校模擬国連大会参加報告

SGH 高校3年GLコース 第28回関西高校模擬国連大会に出場しました

 6月18日~20日の3日間、京都国際会館にて第28回関西高校模擬国連大会に参加しました。立命館高等学校では、GLコース3年生全員が授業内で準備を進め、毎年参加しています。また、高校2年生GLコース生徒全員および高校1年生GJクラスの8名の生徒は、pageおよびobserversとして見学参加しました。
 18日は朝から大阪北部地震があり、交通の混乱のため会場までたどり着けない参加者が多く発生し、何とか会場にたどり着いた生徒たちの顔にも疲れと不安の色が見えました。このような状況に鑑み、この日は生徒の安全を第一に考え、開会式のみで中止が決定されました。、先のわからない不安な状況の中で、この日は帰宅することになりました。この日に向けて準備を進めてきた主催校の生徒をはじめ本校を含めた参加校の生徒たちも、なんとかやり遂げたい思いがありながらも不安なまま帰宅していきました。
 翌日、余震もありよく眠れなかった生徒もいましたが、復旧した交通機関を利用して、本校参加生徒全員が会場に集まりました。新幹線が復旧せず、やむなく不参加を決めた他府県の学校もあり空席が目立つ会場でしたが、来られなかった参加者の分まで頑張ろうという空気が会場にはありました。2日間に縮小されたスケジュールのもと、大会が改めてスタートしました。
 今年度は「子供たちと気候変動」と「子供たちと自然災害」を議題に、生徒たちは各国の大使となり議論を行いました。一日目(19日)はポスタープレゼンテーションとブロックミーティングを行い、会議に配布するDR(決議草案)を作成しました。そのミーティングの中では、準備してきたオペラティブクロース(条文)の内容を質問しあい、45ほどの条文を最終的に15にするという作業を行いました。文言一つ一つまで意味を確認しながら進める作業は、そのプロセスにおいてリーダーシップや合意形成能力を育てます。今まで各校で作ってきた条文を他校の生徒と共有し、お互いがどのようなポイントを重要と考えているかを伝えることが大切だと感じたようでした。
 二日目(20日)はいよいよ会議場に入り、総会が始まりました。生徒たちは事前に準備していたカントリースピーチを紹介しながら会議を進めました。今回は、前夜にブロックミーティングで完成したDRに関する文言をカントリースピーチに盛り込み、さらに18日に起きた大阪北部地震の犠牲者に対して哀悼の意を述べてからカントリースピーチを紹介する生徒もいました。生徒たちは、それぞれの個性を出してカントリースピーチをすることができたと思います。午前中は、模擬国連自体の参加が初めての生徒たちにとっては戸惑うこともあったようでしたが、午後の総会では緊張感もほぐれ、インフォーマルディベートでも挙手することができました。また、積極的に議場を動き回り、修正案を作成する生徒が多く見られました。授業などで勉強してきたことを実践し、生き生きしている姿がとても印象的でした。
 混乱のなかから始まった今年度の関西高校模擬国連大会でしたが、学ぶことも多かったと思います。生徒の感想文の中には、達成感を得ながらも、さらに次回に向けて様々な努力をしたいなどという具体的な意見が多かったのが、その現れのひとつだと思います。
 
 以下、生徒の感想文です(一部抜粋)
「こちらが委縮するほど高圧的に向かい合う大使も、OCの改善をメインに対話を重ねる大使もそれぞれカラーは様々で、どうなるか全く自分次第という、ある種人生の教訓的なものを感じた。どうしたらその人に理解してもらえるか、どこまで努力するのが自分の務めなのかなど、これから生きていく上で重要なことの練習にもつながったと感じている。たくさんの大使と関わり、話し合って最後にコンセンサスを実現したときはとても達成感があった」
「すべてがうまくいったというわけではなかったが、何か問題の起こるたびにたくさんの人と一緒に協力し合いながら何かを作ったというのは、高校生として本当に大きな経験になったと感じている。MUNだけでなく、自分がこれから生きていくうえで大切にしていきたい」
「日本語で話し合うのも難しいような答えのないトピックに対して、必死に自分の思いを英語で伝えようと試行錯誤するのは難しいとか面倒くさいという感情よりも、自分と違う考え方を持った人に出会うことで自分の視野が広がっていくのが楽しいという感情が勝っているのが自分でもわかりました。はじめは恥ずかしさが残っていて発言するのが難しかったけれど、同じ国の大使の仲間が背中を押してくれたおかげで、積極的に参加することができました。国を背負ったもの同士が実際の総会で一つの文書を作成するのはとても大変なことだと実感しました。そういった苦労の中で生まれたSDGsや子供の権利条約などのたくさんの文書を、この国際社会はもっと大切にして守っていくべきだと強く感じました。今回のKHSMUNを通して本当に多くのことを学べたので、また機会があればぜひほかの模擬国連にも参加してみたいと思いました」