教員紹介
‐TEACHER‐
森田 真樹教授
- 担当科目
- 「国際教育の理論と方法」、「教科横断型授業の実践と課題」、「グローバル・シティズンシップ教育の構想と課題」、「教育実践高度化演習」、「教職専門研修」他
教師という仕事のやりがいとは?
教師のやりがいを一言で言えば、「出会いと別れの繰り返し」ではないでしょうか。現在の日本では、ほとんどの人が、小学校、中学校、高等学校を経験します。子どもの成長には、大人の適切な支援を欠くことができません。一人ひとりの児童生徒の人生にとって、学校での生活は非常に重要な時間です。小学校、中学校、高等学校と、発達の段階によって、関わり方は異なりますが、人間の成長にとって、かけがえのない時間をともに過ごし、成長に関わることができるのは教師だけです。また、誰がやっても結果は同じという仕事ではなく、その人ならではの仕事ができるのも教師の特徴でしょう。
毎年、新しい児童生徒に出会い、その成長に向き合い、大きく成長した児童生徒を次のステージへ送り出す、そういった素晴らしい出会いと別れを繰り返し経験できるのは、多くの職業の中で教師だけではないでしょうか。
担当科目を受講することで、どのような力が身につくのか?
私は、主に国際教育領域の科目を担当する予定です。日本の学校が、国際化・グローバル化へ対応しなければならないことが指摘されて久しいですが、国際教育の領域(国際理解教育やグローバル教育などを含む)は、教員養成においても、現職研修においても、残念ながら現在も充実しているとは言えません。スーパーグローバルハイスクール、ユネスコ・スクール、IB(国際バカロレア)認定校の増加、外国人児童生徒の増加、そして、一部の学校や児童生徒向けではなく、国際化時代を生きる全ての児童生徒に対しての国際教育の充実など、国際教育領域を幅広く担当できる力をもった教員の養成は急務となっています。
国際教育については、言葉のイメージによる誤解も拡がっているため、担当科目の受講を通して、国際教育の基本的な考え方、現在の課題、学校現場での効果的な実践のあり方などについて学習することで、国際教育領域の実践において、リーダー的な役割を担うことができる資質能力を獲得していきます。
教職研究科(教職大学院)を目指す方へメッセージ
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- ■学部生へ
- 「教員になる」ということは、採用試験に合格することだけを意味する訳ではありません。もちろん、採用試験に合格しなければ教壇に立てませんので、それは重要な関門であることは確かです。しかし、もっと大切なことは、どういった力を発揮できる教員として児童生徒の前に立ち、どのような教員人生を歩んでいくかということにあると思います。
現場の教員文化の中で大きく成長することができるという、日本の学校のよき伝統は、教員の年齢構成の変化、課題の複雑化、実践の高度化などによって、見直さざるを得ない状況にきています。また、専門職としての教師、学び続ける教師という教師像が拡がる中で、専門職にふさわしい力、学び続ける力を持っていることが重要となっています。
教員の世界は、学校現場で「慣れ」なければ分からないこともたくさんあります。その一方で、「慣れ」るだけではできないことも、同時にたくさんあります。これから教壇に立つ学部生の皆さんは、年々複雑化する学校現場の課題に適切に対応し、授業においても、旧来の授業を越えて21世紀型の新しい授業を実践していかなければなりません。これからの学校に求められる力をしっかりと獲得した上で、教壇に立つことは不可欠ではないでしょうか。
教職大学院は、教員としての高度な資質能力の育成を目指した専門職大学院ですので、様々に充実した学習が用意されています。教職大学院で、同じ目標を持つ院生とともに学びながら、若手のリーダー的存在として活躍できる教員を目指しませんか。
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- ■現職教員の方へ
- 現在の教員の状況を、「ジャグリングのボールを次々に投げ入れられる状況」と表現した教育学者がいました。まさに、的を得た指摘ではないでしょうか。「これまでの教職経験の中で生まれた問題意識の謎解きをするために学んでみたい」「新しい視点で授業実践を行うために専門的に学びたい」という、積極的な意見を多くの先生から聞くことがありますが、みなさん共通して話されるのが「でも、時間がない」「適当な機会がない」ということです。
教職大学院は、こういった問題意識のある先生が、少しの期間立ち止まって、自身の実践を振り返り、客観化し、理論化しながら、新しい実践のあり方を模索していくには、最適の場です。また、大学院では、府県や学校種を越えて、様々な経歴や問題関心を持った他の現職教員とともに学ぶことができることも大きな魅力であると思います。
夜間開講科目の受講を中心とする長期履修制度など、現職の先生方の学びやすさにも配慮したカリキュラムを策定しています。少し立ち止まって、これまでの経験を意味づけ、新しい実践の方法を模索する作業を教職大学院で一緒に行いませんか。