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2025.08.25

過去を学び、未来を創る――広島で学ぶ平和研修(Peace Studies Seminar)を実施しました

202585日(火)から8日(金)にかけて、Peace Studies Seminar(本学部の英語開講科目)の一環として、広島で研修を実施しました。

この国内研修プログラムでは、太平洋戦争や原爆の歴史をフィールドワークから学び、平和構築への貢献方法を探ることを目的としています。

今年度は小林主茂先生が研修をコーディネートし、広島で多様な活動が行われました。

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14名の参加学生は、専攻や国籍を問わず集い、広島平和記念資料館の見学、原爆死没者慰霊祭への参列、国連訓練調査研究所(UNITAR)主催のシンポジウム参加、さらにジョージタウン大学の樋口敏広准教授とのディスカッションに参加しました。

これらの経験を通じて、学生達は核兵器の脅威を改めて実感し、平和への理解を深めました。 

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また、UNITARの職員との交流を通じて、国際機関での平和構築活動の現場に触れ、自身のキャリアについても考える貴重な機会となりました。

特に「爆80年の今、広島から世界へ若者が提案する核兵器廃絶・平和への道」をテーマに行われたシンポジウムでは、未来の安全保障について真剣に考えるきっかけを得ました。 

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原爆慰霊祭では、参加者全員が平和な未来への祈りを捧げ、二度と同じ悲劇が繰り返されないことを誓いました。 

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本研修は、大学の中では得られない、過去の悲惨な歴史から学び平和について深く考える機会として、参加した学生にとって印象深い経験となったに違いありません。

本学部は今後もこのような研修を通じて、過去の歴史にしっかりと向き合いながら、未来を見据えた考え方を持つ学生の育成に力を入れていきます。 

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2025.08.25

ボスニア・ヘルツェゴビナ、クロアチアでの海外フィールドワークを実施しました(渡邉松男ゼミ)

2025年7月25日から31日にかけて、渡邉 松男先生とゼミ生15名がボスニア・ヘルツェゴビナ、クロアチアでの海外フィールドワークを実施しました。フィールドワークでは、現地での聞き取り調査と紛争関連施設の視察を目的に、主に以下の場所を訪問しました。

在ボスニア・ヘルツェゴビナ日本大使館
オリンピックトラック集団墓地
トンネル博物館
スレブレニツァ虐殺記念館・集団墓地
国連開発計画(UNDP)ボスニア・ヘルツェゴビナ事務所
スタリ・モスト、イスラーム修道院 
ユーゴスラビア人民軍砲撃修復、ミンチェタ要塞

渡邉松男ゼミ2025ボスニア①

在ボスニア・ヘルツェゴビナ日本大使館では、同国を含む西バルカン地域が直面する多岐にわたる課題と、それに対する日本の外交・国際協力について、特にEU加盟を目指す西バルカン諸国が抱える根深い民族対立、政治的停滞、そして近年のナショナリズム再燃等の問題に焦点をあててご説明いただきました。
また、深刻化する人口減少、高学歴者・熟練労働者の国外流出とその経済的・社会的影響、観光業を含む経済的潜在力と課題、日本の対西バルカン政策が旧ユーゴスラビア崩壊後の国づくり支援からEU加盟支援へとシフトした経緯やODAを通じた日本のソフトパワーの重要性、さらにボスニアの複雑なメディア環境における情報収集の難しさや、若者世代の意識についてもご説明いただきました。

渡邉松男ゼミ2025ボスニア②

国連開発計画(UNDP)ボスニア・ヘルツェゴビナ事務所では、EU統合に向けた同国を支援するUNDPの広範な任務について概説いただき、石炭からクリーンエネルギーへの移行、持続可能な観光開発、農業の近代化など主要な社会経済問題が議論されました。
また、公共調達における組織的な腐敗など統治の重大な失敗や、男女不平等、和解を妨げる分裂的な教育制度など、根強い社会的課題もご説明いただきました。

渡邉松男ゼミ2025ボスニア④

渡邉松男ゼミ2025ボスニア③


また、サラエボ、スレブレニッツァ、モスタール、およびドブロブニクでは内戦の残滓の視察や記録展示を見学しました。
今回のフィールドワークで得た貴重な学びや経験を、個々の卒業研究やオープンゼミナール大会での研究発表に繋げていきます。

<参加した学生たちの声>

「ボスニアの歴史と現在を自分の目で確かめ、現地に身を置いてこそ得られる学びを多く得ることができた。街中には今も紛争の銃痕が残されており、実際に当時を経験した方から直接話を聞いたことは、歴史を書物ではなく現実として実感する貴重な体験であった」

「民族対立の解決の難しさを実感した。ボスニアとクロアチアを比べると、どちらも戦争の痕跡を色濃く残しながら、復興や国際社会との繋がりを強めようと努力している部分は共通していた。しかし、民族構成や宗教背景の違い、EU加盟・非加盟などが、政治や経済、国際的な立ち位置に大きな違いをもたらしていることが感じられた」

「今回の研修を通じて物事をより批判的に見てみようと考えるようになりました。情報が正しいかは、その情報だけではわからず、様々な媒体からの情報を通じて、初めて判断するべきだと今回の研修でよく理解することができました」

「ボスニア単体の事例に留まらず、西バルカン地域全体の動きと結び付けて考察する必要性を強く感じた。今後は地域研究の幅を広げ、EU加盟問題や周辺諸国との関係性を踏まえた比較分析を行いたい」

「平和や国際協力といったテーマを「遠い世界のこと」ではなく、自分の学びや将来にもつながる身近な課題として考えられるようになりました」

「日本で平和ボケしていた部分が改めさせられた。民族紛争がつい最近まであった国とは思えないほど穏やかな国だと感じたが、よく見ると街の雰囲気が全く違っていたり、心の中での民族対立はいまだに存在しているように感じ、ネットなどでは学ことのできないことを目にすることができた。」

「当時ジェノサイドが起こったスレブレニツァの視察では多くの被害者が存在したこと、実際の記録や映像・写真などを視察し、紛争の残酷さを改めて実感した。」

「社会における政治や経済、民族など多角的な側面について理解を深めることができた。歴史感情や国際介入のバランス、支援の多様性や教育などの観点から民族融和の複雑さを改めて学んだ」

「現在の国際情勢に対する理解を深めるきっかけになった。現在、ロシア、ウクライナの対立やイスラエル、パレスチナの対立などが表面化し、民族融和や国際社会の動きが注視される中、今回の研修で学んだ知見を生かして今後、国際社会の動向を追っていきたい」

「今回学んだ民族紛争などの課題は世界各地で起こっている問題にも関連している。民族紛争からの復興は、紛争が増加している現在の国際社会において重要な課題であり、今回学んだ課題や、大使館やUNDPなどが取り組んでいる内容について振り返り、今後、他の地域で起こっている民族紛争などにどう活かすことが出来るのかということを考えたい」

「大使館訪問を通じて外交の現場が持つ重みを実感しました。内戦の記憶が残る地域において、大使館は単に国家間の窓口ではなく、平和構築や地域社会との橋渡しを担っていることを学びました。UNDPの活動からは国際支援と現地の自立のバランスの難しさを理解しました」

「大使館やUNDPでのインタビューを通して、短時間で有効な質問を行い、さらに掘り下げるためのフォローアップを行う難しさを痛感し、課題だと感じた。今後は事前準備や想定問答を強化し、場数を踏むことで質問の質を高めるスキルを磨いていきたい」

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2025.08.04

国際関係学部とアメリカ、両方のフィールドを2年ずつ体験できるJDPでの学びと暮らしは、自分の関心や挑戦したいことを自由に広げていける貴重な時間でした(4回生 小暮 百音さん)

2025.08.04

2025年度秋季 立命館大学卒業式・大学院学位授与式(2025年9月23日実施)

2025.07.25

川村仁子先生インタビュー記事「法は、ただのルールではなく、文化的であり社会的なもの」(外部記事:esse-sense様)

2025.07.24

チュラロンコーン大学との交流会を開催しました。



タイ・バンコクにあるチュラロンコーン大学から、学生18名・教職員4名が来日し、国際関係学部の学生との交流会を開催しました。


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本学部では、石川幸子先生のコーディネートにより、将来国際機関で働くことを目指す学生を対象に、タイにある国際機関や大学を訪問し、ディスカッションやワークショップを行う「バンコク国際機関研修」を2023年度より実施しています。


この研修の一環として、これまでの2年間にわたりチュラロンコーン大学を訪れ、同大学の学生や教職員と共同ワークショップを実施してきました。

 

今回は、これまでの交流を踏まえ、チュラロンコーン大学の日本訪問に合わせ、本学にお迎えし、再会と新たな交流の機会創出を目的とした交流会を開催しました。

 

本学部からは、今年度に本研修に参加する学生と、過去に参加した学生の計24名が参加し、チュラロンコーン大学の学生と意見交換やグループワークを行いました。


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当日は、京都とバンコクに共通する課題として「オーバーツーリズム」をテーマに、立命館大学文学部地域研究学域地域観光学専攻の小野真由美先生より、“Tourism and Culture in Japan: Current Issues and Future Prospects”と題した講義を実施いただきました。

 

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その後、両大学の学生が混合グループに分かれ、「オーバーツーリズム解消に向けた解決策」についてディスカッションを行い、各グループでアイデアを発表しました。


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限られた時間ではありましたが、学生たちはすぐに打ち解け、京都とバンコクそれぞれの視点から活発に意見を交わす姿が見られました。


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交流会の終わりには、チュラロンコーン大学の学生がタイの伝統舞踊を披露してくれ、参加者全員で文化を共有する貴重な時間となりました。


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本学部では、今年度9月に実施予定のバンコク国際機関研修において、再びチュラロンコーン大学を訪問し、学生同士の交流の機会を設ける予定としています。

 

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2025.07.15

2025年度春学期 西園寺記念奨学金・+R学部奨学金の授与式を行いました

7月15日に学部で運営する2つの奨学金の授与式を行いました。

・2024年度秋セメスターの成績優秀者を対象とした「西園寺記念奨学金
・学部教学に関連する取り組みにおいて優れた成果をあげた学生を対象とした「+R学部奨学金

授与式では森岡学部長からの祝辞の後、1人ずつ証書が授与されました。

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受賞者を代表して長江 大晴さん、CHA Mok Wonさんにスピーチをしていただきました。
受賞した皆さんは今後ますます学業に励んでいただき、充実した学生生活を送っていただきたいと思います。

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2025.07.14

学部の授業風景とクロス履修制度をご紹介する短い動画を公開しました。

2025.07.10

ゲスト講義実施報告(創価大学文学部 倉橋 耕平 准教授)

2025年春学期の「日本文化・社会論」(担当教員:山口 智美)最後の授業日に、メディア研究者の倉橋耕平先生をお迎えし、「ネット右翼再考〜背景から現在へ」と題したゲスト講義を実施いただきました。

講義ではまず、「ネット右翼とはどんな人たちなのか?」という問いから始まりました。
ステレオタイプのイメージとは異なり、実際には40代以上の中高年層が中心であり、中でも経営者や自営業者に多いという調査データが紹介され、受講学生からは新しい発見だったという声が多くありました。
続いて、ネット右翼を支える「メディア文化」に焦点があてられました。1990年代の歴史修正主義的なメディアキャンペーンと、インターネット文化が結びつく中で、ネット右翼の特徴が形成されてきたことが説明されました。たとえば、アマチュア的な発信と商業主義の融合、「ディベート」や「論破」の重視、マンガや論壇を通じた“参加型文化”と“集合知”の形成、そして朝日新聞への強い敵視などが挙げられました。
また、「反マスメディア」であることや、「普通の日本人」という自己イメージ、さらには陰謀論的な言説が広がっている背景についても丁寧にご解説いただきました。

最後にインターネットで支持を集める政党や政治勢力が、どのような文化やコミュニケーション戦略を用いているのかという問いを倉橋先生が学生に投げかけ、講義は終わりました。学生はそれぞれ、課題の中でその問いへの答えを考えることとなりました。
今回の講義は、ネット社会と現代政治、メディア文化の関係や、排外主義をめぐる現状を考えるうえで、非常に多くの学びと刺激を与えてくれる貴重な機会となりました。

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2025.07.09

国際関係学は、単に外国について学ぶのではなく、自国と他国の関係性や背景を多角的に理解する学問。日本を外からの視点で見つめ直すことで、世界を見る視野が広がりました(4回生 岸本 幸弘さん)