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2026.05.29
ゲスト講義実施報告「皇室問題の現在」(明治学院大学名誉教授・放送大学客員教授 原 武史様)
「国際関係学の基礎(文化・社会)」(担当教員:CHEUNG, Yukman)の授業にて、明治学院大学名誉教授・放送大学客員教授の原武史先生をお招きし、「皇室問題の現在」をテーマに講演を実施いただきました。


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講演では、近代日本において天皇制が国民意識の形成に果たしてきた役割を精緻に解明したうえで、現代の皇室が直面する諸課題、とりわけ皇位継承問題について考察がなされました。
また、男系・女系および男性・女性天皇をめぐる議論を通じて、その背後にある「王統」や国家像がいかに構築されてきたのかを示し、皇室問題を捉えるための新たな視点を提示されました。さらに原先生は、ナショナリズムおよびジェンダーの視点から現代日本の皇室問題を解説されました。
受講者は天皇制を手がかりとして戦後日本の歴史や国内外の政治状況との関係について理解を深め、熱心に講義に耳を傾けました。
講演後には活発な質疑応答が行われ、原先生も政治と権力をめぐる新たな想像力について興味深い議論を展開されました。
2026.05.20

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ゲスト講義実施報告(AI System Research Co. Ltd, Japan Leong Kuan Yew様)
応用情報処理(担当教員:植松大輝)では、学部生が卒業論文に必要なコンピュータスキルを習得することを目的としている。これらのツールは日々進歩しており、ただ単に使い方を覚える事よりも、新しい機能を独力で学ぶ力を養うことがより重要になる。
昨今のChatGPTに代表されるような生成系AI(人工知能)をベースとしたツールの発達と普及により、WordやExcelの使用法さえもAIツールを通じて飛躍的に効果的な学習が可能になりつつある。
こういった現状を踏まえ、京都市内の日系企業にAIの専門家として勤務するDr. Leon Kuan Yew氏を招聘し「AIとバイアス」をテーマに講義をして頂いた。
2026.05.19



2019年にICRCに入り、駐日代表部の人道調整顧問として政府をはじめ関係当局との協力を強化。中立・公平・独立の人道の諸原則に基づいたICRCの活動や、国際人道法の普及に努める。2023年6月より現職。ICRC以前は、外務省や国連難民高等弁務官事務所、国境なき医師団に勤務するなど、10年以上人道支援の分野に携わっている。アフガニスタン、イスラエル・パレスチナ、ミャンマーなどにも赴任。米国コロンビア大学で国際関係学の修士号を取得。
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ゲスト講義実施報告(赤十字国際委員会(ICRC)駐日代表 榛澤 祥子様)
2026年5月18日と19日、国際機構論・国際人権法ゼミ(担当教員:金児真依)の授業にて、赤十字国際委員会(ICRC)駐日代表の榛澤 祥子様にご講義いただきました。
今回の講義では、ICRCの起源と法的性格、中立・公平・独立という人道原則、国際人道法(IHL)の実務上の意義について、現代の紛争事例を交えながらお話しいただきました。
ICRCは1863年に創設された組織であり、政府間国際機構でも国際NGOでもなくスイスの私的団体でありながら、ジュネーブ諸条約にその役割が明記された独自の形態の国際機構・人道支援機関です。
また、赤十字・赤新月運動の中では、紛争下の保護を担うICRC、各国で活動する赤十字・赤新月社、各国社の連盟であるIFRCがそれぞれ役割を分担していることも説明されました。
続いて、ICRCの活動の根幹にある「中立」について、紛争当事者のいずれにも与せず、継続的に信頼を得ることで、現場へのアクセスを確保する姿勢として説明がありました。
ICRCは武器を持たず、武装護衛を原則として用いず、非公開の対話を通じて当事者の行動変容を促します。収容施設の訪問、被拘束者の処遇改善への働きかけ、医療施設の保護、民間人避難の実施、遺体・捕虜・人質の交換立会い、家族再会支援など、外からは見えにくい活動の一つひとつが、人びとの尊厳を守るための重要な実践であることが紹介されました。
講義の後半では、国際人道法が「戦争の是非」を判断する法ではなく、「戦争の仕方」を規制する法であることが確認されました。
負傷者、捕虜、民間人、医療従事者や医療施設を保護するという基本原則がある一方で、近年の紛争では、ガザやウクライナなどで民間人や医療施設への攻撃、人道支援従事者への危険が深刻化しています。さらに、AI、ドローン、サイバー攻撃、民間人による情報提供や拡散など、現代戦における新しい技術や行為が、誰を攻撃対象とし得るのかという実務的な課題を生み出していることも示されました。
日本での活動については、自衛隊・防衛省とのセミナーや演習への参加等を通じ、平時から国際人道法の理解を広げる予防的な取り組みが行われていることが紹介されました。榛澤代表はICRC主催で毎年行われる国際人道法模擬裁判・ロールプレイ大会国内予選で立命館大学・立命館アジア太平洋大学(APU)が活発に参加し優秀な成績もおさめてきたことにも触れられ、参加を促されていました。
今回の講義は、国際人道法に則ったICRCの活動が、戦時だけでなく戦後の和解や平和構築にもつながることを理解する貴重な機会となりました。また、国際人道法が現場でどのように適用され、どのような限界や課題に直面しているのかを知ることで、学生たちは人道支援の仕事に求められる専門性、粘り強い対話、そして人間の尊厳という人類共通の規範を守るための姿勢について理解を深めました。
講義後、榛澤代表は立命館大学国際平和ミュージアムに立ち寄られました。戦争の記憶と歴史の継承とアーカイブの重要性、現代社会の諸課題に有機的に繋がる展示の構成等について深い関心を示されるとともに、その意義を評価されていました。
(写真は右から榛澤代表、田鍬美紀学芸員、および国際機構論で4月にゲスト講師を務められた千田悦子様)
プロフィール
赤十字国際委員会(ICRC)駐日代表 榛澤 祥子 (はんざわ しょうこ)2019年にICRCに入り、駐日代表部の人道調整顧問として政府をはじめ関係当局との協力を強化。中立・公平・独立の人道の諸原則に基づいたICRCの活動や、国際人道法の普及に努める。2023年6月より現職。ICRC以前は、外務省や国連難民高等弁務官事務所、国境なき医師団に勤務するなど、10年以上人道支援の分野に携わっている。アフガニスタン、イスラエル・パレスチナ、ミャンマーなどにも赴任。米国コロンビア大学で国際関係学の修士号を取得。
2026.05.15



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ゲスト講義実施報告(元UNHCR駐日事務所 副代表 小尾尚子様)
2026 年5 月15日、Professional Workshop(担当教員:金児真依)の授業にて、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)に30年以上勤務され、難民保護・法務の分野で豊富なご経験をお持ちの小尾尚子様にご講義いただきました。
小尾さんは、UNHCRのケニア、フィリピン、タイ、日本の事務所、またスイス・ジュネーブ本部で、上級法務官、上級政策オフィサー、女性・子どもの保護やジェンダー平等に関わる職務などを歴任されています。
まず、学生は、世界の強制移動者数が2024年末に日本の人口に匹敵する1億2300万人に達していること、難民だけでなく、国境さえ越えられない国内避難民が圧倒的に多いこと、難民の多くが欧米ではなく低・中所得国に受け入れられている現状を知りました。
国内避難については、気候変動にも起因して、紛争よりも災害によって避難を余儀なくされる人の数が多いとのことでした。また、各地での危機はますます長期化しており、現在、難民が避難生活を送る期間は平均で20年以上に及んでいるとのことでした。
小尾さんは、自身が難民支援に関わり始めた1980年代に比べても、 難民保護とUNHCRはかつてなく大きな課題に直面していると言います。
自主帰還、庇護国での帰化を含めた定住、第三国定住といった解決策は、国内問題を優先し軍事費を増強する各国による人道支援資金の縮小と難民受け入れへの消極的姿勢により、実現がますます困難になってきているとのことでした。さらに、世界的な人道支援資金の深刻な不足に加え、ガザやウクライナなどの現代の紛争において、民間人、援助関係者、保護されるべき施設が直接の攻撃対象となるなど、国際人道法に対する明白な違反が起きていることも、状況をいっそう悪化させているとのことでした。
自発的帰還、庇護国への定住、第三国定住という恒久的解決策がある一方で、紛争の長期化や第三国定住ニーズの拡大により、解決までの道のりが非常に厳しいことが紹介されました。また、近年は紛争の増加、人道支援資金の縮小、援助関係者や医療への攻撃、ジェンダーに基づく暴力、移動する人々の安全への障壁などが、難民保護を取り巻く深刻な課題となっていることが共有されました。
授業の最後にはケーススタディ形式のグループワークが行われました。
学生たちは、特定のシナリオをもとに、自分がUNHCRの保護担当官としてフィールドに派遣された場合どのような対応をとるかについて、真剣に議論し発表しました。さらに、難民に対する世論や支持を高めるためのアドボカシーについても考え、難民の経験を人間的に伝え、誤解を事実と共有価値に基づいて解きほぐすことの重要性を確認しました。
今回の講義は、難民保護の法的枠組み、現場での人道支援、国際機関でのキャリア、そして受け入れ社会の意識形成について総合的に理解を深める貴重な機会となりました。
プロフィール 小尾尚子
国際基督教大学行政学研究科(国際法・国際機構論)博士号。およびカナダウィンザー大学国際関係論修士号。UNHCRに約30年にわたりケニア、フィリピン、タイ、および日本などのUNHCR(地域)事務所、及びスイスジュネーブの本部で上級法務官、上級政策オフィサー、国際保護局コミュニティ開発、女性、子どもの保護、ジェンダーの平等担当課長、駐日副代表など、法務・難民保護の分野を中心にキャリアを積む。2005年に神戸で開催された世界防災会議にもかかわる。現在国際基督教大学大学院において「難民・人の強制移動研究I &II」を担当。
2026.04.24
ゲスト講義実施報告「NHKの映像取材という仕事」(NHK京都放送局 小島 陽子 様)
4月24日の「プロフェッショナル・ワークショップ:メディアクラス」(担当教員・白戸圭一)の授業は、受講生以外の学生にも公開する形で実施し、NHK京都放送局のカメラマン 小島 陽子さんをお招きし、お話を伺った。


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入局9年目の小島さんは、これまで広島、長崎などの放送局で勤務した経験があり、映像カメラマン中堅の域に達している。
講義では、映像カメラマンの日常の仕事内容を説明しつつ、自身が関心を抱く取材テーマ、取材対象に狙いを絞ることの重要性に言及した。具体例として、小島さんは、学生時代に陸上部に所属していた経験を土台にして、パリ五輪の取材を含むスポーツ取材に熱心に取り組んできたことを学生たちに説明してくれた。
講義時間95分間のうち、ほぼ3分の2に当たる60分は学生との質疑応答に費やした。
学生からは仕事の魅力に始まり、仕事の苦労、学生時代に取り組むべきことなど幅広い質問が出たが、小嶋さんは一つ一つ丁寧に回答してくださった。
「メディアに対する批判、風当たりがこれほど強い時代に仕事を続けることをどう思うか」との質問に対して、小島さんが「私たちは現場に行き、事実を一つ一つ確認しながら報道しているので、その点には自信を持っている」と回答していたことは大変印象的であった。
フェイクニュース、AIによる写真や動画の生成、陰謀論の拡散などが社会を混乱に陥れているこの時代に、正確な事実を伝える仕事の魅力と重要性を理解するうえで、学生にとって貴重な機会となる授業であった。
2026.04.24


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ゲスト講義実施報告「国際機関の採用とキャリア形成」(元UNICEFギニア事務所 人事組織文化担当官 伴場 森一様)
2026年4月24日(金)、Professional Workshop(担当教員:金児真依)の授業にて、卒業生でもあり、UNICEFギニア事務所も含め人事をご専門としてご活躍されてきた伴場 森一様にお話し頂きました。
伴場様は、2015年3月に立命館大学国際関係学部国際関係学科(中川涼司ゼミ)を卒業後、同大学院公務研究科にて公共政策を専攻し、修了。民間企業において西アフリカ等との商取引に従事した後、NGOにてベトナムにおける人材開発プロジェクトに携わられました。その後、英国London School of Economics(以下、LSE)にて修士号(MSc Human Resources and Organisations)を修了。
JICAベトナム事務所では、ODA事業としての人材開発プロジェクトのコーディネートを担当し、UNICEFギニア事務所においては、人事戦略、採用、研修など幅広い人事業務をリードされました。
今回の講義では、国際機関の採用とキャリア形成をテーマに、国連・国際機関が応募者に何を求めているのか、また国際協力分野で長期的なキャリアを築くためにどのような準備が必要かについて、人事実務の視点からお話しいただきました。
冒頭では、伴場様自身がどのように大学院の専攻を選び、キャリアプランをたて、UNICEFギニア事務所での職務についたか紹介がありました。UNICEFでは、職員・コンサルタント・UNボランティアの採用だけでなく、職員研修の効果分析、組織再編を含む人事戦略に関する業務などに携わられたとのことで、国際機関における人事の役割を具体的に学ぶ機会となりました。
次に、長期的なキャリアを考える枠組みとして、「キャリア・アンカー理論」と「計画的偶発性理論」が取り上げられました。伴場様は、国際開発の中でも人事領域を通じて社会に貢献することを重視してきたと説明されました。また、LSE留学中で出会ったJICA職員との対話がその後の進路に影響したことなどを紹介され、偶然の人との出会いも主体的にその後のキャリアに活かすことの重要性が示されました。なお、グループワークでは、国連組織の国事務所に着任した際、どのような行動を取るべきかについて学生同士で意見交換を行いました。
講義後半では、より実践的な内容として、国際機関の採用システムやプロセスを概観しました。CV作成や面接でのコツなどについても大変実用的なアドバイスを頂きました。学生たちは、自分がどうして国連機関を目指したいのか(または国際協力分野で働きたいのか)、どのような職種で貢献したいのか、今後3〜5年で積むべき経験・取得するべき分野の学位について検討しました。
伴場様からは、国際機関でのキャリアは競争が厳しく、予算制約や雇用の不安定さ、組織変更などの現実もある一方で、長期的に経験と専門性を積み上げ、インパクトに焦点を当てて行動することが重要であるとのメッセージが伝えられました。今回のワークショップは、国際機関や国際協力の現場での人事の実際と、自らの価値観や特性を踏まえたキャリア形成について理解を深める貴重な機会となりました。