気候変動が原因の飢餓リスクを自由貿易が抑制する可能性を発見
理工学部長谷川知子准教授らの研究グループは、気候変動がこの世界にもたらす飢餓リスクに対する貿易の影響を調査しました。その知見は明確なものとなりました。国際貿易は地域の食料不足を補い、飢餓リスクを減らす可能性があること、また、保護政策やその他の貿易障壁が撤廃された場合は特にその傾向となるという結果を得ました。
この発見はNature Climate Changeにて2020年7月20日に公開されました。
URL: https://www.nature.com/articles/s41558-020-0847-4
DOI: http://doi.org/10.1038/s41558-020-0847-4
研究タイトル
“Free trade can prevent hunger caused by climate change - International trade can compensate for regional food shortages and reduce hunger”.
気候変動は世界中の農業に影響を及ぼしますが、その地域格差は明確なものがあります。北半球では十分な食料が入手可能であると予測されていますが、サハラ以南のアフリカ、また、南アジアなどの地域では農作物収穫量の減少が食料価格の高騰や飢餓リスクの急激な増加につながる可能性があります。また、世界貿易のさらなる自由化がこれらの地域格差を緩和し飢餓リスクを減少させる可能性があります。