立命館大学
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立命館学園創立110周年

イベントレポート

文部科学省グローバルCOEプログラム「日本文化デジタル・ヒューマニティーズ拠点」(立命館大学)

「デジタル・イコノグラフィー イメージデータベースと江戸出版文化研究」 シンポジウムを実施

立命館大学グローバルCOEプログラム「日本文化デジタル・ヒューマニティーズ拠点」日本文化研究班ジョン・カーペンター研究室では、2008年12月よりカナダ・ブリティッシュコロンビア大学(UBC)、イギリス・ロンドン大学SOAS、立命館大学アートリサーチセンターを拠点として、「近世視覚文化を読み解く」研究会を行ってきました。

本シンポジウムは、過去2年間にわたる研究会の成果を踏まえ、新たな学問領域としてDigital Iconographyを提唱し、図像研究における海外研究者の視点、国内の研究者の視点の特色を明らかにすること、さらに、それぞれの研究領域に資料のデジタルアーカイブがどのような役割を果たしてきたか、また、今後どのように関わっていくのかについて議論することを目的として企画、実施されました。

参加者は教員、大学院生など大学関係者も含めて日本、イギリス、ハワイ、カナダから多彩な顔ぶれとなり、シンポジウムとあわせて大学院生のワークショップを実施したことで、特に本学の大学院生と海外、外部の若手研究者同士が、自身の研究成果、進行状況等を交換できる良い機会となり、国内外においての将来的な学術ネットワークの広がりが大いに期待される成果となりました。

なお、本シンポジウムはユーストリームを使って発信されましたが、国内外からアクセスがあり、一部の聴講者からは発表者に直接フィードバックもいただきました。さらに、発表の成果は、立命館大学GCOEプログラム・デジタル・ヒューマニティーズ拠点のブログサイト

(http://www.arc.ritsumei.ac.jp/lib/GCOE/JCSG/john_carpenter/)

で公開される予定となっており、終了後の成果発信についても順次追加、検討していくことを目指しています。





国際平和ミュージアム

しかしそれだけではない。 加藤周一幽霊と語る」映画上映と対談

日本を代表する評論家であり、立命館大学国際平和ミュージアム初代館長を務められた加藤周一さん(2008年12月5日逝去)が残されたメッセージを、私たちが考える契機としようという企画です。

最初に、1943(昭和18)年10月21日の「出陣学徒壮行大会」の公開記録である『学徒出陣』(12分 文部科学省製作映画)と加藤周一さんの生前インタビューを綴ったドキュメンタリー映画『しかしそれだけではない 加藤周一幽霊と語る』(95分)の上映を行いました。

映画上映後、本上映映画のプロデューサーであり、立命館大学映像学部客員教授である桜井均先生と安斎育郎国際平和ミュージアム名誉館長との対談が行われました。

そこから、加藤さんは「今と昔」、「若者と老人」、「生きているものと死んでいるもの」など、まるで対極にあるように思われるもののなかに、普遍的なものを見出したこと。そ

れらの普遍的なものから、状況やこと他者に流されない思考を持ちえたことが加藤さんの加藤さんたる所以であることなどがお二人によって語られました。

最後に、安斎名誉館長が延坪島(ヨンピョン島)の事件の報道を例に出し、自由が抑圧されていることの本質を明らかにして意識化していくことが私たちの次の行動に繋がること。

平和が戦争によって損なわれてきた時代を生き抜いてきた加藤さんの生き様から、メッセージを受け取らなければならないことなどがまとめとして述べられました。

会場には10代から70代まで幅広い年齢層の120名余りの来場があり、熱心に耳を傾けていました。

また2014年に本学図書館に「加藤周一文庫」が開設される予定であることから、「加藤周一先生の生涯と著作」展が、衣笠では12/10(金)まで、図書館エントランスホール、BKCでは12/17(金)まで、メディアライブラリー2階エントランスホールで開催され、パネル写真、原稿、著作などが展示されました。

【日 時】2010年12月4日(土)13:30~16:40

【会 場】立命館大学衣笠キャンパス 以学館2号教室

【対 談】桜井 均  氏 本映画製作プロデューサー、立命館大学映像学部客員教授

      安斎 育郎 氏 国際平和ミュージアム名誉館長



対談をする櫻井先生(右)と安斎名誉館長(左)