学院長コラム「チャイナ・インプレッションズ(中国断想)」バックナンバー第1号~


第1号 私と中国(2025年4月30日(水))
 立命館大学孔子学院関係者の皆様、また、本学院の諸活動に関心を持って頂いている皆様。2025年4月から学院長となりました立命館大学国際関係学部の特命教授、中川涼司です。前学院長の宇野木先生が2025年3月末で特命教授としての任期を終えられることに伴い、私が後を引き継がせていただくこととなりました。私は2000年に立命館大学国際関係学部に赴任し、2025年3月末でいったん定年退職となりましたが、引き続き、国際関係学部において特命教授として教育、研究活動に携わっており、それとともに、この孔子学院学院長の任に当たらせていただいております。
 宇野木前学院長が出されていた学院長コラムも引きつがせていただくことなりましたが、名称を「チャイナ・インプレッションズ(中国断想)」とさせていただきました。私が中国および日中関係に関して思ったことなどを書かせて頂きたいと思っています。
 今回は第1号ということで、私と中国の関わりについてご紹介したいと思います。
 私は日本人でかつ、宇野木先生のように学生時代から中国に関わっていたということでもなく、私と中国とのかかわりは1990年代からになります。
 1992年に初めて中国を訪問しました。その時私は中国の専門家でもなんでもなく、ただ、中国の専門家の同僚の話や、あるいは、勤務先に訪問されてくる中国人の方々との接触の中で中国について少し関心がでてきたので、ほぼ興味本位で知り合いからのお誘いにのったのみでした。しかし、その時の印象はその後の私の中国研究の出発点ともなるようなものでした。あちこちにゴミが散らばる雑然とした街に、すさまじい交通ラッシュ。悪臭ただよう川。想像を超える低賃金で働く大量の若き女性たち。私が子供の時に経験した日本の高度成長期を彷彿とさせるものでした。
 その後、日系企業の海外進出先としての中国にも着目し、大阪の中小企業団体の訪中団の一員としてや、また、その他の繋がりで、中国を訪問し、とくに、部品や原材料などの関連・支援産業の発展度合いについての研究を進めました。ただ、その時はマレーシア、シンガポール、インドネシアなどにも関心を寄せており、中国だけを研究していたわけではありませんでした。
 前任校で学外研究にいけそうだということとなり、行先を検討し、一番面白そうなのは中国ということで中国に行くことに決めました。34歳の時にまったく0から始めた中国語学習も本腰をいれることにしました。1997年、37歳のとき北京にある中国社会科学院工業経済研究所の客員研究員となりました。当初は日系企業、とくに修士論文以来ずっと重点的に研究している電子産業の中国進出について研究するつもりでいましたが、北京の中関村などで目撃した中国のコンピュータ産業の発展に関心をもち、中国のコンピュータ産業についての研究をすることにしました。
 当時の中国のPCのトップブランドは「ノーブランド」。一種の形容矛盾かもしれませんが、店頭で、希望のスペックを言って部品を購入し、自分で組み立てるか、あるいは、そこで組み立て貰うものがもっとも多かったのでした。そのころの中関村は北京大学、清華大学付近の電子街を指すただの通称でしたが、後に正式な地域名になりました。中関村は日本でも中国の秋葉原などと報道されることもありましたが、活気があるが実に雑然とした街で、なんでもありの街でした。あるお店に行くと、PCを買ったらOSをつけてくれるというのですが、そのOSというのが「Windows97」。実に笑いました。正規版のWindows95の後継はWindows98でWindows97というものは存在しません。ベータ版か何かをWindows97としてサービスとして付けていたということです。Officeの正規版を買う人はほぼ絶無。のちに、研究費でおとすので、正規版を買うと、お前は本当にこんなにくそ高い正規版を買うのか、と怪訝な顔をされました。
 そんなノーブランド品と海賊版が支配的な市場で、ブランド品としてはトップシェアをとってのが、レジェンド(聯想)でした。聯想は中国科学院からのスピンアウト企業で当初は事業経営の仕方に対する無知から大損をし、野菜を売ってしのぐなどのこともしていましたが、マーケット志向に方向転換し、ノーブランド品より少し高いだけの値段で、コンピュータに詳しくない人でも使えるようなアフターサービスを充実して、シェアを伸ばしていました。これは面白いと思いました。帰国後、さっそく学会でこの企業についての報告をしましたが、当時の日本人はだれもこの企業について知らず、「何その会社?」状態でした。その後、聯想はIBMのPC事業部を買収、ブランドおよび社名の英語表記もレノボに変更、世界最大のシェアを持つPC企業へと成長しました。
 携帯電話(シーメンス)も買ってみました。当時の北京の人はまだまだポケベルが主流で、携帯電話は7000~1万元程度とかなり高く、北京の庶民には手が出ないものでした。まだ、アンテナがついていた携帯電話ですが、受信状態はかなり悪く、ちょっと郊外に出るとか、市内でも場所によっては受信できないとかと使えないしろものでした。
 北京で一人の中国人女性と知り合い、北京に滞在している間に結婚しました。当時の中国は優生保護法的な考え方で、結婚前には病院で生殖能力に関する検査を受けなければならなかったのですが、それも今となっては思い出です。日本に帰国して、日本でも結婚の届け出をして、妻のビザ申請をして日本に迎えました。かくして、研究も中国、家庭も中国ということになりました。
 2000年に立命館大学に赴任しました。その直前に中国のIT産業に関する章もある本を出していましたが、立命館大学に赴任後、中国のIT産業に特化した本を出すことにし、2004年度にこんどは妻と子供たちも連れて北京に1年間滞在して研究を進め、2007年に『中国のIT産業―経済成長方式転換の中での役割―』(ミネルヴァ書房)という本を出しました。これで勤務先の立命館大学から博士号(乙号)もとりました。  立命館大学に移ってからは大学院も担当し、研究指導も行うようになりましたが、次第に院生はほぼすべて中国人となりました。研究と家庭に加えて、教育も中国の比重が高くなりました。前期課程院生はちゃんと数えたことがないのですが、80人ぐらいの修了生のうちのほとんどは中国人です。後期課程院生は結局6人が博士号を取得(最後の一人は取得見込み)しましたが、全員が中国人で、うち4人が中国の社会保障研究でした。私の退職記念もあって博士課程修了生を中心に本を出すことにしましたが、テーマは社会保障として、『中国的福祉社会への道』(ミネルヴァ書房)が6月頃に出版見込みです。
 孔子学院とのかかわりは、孔子学院主催の研究会に参加したり、一度大阪で大阪学堂の合同セミナーでの報告を行ったぐらいでしたが、学院長の宇野木先生とは同じ学会の理事として頻繁にやり取りはしておりました。学内役職としては、孔子学院の所轄部局でもある国際部の部長を3年間(通算では4年)しておりました。そんなこともあり、宇野木先生のご退任のタイミングで私が学院長をお引きうけすることになりました。
 最近は、IT産業研究の発展でコンテンツ産業研究もしており、5月のセミナーでは私自身が中国のアニメ産業についてもお話します。
 今後ともなにとぞよろしくお願いいたします。


第2号(2025年6月10日(火))
 2025年5月30日 (於:立命館大学衣笠キャンパス創思館カンファレンスルーム)において、例年この時期に実施している北京大学・立命館大学連携講座を開催した。今年のテーマは「アニメ新時代:日中アニメーションの交差点」。北京大学新聞伝媒学院准教授・王洪喆氏、「中国における日本アニメの受容状況:歴史と現状」そして、私自身が「中国アニメ産業の発展と日本市場への進出」について報告した。
 王洪喆准教授は改革開放後の1980年12月、中国中央電視台 CCTV が 初めて日本のテレビアニメ『鉄腕アトム』が、カシオの電子腕時計の広告を挿入のバーター取引によって放映され、子供たちに熱狂的な支持をえて以来、日本のアニメが次々と中国において放映され、それがテレビの普及を促し、また、国際アニメの発展も刺激したことを豊富な画像を基にご報告された。1990年代に入り、テレビが中国の家庭に普及するにつれて、日本のアニメは中国での黄金期を迎え、その頂点に立ったのが『スラムダンク』であり、高校バスケットボールをテーマにしたこのアニメは1995年前後に中国本土で放送され、社会現象といえるほどの反響を呼び、中国におけるバスケットブームの火付け役になったとされた。同時期に放送された『美少女戦士セーラームーン』も非常に人気を博し、日本の学校生活へのあこがれも生んだとされた。ただし、『新世紀エヴァンゲリオン(EVA)』はセンシティブな内容に関して大きな改編がされ、それに対するネット上の不満が高まるなど、日本アニメの内容への懸念による制限が高まり、ジブリ作品などは当初は海賊版などで流通し、後になって正規版が放送されることになった。2010年代において外国アニメ放映枠が拡大されることで、新海誠監督の作品が次々中国で放映され、これまでの日本アニメ映画興行収入記録を次々破っていくなどのインパクトを与えた。また、それらにも影響を受けつつ、『ナタ』、『ナタ2』などの国産アニメのヒット作が次々生み出されてきた。以上である。

 中川の報告の概要は以下のとおりである。口頭で述べたことに補足をしているので、少し長くなっている。
1.中国におけるアニメの発展史
 「万氏兄弟」(万古蟾、万籟鳴、万超塵、万滌寰の四兄弟)が、1922年に中国初の広告アニメ『舒振東華文打字機』を製作したのが、中国の最初のアニメと見なされているが、同じく万氏兄弟によって1941年に『西遊記 鉄扇公主の巻』(《鉄扇公主》)が上海で公開され、翌年日本でも輸入公開されて大ヒットになった。
 中華人民共和国が成立したのち、1953年の中国最初のカラー人形アニメ『小さなヒーロー』(《小小英雄》)や1955年の中国最初のカラーセルアニメ『カラスはなぜ黒いのか)』(《烏鴉為什麼是黒的》)などがあり、切り絵アニメ、水墨アニメ、折り紙アニメなど多様な形態での展開、1961年と1964年に上下巻に分けて公開された『大暴れ孫悟空』(《大閙天宮》)は国内外で高い評価を受けた。
 しかし、1966年から始まり1976年まで続いた文化大革命の期間めぼしい作品がなく、改革開放後は日本のアニメが急速に普及した。90年代においても国産アニメは『宝蓮灯』などの高い評価を受けた作品もあり、テレビでも佳作がいくつか放映されるに至った。しかし、上記のような日本アニメの黄金期のなかでインパクトは限られていた。

2.中国文化産業政策の展開とアニメ産業
 これらの状況に対して中国政府は文化的観点からもまた同時に産業的な観点からも国産アニメ産業振興策を採ってきた。第10期五カ年計画(2001~2005年)で、五カ年計画にはじめて「文化産業」という言葉が規定され、文化部によって文化産業体系も定義された。文化が思想建設ということだけではなく、産業としてもとらえるようになったということである。第11期五カ年計画(2006~2010年)では中国の大国化と対外関係の変化を反映し、ジョセフ・ナイのソフトパワー概念を採りいれた文化ソフトパワー(「文化軟実力」)概念が明確に位置づけられた。これらの下で、体系的な文化産業振興政策である 「文化産業振興規画」(2009年)が制定された。同「規画」では「文化産業を国民経済の新たな成長点へと育成・発展させる」ために、①文化市場主体の整備、②文化産業構造の改善、③文化創新の能力向上、④現代文化、市場体系の整備、⑤文化製品とサービス輸出の拡大の5つの計画目標が定められた。第14期五カ年計画(2021~25年)の第9項目は「文化事業と文化産業を繁栄・発展させ、国家の文化ソフトパワーを引き上げる」というものであり、また、2035年までの目標として「文化強国」となることが明確化された。
 アニメ産業に関しては2006年には財政部、教育部、科技部、信息産業部、商務部、文化部、税務総局、工商総局、広電総局、新聞出版総署連名の「我が国アニメ産業発展に関する若干の意見」(《关于推动我国动漫产业发展的若干意见》)を国務院弁公室が同意(国弁発〔2006〕32号)し、広く政府機関に周知したことから大きく状況が変化した。これにより、各地に①アニメ産業開発基地が設置され、また、②テレビ放送のゴールデンタイムにおいて外国製のアニメを放送することが禁じられた。③アニメ制作企業に補助金が投じられ、また、④アニメ人材の養成を目指す教育機関も次々と設立された。
 このような供給も需要も担保された形のアニメ産業政策の結果、中国のテレビアニメは単純に放送時間からいえば一気に世界一となった。しかし、『喜羊羊と灰太狼』(シーヤンヤンとホイタイラン)などのヒットはあったが、画像、ストーリーとも洗練されておらず国内においてすら評価は低かった。2012年の「第12 次五カ年国家動漫産業発展計画」で質重視の方向に転換し、テレビにおける放送時間もピークを過ぎた。
 『喜羊羊と灰太狼』は広東省広州市にあるアニメーション企業の広東原創動力文化伝播有限会社により、2005年8月3日から放送されているテレビアニメである。2025年1月までは42期のアニメーション、3021話が制作されるロングシリーズとなっている。ほのぼのとした良作で基本的には幼児向けであり、動画技術レベルは高くないが幼児向けにはむしろシンプルな画風が良かった。
 このような中で中国のCG技術が高められた。2000年にグローバル・デジタル社(环球数码)が深圳で設立された。同社はビジネスモデルを確立できず、経営的には破綻するが、中国におけるCG技術者を育て、CG技術者第1世代を形成していった。 2003年武漢人馬動画有限公司(武汉人马动画有限公司 )が設立された。同社はMaya技術養成機関を設立し、技術者を育てながら、中国を代表する映画監督である陳凱歌とも協力、大手ゲームメーカーである上海SHANDA(上海盛大)向けに「伝説世界」(《传奇世界》)、神迹(《神迹》)のゲームCGを作るビジネスモデルを確立していった。なお、MayaはアメリカのAutodesk社が開発・販売しているハイエンドな3Dアニメーションソフトウェアであり、立体を作るモデリング、モデルを最終的映像にするレンダリング、モデルに動きをつけるアニメーション、現実の動きや挙動をデジタルの世界で表現するシミュレーション、現実世界かのような臨場感を、アニメーション映像などに加えるエフェクトの5機能を揃え、過去にはツールアカデミー賞を受賞したこともある代表的な統合型ソフトである。
 00后世代に大人気を博した3G動画『熊出没』(《熊出没》)シリーズを生み出した華強方特(Huaqiang Fantawild)は熊大、熊二、光頭強などの強いキャラクターの創出に成功し、映画等をヒットさせるとともに、ディズニーランドに似たテーマパークを全国に20余り展開するビジネスモデルを確立した。
 特筆すべきことは、2008年の『カンフーパンダ』で世界で6億ドル以上の興行収入を記録した米アニメ映画制作会社ドリームワークス・アニメーションが中国に中国合弁会社オリエンタル・ドリームワークス(上海東方夢工場影視技術有限公司)を設立するとともに、上海黄浦江河畔に政策基地だけでなく文化産業集積地機能ももった「東方夢工場」を建設したことである。オリエンタル・ドリームワークスは2016年にNetflix公開となった『カンフーパンダ3』の共同制作にあたり、中国の技術水準を示した。ただし、この事業はビジネスとしては失敗に終わっている。

3.中国アニメ産業の新展開
 中国のアニメ産業振興政策が進展する中で劇場版アニメとして、『紅き大魚の伝説』(《大鱼海棠》)(2016年)、『DAHUFA 守護者と謎の豆人間』(《大护法》)(2017年)などの国産アニメのヒット作が生まれ、日本でも放映されているが、劇場アニメとして画期となったのは2016年の『西遊記 ヒーロー・イズ・バック』(《大圣归来》)である。高いCG技術、伝統的な話に基づきながら魅力的なキャラクター・デザインとストーリーのアレンジで当時としては画期的な9.5億元の興行収入を挙げるに至った。
 これをさらに上回る空前のヒットとなったのが、2019年に公開された2019年『ナタ~魔童降臨~』(《哪吒之魔童降世》,The devil boy of Nezha comes to the world、以下『ナタ』)である。同作は実写も含めたすべての過去の中国映画の中でのダントツの興行収入である50億元を達成した。ナタ(哪吒,Nezha)は中国では『西遊記』、『三国志』などとならぶ定番の説話である『封神演義』に登場するキャラクターである。もともとの封神演義の中では、ナタは崑崙十二大師の一人である太乙真人によって宝物「霊珠子」から作られ、陳塘関の守将の李靖の第3子として生まれ変わった子供である。ナタはもともと、霊珠子であるから人間性に問題があり、雨降を司る神である龍王の三太子敖丙を殺し、背筋を抜いて父へのプレゼントにしようとしたり、また、採薬をしていた石磯娘娘の弟子を射殺したりした。これは李靖の怒りを生み、李靖はナタを殺そうとしたが、ナタは罪をあがなうために自らの肉と骨を切り自害した。太乙真人は蓮の花に金丹を入れて肉体としナタを復活させ、また、父と和解させた。その後は、ナタは仙界の(人間出身)の闡教(せんきょう)の道士として父や兄たち(金托、木托)、楊戩(よう せん)らとともに、姜子牙(太公望)を助け、人間界における商の紂王と仙界における森羅万象を起源とする截教(せっきょう)の連合と闘い勝利していく。ただし、姜子牙の真のミッションは、周の紂王を打ち破ることではなく、崑崙十二大師が千五百年に一度の逃れられぬ劫として、殷周革命に関わる闡教徒、截教徒、人道の中から「仙ならざる仙」、「人ならざる人」達を365人の「神」として封じる「封神」を行うことであった。
 上海美術映画製作所が製作し、1979年に公開された『ナーザの大暴れ』(『哪吒闹海』)はナタ(ナーザ)が人間の百姓を苦しめる四大龍王(東海龍王・南海龍王・西海龍王・北海龍王)の横暴に立ち向かうというものである。また、2003年6月から2004年に52集で放映された『封神演義 〜ナタクの大冒険〜』(《哪吒传奇》The Legend Of Nezha)は小さな英雄であるナタが女娲、太乙真人などの仙人たちの助けを受けながら、邪な仙人石矶と闘い、人々を救うというストーリーである。これらはアニメは健全な青少年育成のためのものという中国政府の方針を強く反映したもので、比較的単純な勧善懲悪の物語である。
 しかし、この『ナタ』の描いたナタはむしろ原作の前半部のキャラクターに近い。ナタは魔王として生まれる魔丸にすり替えられ、英雄となるはずだったにも関わらず、逆に世を混乱に陥れる魔王になる運命を背負ってしまった。人からは嫌われていて、悪さをしながら、最後に友情の中で死を迎えつつ回心をしていくストーリーである。キャラクター・デザインも非常に醜い(中に少しの可愛さがある)ものに設定された。これらは豊かになるも、強いプレッシャーの中で社会的不適合を起こし「ねそべり族」などにもなっていく人も少なくない「00后」(零零后)に大いに共感をえた。
 しかし、この『ナタ』の製作会社北京光線伝媒は、国内での莫大な興行収入に対して、ごくわずかの収入しか見込めない日本市場への売り込みにはあまり積極的ではなく、2019年10月22日から11月1日の2019東京・中国映画週間で上映されたにとどまった。
 2024年(日本公開は2025年)の『ナタ―魔童の大暴れ』(《哪吒之魔童闹海》,Ne Zha 2)、以下、『ナタ2』)はさらに『ナタ』をしのぐものとなった。2025年の春節(旧正月)の劇場公開以来、中国国内でメガヒットとなり、実写も併せた歴代興行収入第1位の『1950 鋼の第7中隊』(《长津湖》)(2021年)の57億7500万元の約2倍の興行収入をあげている。世界にみても『インサイド・ヘッド2』(2024年)の興収16億9886万ドルを抜き、アニメーション映画史上世界最大の興行収入となった。また、実写をいれても、中国の代表的な映画人気ランキングである「猫眼」の予想通り最終興収157億4200万元(約21億7010万ドル)を達成すれば『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018年)や『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』を抜いて世界歴代5位となる見込みである。日本では中国の映画を日本で配給する面白映画によって3月に中国語字幕のみのものが、4月4日からは日本語字幕付きが上映された。Filmarksなどのコメントもほぼ好意的なものが多い。

4.主要アニメ製作企業
(1)北京光線伝媒(Enlight Media)
 『ナタ』、『ナタ2』を製作したのは北京光線伝媒(Enlight Media)である。同社は1965年大連生まれの王長田が1998年に設立した。同社はテレビ番組『中国娯楽報道』の制作から事業を開始し、それは放送局とは独立の制作会社が番組を製作する嚆矢となった。制作から始まり、全国にネットワークを形成し、全国に娯楽番組を提供した。2006年に映画とテレビドラマ制作に進出。120部以上の映画作品を公開し、連続して年間総興行収入1位を記録、630億元を超える累積興行収入を挙げている。テレビドラマでも多くの作品を制作した。2013年にアニメに進出。20社以上に投資を行ってサプライチェーンを形成、『紅き大魚の伝説』(《大鱼海棠》)、『大護法』(《大护法》)、『ナタ~魔童降臨~』(《哪吒之魔童降世》)、『姜子牙』(《姜子牙》)、《深海》、《茶啊二中》、《昨日青空》等の作品を公開した。2019年公開の『ナタ』(《哪吒之魔童降世》)が50.35億元の興行収入を挙げ、さらに2024年公開の『ナタ2』が世界のアニメ映画史上最高の150億元程度の興行収入を挙げる見込みとなっていることは上記のとおり。
 『ナタ』の原案は、監督となった「餃子」(楊宇)のものであるが、楊宇の会社可可豆動画でこの作品を完成させることは難しく、北京光線伝媒のグループとなることで完成を見た。『ナタ2』は基本的に同じ制作体制であるが、『ナタ』に比べて、可可豆動画の主導権が強く、可可豆動画の拠点である成都を中心とした制作体制が採られた。
北京光線伝媒は自社グループで制作を行うとともに、日本の『千と千尋の神隠し』、『君の名は。』、『天気の子』、『夏目友人帳』などの輸入・配給も行っている。
傘下には光線影業、青春光線影業、彩条屋影業、五光十色影業、迷你光線影業、小森林影業、光線経紀、英事達などの系列会社も持つ。
 同社はこれらのコンテンツの制作・配給を中心としつつ、芸能人のマネジメント、制作編集監督プロデュース、また、音楽プロデュースを行って、多くの俳優やミュージシャンを世に送りだしている。
 また、同社は江蘇省揚州市に1万平方メートルの専門撮影所を建設している。その他、系列の投資会社である光線投資を通じて、猫眼娯楽、橙子映像、十月文化、彼岸天、天津好転など70社に投資し、幅広い娯楽プラットフォームを建設している。
 以上のように、北京光線伝媒は各社を系列化して傘下に組み入れていく形でエコシステムを構築するのがその特徴である。

(2)追光動画(Light Chaser Animation Studios)
 追光動画は2013年4月に動画共有サイト土豆網(Tudou)の創始者であり元CEOの王微(Gary Wang)によって設立された。王は土豆網を設立、発展させていたが、有料サイトへの転換において膨大な著作権料の支払や無断使用による訴訟に耐えられず、優酷網と合併のち、同社を離れ、制作側に回った。王は中国のピクサーを目指し、アメリカでの経験を活かし、ベンチャーキャピタルから豊富な資金調達、ワーナー・ブラザースと組んだ配給を行い、Netflixへも供給することで世界中に供給している。技術人材はスカウトして内部化した。
 追光動画は、制作についてはリソースを外部から調達しつつも内部統合型で制作し、一方、配給は外部との連携に依拠するエコシステムとなっている。

(3)テンセント(Tencent)/ビリビリ(bilibili)/ハオライナー(绘梦)
 1998年に馬化騰は他の4人とともにテンセント(深圳市騰訊計算機系統有限公司、騰訊、Tencent)を設立した。同社はインスタント・メッセンジャー・ツールとしてQQを開発してチャット機能からさらに検索、音楽視聴、動画視聴、決済などに機能を拡張した。また、スマホ時代を見越して微信(WeChat)を開発、さらに機能を広げた。しかし、事業としての稼ぎ頭になったのはゲームである。2004 年、騰訊互動娯楽事業部(のち互動娯楽事業群、简称 IEG)が設立され、ネットゲーム事業に参入し、同社の最大の事業部へと成長した。
 テンセントは2011年7 月、第七回中国国際動漫遊戯博覧会において,「泛娯楽戦略」を打ち出した。これは独自コンテンツの知的財産権を軸とし、ゲームプラットフォームとインターネットプラットフォームを基礎としつつ、プラットフォームを跨る多領域を開拓していくビジネスモデルである。このコンセプトにより翌2012年に漫画とアニメの配信プラットフォームとして騰訊動漫が設立され、さら2013年に小説の配信プラットフォームとして網絡文学が設立された。さらに、2015年にはテンセントは盛大文学を買収し、閲文集団とした。さらに、同年、小説、漫画、ゲーム、動画への総合的な投資を行う騰訊影業(IEG傘下)、とやや小規模の自社製作や共同製作を行う企鵝影業を設立することで、総合娯楽エコシステムを完成させた。2018年、テンセントは「泛娯楽」戦略をさらに「新文創」戦略にアップグレードさせた。テンセント集団副総裁の程斌は2018年「新文創」エコシステム大会において「新文創」とは「より幅広い主体を結び付けて、文化価値と産業価値の相互活性化を推進し、より効率性の高いデジタル文化と知的財産権の構築を実現すること」であるとした。この概念のもと2015年からテンセントは次々と動画制作関連会社を系列に収め始めた。それらの企業は玄機科技、駿豪宏風、原力動画、天聞角川動漫などであるが、特に大きな意味を持つのはbilibiliである。2018年にbilibiliはテンセントとの戦略的協力関係に入ることを宣言し、ゲームやアニメの上下流においての協力を進めることとした。
 テンセントのアニメはネットアニメを主体としており、そのためのプラットフォームとしてテンセント・アニメ(騰訊動漫)も設立されている。プラット―フォームとして、原理的にはサードパーティを巻き込む形であるが、完全に独立したサードパーティとはならず、制作会社は系列化されるか、あるいは、系列化されていないケースでも、制作委託の形になっていることが多い模様である。
 2021年1月、bilibiliは上海絵界文化伝播有限公司の全株式を取得、絵夢はbilibiliの完全子会社となったので、bilibiliを介して、テンセントは上海絵夢さらに日本絵夢もエコシステムの中に収めることとなった。
 bilibiliは2009年に徐逸(Yi Xu)がMikufansとして開設、2010年 bilibiliに名称変更、その後、Cheetah Mobile(中国語: 猎豹移動)の共同創設者の陳睿がエンジェル投資を行って運営会社として杭州幻電科技有限公司(のち上海に移転して、上海幻電信息科技有限公司、以下会社名としてもbilibiliとする)を設立して董事長に就任した。日本のニコニコ動画のビジネスモデルを真似、会社名称まで類似していることは知られているが、ユーザー数ではすでにニコニコ動画をはるかに上回っている。騰訊視頻同様に独自コンテンツを重視し始めたbilibiliは2016年に上海絵界文化伝播有限公司(上海絵梦、しゃんはいえもん)に投資、さらに、2021年1月には全株式を取得して、上海絵梦はbilibiliのグループ会社となった。
 上海絵梦は2013年に中国にて李豪凌により上海絵夢文化伝播工作室(HAOLINERS STUDIO)という合名会社として設立された。2015年3月に上海本社は上海絵界文化伝播有限公司という有限責任会社へ変更され、絵梦(HAOLINERS、ハオライナーズ)はアニメブランドとして存続することとなった。

5.中国アニメの日本進出の歴史
(1)前段階
 中国(中華民国、中華人民共和国)の日本へのアニメ輸出の嚆矢は1941年に国内上映され、1942年に日本に輸出された『鉄扇公主』である。
(2)第1段階(1980年代~2010年代半ば)
 1980 年代に入り『咤閙海』(1980年)、『金猴降妖』(1991年)、『宝蓮灯』(2006年)、『葫芦兄弟』(2008年)、『葫芦小金剛』(2008年)などが日本のテレビでの放送、劇場公開、DVD発売などが行われた。1980 年代から日本のアニメ産業の海外への外注化が進み、日本のアニメ制作のかなりの部分は韓国や中国などの下請けによって担われるようになった。しかし単なる下請けでなく共同製作への移行の動きもみられるようになっていった。
(3)第2段階(2010年代末以降)
 2010年以降、中国アニメは劇場、オンデマンド配信、テレビ放送の多様なチャネルで日本の視聴者にはもっと近しくなっていった。
 とくに注目されたのは『羅小黒戦記』(2011-,北京寒木春動画技術有限公司制作)である。中国人の張進と白金が2019年に設立した Team Joyが本作を輸入。当初1館上映であったがその後拡大。2020年にソニー子会社のアニプレックスが日本の人気声優(花澤香菜など)を使った日本語吹き替え版を作ったことで約5億円の興行収入を挙げ、中国アニメとしては異例のヒットとなった。2次元で、キャラクター・デザイン、ストーリーとも日本アニメに近く、日本の視聴者には受け入れられやすかった。さらに人気声優が声を担当することで中国アニメという感覚も薄れたことが大きな成功要因である。
 また、上海絵梦は日本のアニメ制作会社の下請けも担当している。Comix Wave Filmとの協力では『君の名は。』の制作も担当した。また、逆にComix Wave Film協力を仰いで新海誠的なテイスト、画風の『詩季織々』(2018年)を制作した。『銀の墓守り』など日本のスタッフも使いつつ、日本と中国でネットアニメとして配信した。絵梦の制作・製作活動はテンセント・エコシステムに組み込まれている。制作作品から見ると、原作の多くは「テンセントアニメ」に掲載されたウェブ漫画である。それが日本絵梦を含む絵梦グループによってアニメ化され、中国ではテンセントアニメないしbilibiliで配信されている。それが日本ではTOKYO MXでまず放送されてから、NetflixやAmazon Prime Videoで配信される流れとなっている。ただ、近年は日本での制作は行っていない模様である。

6.日本アニメの中国進出の再開
 ハリウッドなどの働きかけで中国における外国映画放映枠が拡大し、それに乗じた形で、2015 年に『STAND BY ME ドラえもん』(《哆啦A梦:伴我同行 》) が久しぶりに日本アニメ映画が配給された。興行収入5.4億元は日本国内を上回った。 2016年『君の名は。』(《你的名字》)、2019年『天気の子』(《天气之子》)も配給され好評を博した。2019年には2001年に日本で公開され、中国には海賊版しか入ってないにも関わらず人気を博していた『千と千尋の神隠し』(《千与千寻》)が中国で公式に公開された。
 このように日本アニメに対する規制強化の中で海賊版に大きく依拠していた日本アニメが公式的にも中国市場に再び入っていっている。今後、相互に進出が進んでいけるかどうか大きな課題となっている。

7.『ナタ2』に見る海外進出上の問題点
(1)興行収入のほとんどは中国国内
 『ナタ2』はアニメ映画としては世界市場最高の興行収入を挙げることが予想されている。しかし、Box Office Mojo(2025年5月22日アクセス)によれば、Ne Zha2の世界興行収入は18億9862万9967ドルであるが、うち中国が18億6245億9345ドルで、98.1%が中国国内での収入である。CMC Picturesが配給するアメリカ市場は2085万8156ドルで全世界の1.1%であり、少なくない部分が300万人以上いる在米華人による視聴と考えられている。ヨーロッパはイギリスを拠点とするトリニティ・シネアジアが欧州37国・地域での劇場公開権を北京光線影業から獲得したが、イギリスでの興行収入は159万6106ドル、ドイツはさらに少なく56万8260ドルにとどまっている。宮崎駿監督の『君たちはどう生きるか』は全世界2億82,42万2,186ドルであり、全世界では『ナタ2』の6分の1にも満たないが、アメリカでは4683万2,867ドル、イギリス560万5,692ドルと倍以上である。

(2)『封神演義』に対する外国人の理解度への配慮不足
 中国人にとって『封神演義』は繰り返しいろいろな形でアレンジされる題材であり、日本で言えば忠臣蔵的存在である。したがって、中国人には細かい説明をする必要がない。しかし、『封神演義』を読んだことも、聞いたこともない外国人にとってはなじみが薄い。日本ではそれでも1989年に出た安能務編訳によるリライト版、それを原作にした藤崎竜による漫画『封神演義』(1996年 - 2000年)で広く知られるようになり、光栄『完訳 封神演義』全三巻(1995年)や二階堂善弘監訳の全訳全4巻、勉誠出版(2017年-2018年)も出されるようになっているが、欧米では日本以上に知られていないと思われる。『封神演義』は中国の伝統的説話で、ストーリーとしてのダイナミズムが世界にも通じるものがあるという側面があるにせよ、誰しもがベースにあるストーリーをある程度は知っているという前提でのストーリー展開だと理解が追い付かない。

(3)反米的隠喩?
 脚本家がどこまで明確に意識したことなのかどうかはまだ確定的なことは言えないが、中国のネット上では『ナタ2』に現れる反米的ミームが大いに話題になっている。
 当初、慈愛をもった指導者と思われていたが後に凶暴な姿になる「無量仙翁」(南極仙翁がもっとも近いが、基本的には本作のオリジナルキャラクターで、闡教界の最高指導者元始天尊の第一の弟子)が元始天尊が修業にこもる期間暫定的に闡教界を取り仕切っている。教化の名目で弟子たちに非道な行為も行わせ、妖怪や無垢の一般人を「仙薬」としてしまってその仙薬を使って闡教界の力を引き揚げ、異界との闘いに勝利することを意図している。無量仙翁の住む場所は白宮(ホワイトハウス)であり、その形は米国防総省(ペンタゴン)を彷彿とさせるものである。また、闡教界での身分を示す玉牌には、アメリカのグリーンカードなどに付けられるアメリカの国章のベクター(鷲)がつけられている。天元鼎(三本足の商周代の青銅器。仙薬を作るための器)には「$」マークが付けられている。仙薬(仙丹)はコロナウイルスのような形をしており、これもパキスタンのハールーン元外相などがコロナウイルスがアメリカで生産され、中国に運ばれたことを示すいくつかの根拠がある、と述べたことと符合する。
 中国で大きな興行収入を挙げた映画には2016年の『オペレーション・メコン』(《湄公河行动》)、2017年の『建軍大業』(《建军大业The Founding of An Army》、『戦狼2』(《战狼2》Wolf Warriors 2)などのいわゆる「主旋律映画」(愛国主義的映画)があり、2021年(日本公開2022年) の『1950鋼の第7中隊』(《長津湖》、The Battle at Lake Changjin)や2024年の『志願軍 ~雄兵出撃~』(《志愿军:雄兵出击》、The Volunteers: To the War)では朝鮮戦争における米軍との対決が題材として選ばれるようになっている。『ナタ2』の反米ミームはその流れに乗ったものではないかという疑いである。
 どこまで意図的なものかはともかく、少なくない中国人鑑賞者はその意味合いを感じ取っている。これらの主旋律映画の国内では人気で興行収入も多いが、国外での評価は高くなく、興行収入も振るわない。『ナタ2』が同じ轍を踏まないことを願う。

むすび
 日本のアニメは改革開放初期に中国で受け入れられ、大きな影響力を与えた。中国のアニメは中国政府の産業振興政策もあって、短期間で長足の進歩を遂げ、『ナタ2』は世界のアニメ映画史上最大の興行収入を挙げる見込みとなるところにまで至った。CG技術やキャラクター・デザイン、ストーリー展開も進歩し、迫力も見ごたえもあるものとなった。また、中国アニメ振興の中で制限されていて、海賊版でしか入らなくなっていた日本のアニメが再び映画館で公式的に上映され、かつてない興行収入を挙げるようになった。かくして、日中双方のアニメが相互に刺激しつつ生産も消費もされていく方向に展開しているようには見える。
 ただし、中国のアニメの興行収入はほとんどは中国国内のものであり、内容的にも中国国内向けを思わせることが少なくない。また、制作面でも、日本のアニメの下請けを中国がすることは進んでいるが、対等なコラボは仕事の進め方の相違などから容易ではない。今後、消費面でも制作面でもより一層の相互浸透とコラボレーションが進むことを期待したい。

質疑に関して
 会場やオンラインからいくつかの質問が寄せられた。
 一つは、海賊版の動向について。それについては、かつてはVCDが店頭や街中でも売られる形であったが、ネットに移行し、ただし、それも対策が進み、また、価格的にも正規版が十分に視聴できるようになってきていることから、正規版化が進んでいることが示された。
 中国で日本のアニメがはやるのは同じアジアの国としての文化的近接性があるからか、という点について。これについては、台湾や中国において日本を出発点とするような「二次元」文化、AGC文化圏(中国語圏において主に用いられる日本のアニメ(Anime)、漫画(Comic)、コンピューターゲーム(Game)の文化圏)の需要層があり、とくにbilibiliを拠点とした層が存在するが、中国のコンテンツがすべてこの流れにあるわけではなく、アメリカ的なもの、あるいは中国固有のものを嗜好する層も存在していると答えられた。
 『スラムダンク』の影響についても質問が出された。答えとして、中国のバスケットブームの背景の一つとしてこの『スラムダンク』があることは疑いないことが述べられた。
 またアンケートでは、1979年の『ナーザの大暴れ』は、いわゆるアートアニメファンの間で、天地がひっくり返る程の驚きを持って迎えられたことや、今はネットアニメでは『魔道祖師』がぶっちぎりの1位であるなどの指摘もされた。ご指摘に感謝したい。