イベントレポート2026

中国理解講座

■ 2026年9月5日(土)第221回中国理解講座「日中異文化理解講座Ⅳ」

9月5日(土)10時より「日中異文化理解講座」(全5回シリーズ)の第4回をオンラインで開催しました。当初は対面開催も予定していましたが、台風の影響による大雨が予想されていたため、急遽オンラインのみでの開催に切り替えて実施しました。講師には麗澤大学名誉教授の三潴正道氏をお迎えし、「『中国スピードに日本は追いつけるか』EVなど諸分野発展を支える―中国異文化の実像―」をテーマにご講演いただきました。講演では、中国人の「まず~してみよう」という行動様式を7つの類型に分類し、改革開放、リーマンショック対策、物流の発展、環境問題などの具体例を通して解説いただきました。また、中国の発展を支える計画性についても、地域発展戦略や科学技術政策、自動車産業のEV化などを取り上げながら、中国が長期的なビジョンと柔軟な実践を組み合わせて成長を遂げてきた過程を紹介されました。受講者からは「知らないことばかりで見識が深まりました 物事を広い目、本質を知り見極める眼をもつには、先生のお話は非常に有益と感じました」「考えすぎてなかなか行動に移せないことが多いので、中国の「まずやってみよう!」精神に学んでいきたいなと思いました。」「実際に大衆の意見を聞いているなど意外に民主的な部分があることを知り、中国政府について自分がステレオタイプになっていることがわかりました。」などのお声をいただき、中国の発展についてその背景にある文化的価値観や政策運営の特徴について理解を深める貴重な機会となりました。


■ 2026年7月25日(土)第220回中国理解講座「中国を中心とする東アジアにおける「石造民家」の系譜」

7月の中国理解講座は、本講座史上初めて「建築」を取り上げ、「中国を中心とする東アジアにおける「石造民家」の系譜」というテーマにて、立命館大学衣笠総合研究機構の大場 修 教授にお話しいただきました。講演では、「石造建築は木造建築よりも高級か?」との問いから始まり、中国北方の伝統的な四合院や雲南省、貴州省、福建省などの具体的な石造民家を事例として、中国の住居建築の特徴が紹介され、現地調査で撮影した豊富な写真や実測図を用いながら、住宅の構造や材料、主屋と付属屋の違いなどについて大変分かりやすく解説いただきました。また、伝統的な建築技術やセルフビルドの文化が現代の住宅にも継承されている事例が紹介され、建築は単なる住居ではなく、その土地の自然環境、経済状況、歴史や文化を映し出すという中国の建築文化の多様性について理解を深める機会となりました。受講者からは、「豊富な写真や図面とともに、地域の風習についてもわかりやすくお話しいただき、大変興味深かったです。」「中国の映像や画像で石造住宅をよく見かけていたのですが、それに関して少し理解の解像度が上がりました。」「中国雲南省の石造の家に住む民族と木造の家に住む民族の部分が面白かった。家にはその土地の特性や家を建てる人の経済状況も関係してくるという部分が興味深かった。」などのお声をいただき、大変満足度の高い講座となりました。
<追加質問&回答>
Q. 石積みは屋内側から積むものですか?屋外から積むんですか?特にこだわりはなさそうですか?
A. 重要なご質問だと思います。基本的には、木造軸組を先に建てて、その後、その周囲に石やレンガなどを積んで行きますので、基本的に外から積む形になると理解しています。
Q. 石造民家のメンテナンスについて、石壁と木造部分どのように分けて維持しているのでしょうか。また、建て替えなどの際に石の再利用などありますでしょうか
A. メンテナンスは、重要な視点です。常に補修されて長く維持しているようです。興味深いのは、その都度、手に入りやすい材料で補修がなされている点です。したがって、当初安山岩であったものに、レンガで補修したりされます。あまり材料に対するこだわりはないようです。一方、木造部分のメンテについては、よくわかりません。
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■ 2026年6月13日(土)第219回中国理解講座「日中友好コンサート 紫陽花によせて~中国琵琶、二胡により~」

紫陽花がちょうど見頃を迎えた6月13日、葉衛陽氏(長城楽団代表・中国琵琶演奏家)と陳颐氏(二胡演奏家)をお招きし、立命館大学国際平和ミュージアムロビーにて日中友好コンサートを開催しました。コンサートは、琵琶独奏による「龍船」「彝族舞曲」で幕を開け、続いて二胡独奏により「良宵」やゲーム音楽「原神―軽策荘」が披露されました。さらに、再び琵琶独奏で「琵琶語」「大空と大地の中で」が演奏され、その後は二胡によるモンゴル民謡「敕勒歌」、そして陳氏編曲による「琴師」が奏でられました。終盤には、琵琶と二胡の合奏による「雨碎江南」「青花瓷」「涙そうそう」「賽馬」と、バラエティ豊かなプログラムが続き、会場を魅了しました。演奏の合間には、各楽器の特徴や歴史、日本の楽器との違いについてもわかりやすくご紹介いただき、受講者は理解を深めながら音楽を楽しむことができました。最後はアンコールとして「夜来香」が演奏され、万雷の拍手に包まれながら盛況のうちに幕を閉じました。受講者からは、「中国琵琶と二胡の素晴らしい演奏に感動しました。」「最後の演奏(「賽馬」)に感動しました。ありがとうございました。琵琶の⼿の動きがすごかったです。」「録⾳の伴奏も良いアクセントになっていたが、やはり⽣演奏がすばらしかった。」といった声が寄せられ、受講者は一期一会の演奏を存分に堪能されました。 また、当日ミュージアムを訪れていた方々も足を止め、悠久の音色に耳を傾ける姿が見られました。
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■ 2026年5月9日(土)第218回中国理解講座「清代満洲貴族女性の多様な宗教信仰と菓子文化の研究― 供物・祭礼・食文化を通じた社会文化史的考察 ―」

5月の理解講座は愛新覚羅 闓和 氏(立命館大学衣笠総合研究機構 客員協力研究員)にお越しいただき、GW明けの5月9日(土)10時より立命館孔子学院講義室とオンラインライブ配信にて開催しました。今回のテーマは清代満洲貴族の女性ということで、その食文化、信仰、社会制度から遺伝子の話まで膨大な資料をもとに多岐にわたり掘り下げて解説いただきました。受講者の方からは「食べ物、菓子、文字、民族の流れが一つの河になっていくようで楽しかった。」「満州族の方といってもひとくくりではなく、内部は考える以上に複雑に形成されていると知り、奥深いと思いました。」「新しく知ることが多く興味深かったです。」「八旗制度の内にコサックが組み込まれていたのは興味深かった。また女性も馬で移動を行っていたということも面白いなと思った。」等のお声をいただき、受講者の知的好奇心を刺激する内容の講座となりました。
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■ 2026年4月11日(土)第217回中国理解講座「中国茶ってどんなお茶?―お茶発展の歴史から紐解く中国茶―」

今年度最初の理解講座は4月11日(土)13時より、堀井 美香 氏(Liu Xiang 茶心主宰、留香茶藝日本茶友会副代表)をお招きし、中国茶の歴史やお茶の種類についての座学に加え、実演として「茶芸」をご披露いただき、三種類のお茶(緑茶、烏龍茶、黒茶)の試飲やパイナップルケーキの試食も体験できるという、大変盛りだくさんの内容の講義を行っていただきました。実演では、淹れ方からその片付け方法まで、一連の流れるような所作をお茶ごとに披露いただき、また、烏龍茶は聞香杯でいただくなど、お茶ごとに茶杯も異なり、それぞれのお茶の魅力を最大限に引き出した飲み方により、広く奥深い中国茶の世界を実際にご堪能いただきました。受講者の方からは「茶芸を目の前で見せていただけてとても面白かったです。」「今日は中国茶の歴史の概要、実際の茶芸実演と分かりやすい解説でさらに中国茶への理解と魅力が深まりました。パイナップルケーキが手作りとは!優しい味わいで、特に六堡茶とのマリアージュが印象的でした。」「中国茶についてはあまり知らなかったが、茶芸から茶の種類、歴史などを沢山知ることができて良かった。他ではなかなか飲めないような美味しいお茶だった。」「限られた時間の中で専門的(私は中国茶は初めてでしたが、経験者の方まで楽しめる)なところまでお教えいただけて、大変満足しております。」等のお声をいただき、大変満足度の高い講座となりました。
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中国古典文化講座

■ 2026年7月4日(土)中国古典文化講座 「星座と宇宙――中国古典の世界観」

今年度中国古典文化講座第2回は、大東文化大学東洋研究所の髙橋 あやの 准教授を講師に迎え、7月4日(土)13時より立命館孔子学院講義室とオンライン配信にて「星座と宇宙――中国古典の世界観」を開催しました。タイムリーな八咫烏を皮切りに日本と中国の天文知識の共通点紹介から始まり、中国の伝統的な宇宙観や天文学の基礎となる二十八宿、中国の星座の特徴を解説ののち、日本と中国に共通する伝承として特に七夕を取り上げ、牽牛・織女と星座の関係や、中国における星座観の特徴を古代文献や画像資料を用いて分かりやすく解説いただきました。受講者からは「星座はギリシャ神話のイメージが強かったですが、中国の星座や宇宙観について知るきっかけになり大変勉強になりました。」「知らない世界の話ばかりで興味深かったです!天文学者と世間の牽牛のイメージが違うの、今も昔もつながっている感じがして面白いです。」「分かりやすく、またタイムリーに七夕伝説についても取り上げられていて、最後まで興味深く聞きました。よく見方が分からなかった中国古代の星図は、中心が北極になっていたんですね。やっと分かりました。」「星に興味があってもどこから知っていけばいいのかわからずにいましたが、こういう身近なところの星から知っていこうと思いました。とても楽しい講義をありがとうございました。」等のお声をいただき、中国古代の宇宙観や星座への理解を深める貴重な機会となりました。
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■ 2026年6月20日(土)中国古典文化講座 「中国の人魚と人面魚――神話はいかに伝えられたのか」

今年度、中国古典文化講座は「神話、天文、庭園、家具にみえる中国古典文化の世界観」をメインテーマに、前期2回、後期2回、合計4回の開催を予定しています。その第1回に松浦 史子 氏(二松學舍大学文学部教授)をお招きし、6月20日(土)13時よりZoomオンラインにて開催しました。今回、中国における「人魚」および「人面魚」を題材として、敦煌の画像塼墓に見られる異質な特徴を持つ人面魚を取り上げ、魏晋南北朝という動乱期を背景に神話がどのように変容したのかを、晋・郭璞の『山海経』解釈を中心に、また最新の研究内容についてもお話しいただきました。受講者からは、「山海経や河図洛書、敦煌の発掘物など、浅学で恐縮ですが初めて知る内容が多くてとても興味深かったです。また、史実との関係も絡めた講話であり、ご説明も判りやすく解説下さったのでとても面白かったです。」「敦煌の画像塼墓にみえる⼈⿂の意味付けが⻄王⺟信仰につながるものというのはとてもわかりやすい考え⽅でした。以前から『楚辞』「天問」の「東流不溢、孰知其故︖」より河の淵源にある世界⼭あるいは世界⼭から流れ出る⼤河というモチーフに興味があったのですが、地理的に⻄北に位置し⻩河から離れて特殊であった前涼ではそのモチーフがより濃厚に受容・理解されてそれに関係する天獣である⼈⿂がある種のトーテムとして⽤いられているというのは、この興味への理解において極めて⼤きな⽰唆をもたらしてくれたように思えました。」「人魚を切り口に、知的文化的に深い森の奥へ探検していくような講座でした。知らないことがいっぱいあったので、お話しについていくのは大変でしたが、もっと知りたいという思いがムクムク湧いてきました。ありがとうございました。」「画像や⽂献を駆使してのご考察がとても興味深く、調査し考察する積み重ねの楽しさが伝わってきました。」等のお声をいただき、受講者の知的好奇心を刺激する内容となりました。

特別講演・公演

■ 2026年9月20日(日)第21回全国ジュニア中国語スピーチコンテスト

9月20日(日)、衣笠キャンパス創思館カンファレンスルームにおいて、第21回全国ジュニア中国語スピーチコンテストを開催しました。今年も全国各地で熱心に中国語を学ぶ小学生から高校生まで多数の応募が寄せられ、一次審査を通過した9名(一般枠7名、オープン枠2名)が本選に出場しました。当日は、中華人民共和国駐大阪総領事館領事処の于佳領事、同教育処の章巍副領事をご来賓としてお迎えし、開会にあたり、章副領事よりご挨拶をいただき、中国語学習に励む青少年たちへの温かい激励のお言葉が贈られました。コンテストは一般枠出場者によるスピーチから開始されました。出場者たちは、中国語との出会いや自身の経験、好きなものなど、それぞれが工夫を凝らしたテーマで発表を行いました。緊張感のある会場の中でも、これまで積み重ねてきた学習成果を存分に発揮し、豊かな表現力と高い語学力を披露しました。続く質疑応答では、予想外の質問に戸惑う場面も見られましたが、出場者たちは最後まであきらめることなく中国語で自分の考えを伝えようと努め、一生懸命に言葉を選びながら応答していました。また、今回より新たに設けられたオープン枠では、出場者がそれぞれ独自のテーマで発表を行い、質疑応答においても自然で実践的な中国語運用能力が発揮され、中国語をコミュニケーションの手段として活用している様子がうかがえました。審査員からは、発音や表現力のみならず、内容構成や質疑応答への対応力についても高い評価が寄せられました。今年は例年以上にレベルの高い発表が揃い、出場者たちの中国語運用能力の高さや、充実した中国語教育を実感できる大会となりました。

第21回全国ジュニア中国語スピーチコンテスト受賞者一覧

受賞名 受賞者名 学校名
最優秀賞 桝内 柊希
学校法人名古屋学院 名古屋中学校
優秀賞 村井 文汰
長崎県立壱岐高等学校
海老名 心那
聖カタリナ学園 光ヶ丘女子高等学校
学院長特別賞 堀田 佳蓮
安城市立安城東部小学校
審査員特別賞 圓山 世津子
米子松陰高等学校
奨励賞 松井 瑠花
長崎県立壱岐高等学校
濱村 清良
福井県敦賀気比高等学校
(※各賞とも出場順)

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■ 2026年5月29日(金)特別講演会「中国におけるデジタルゲーム・生成AIサービスをとりまくビジネスエコシステム」

今年度の特別講演会として、立命館大学映像学部の中村彰憲教授をお招きし、「中国におけるデジタルゲーム・生成AIサービス(AIGC産業)をとりまくビジネスエコシステム」をテーマに、衣笠キャンパス平井嘉一郎記念図書館カンファレンスルーム及びオンラインライブ配信のハイブリッド形式にて開催しました。講演では、中国におけるゲーム産業およびAIGC産業の最新動向について、最新の研究成果に基づき、未発表の知見も交えながら解説が行われました。まず、中国おけるゲーム産業の位置づけとその影響力について概観した後、各種データに基づく現状分析が提示され、産業構造や市場規模の実態について詳細かつ具体的に説明いただき、続いて、AIGC産業の全体像およびビジネスシステムなどについても、一般の受講者にも理解しやすい形でお話しいただきました。質疑応答では、人材・技術交流やAI活用に関する質問が寄せられ、丁寧かつ示唆に富む回答がなされました。受講者の方からは「ゲーム等の市場を総括的に数字や流れでみることができてとても勉強になりました。大変ありがとうございました。」「とても面白いテーマで、Bilibiliで最新の中国作動画を知ることができたことも嬉しく思いました。」「資料に書かれている数値に対して懐疑的なことまで説明があり、とてもためになる勉強会となりました。中国と日本の生成AIとの向き合い方について、ここまで違うとは思いませんでした。」等のお声をいただき、特別講演会は成功裏に終了しました。