ニュース
2022年10月のニュース
2022.10.25
Dr. Philip Atherton先生による集中講義
2022年7月22日から5日間、英国ノッティンガム大学の教授であるPhilip Atherton先生にBKCキャンパスにお越し頂き、「運動生理学」の夏期集中講義を実施して頂きました。
講義内容は骨格筋の構造からエネルギー代謝、筋肥大・萎縮に関わる遺伝子多型など幅広く、最新の科学的エビデンスを取り入れた講義が展開されました。専門性の高い講義でありながらも、人文社会系の大学院生でも理解できるように基礎的な概念にもたっぷりと時間を使っての講義とディスカッションが繰り広げられました。
全て英語での授業であったにも関わらず、参加した博士課程前期課程の大学院生はとても熱心に課題に取り組んだり、ディスカッションに積極的に参加し、活気の感じられる集中講義となりました。
2022.10.25
本研究科博士課程前期課程1回生松村哲平さんの研究が「Medicine & Science in Sports & Exercise」に原著論文として掲載されることが決定しました。
スポーツ健康科学研究科博士課程前期課程1回生松村哲平さんがスポーツ健康科学部 教授 橋本健志先生、同教授 篠原靖司先生、同助教 塚本敏人先生、日本体育大学体育学部 准教授 大塚光雄先生、スポーツ健康科学研究科修了生 杉本岳史さん、同卒業生(現米国パデュー大学博士課程1回生)友尾圭吾さんと共同で取り組まれた研究論文「Acute effect of caffeine supplementation on 100-m sprint running performance: A field test」が、「Medicine & Science in Sports & Exercise」に原著論文として掲載されることが決定しました。
コーヒーやエナジードリンクなどに含まれるカフェインは、摂取することで筋力や持久力などのさまざまな運動パフォーマンスを一時的に向上させることが分かっています。陸上競技においてもカフェインの需要は高く、世界陸連(旧国際陸上競技連盟)も2019年に発表した陸上競技における栄養摂取のコンセンサス(Burke et al. 2019; Slater et al. 2019)において、短距離走(60 mから400 mまでのトラック種目)に対するカフェインの有効性を示唆しています。しかし、これらを裏付ける証拠としての研究は、球技に焦点を当てたものが多く、陸上競技の短距離走に対するカフェインの有効性を直接的に示す知見はありませんでした。
そこで本研究では、100 m走に対するカフェインの急性効果を、実際のフィールドテストにて明らかにしました。その結果、疾走パフォーマンスに影響する環境要因(風など)を補正した疾走タイムが、カフェインの摂取により0.14秒短縮することが明らかとなりました。さらに、この疾走タイムの向上が、スタート直後の爆発的な加速に起因することが示唆されました。本研究は、100 m走に対するカフェインの有効性を直接的に示した初の知見となります。
2022.10.04
テキサス大学 石澤 里枝 先生によるサロン・ド・アプレミディが開催されました。
2022年9月28日の16:20から、テキサス大学 石澤 里枝 先生によるサロン・ド・アプレミディが開催されました。タイトルは「骨格筋の求心性神経におけるメカノチャネルPiezo1の役割」です。
運動時における循環調節には、骨格筋からの反射経路である運動昇圧反射が重要な役割を担っています。この反射は、骨格筋に局在する求心性神経が代謝的(筋代謝受容器反射)および機械的(筋機械受容器反射)な変化を循環中枢へ伝達し、交感神経を賦活するシステムです。先生らの研究グループは骨格筋の求心性神経に局在する温度感受性Transient Receptor Potential Vanilloid 1(TRPV1)チャネルが筋代謝受容器反射のメディエーターとして機能することを報告されていますが、筋機械受容器反射に関与する機械感受性チャネルについては未だ不明な点が多いのが現状です。
また、昨年、上記のTRPV1と同じくノーベル賞受賞の対象となったPiezoチャネルにも注目が集まっており、先生らの研究グループでも、骨格筋の求心性神経におけるPiezoチャネルの局在ならびにその機能ついて検討しておられます。
本セミナーではラット神経-骨格筋標本を用いたシングルユニット神経活動記録から得られた知見を紹介しながら、運動時における循環調節因子としてのPiezoチャネルの新しい可能性についてご発表いただきました。
特に、2型糖尿病などの疾患における運動時の循環調節機構の減弱化と上記のTRPVやPiezoチャネルとの関係性について、大変興味深い知見をご紹介いただきました。
教員や大学院生のみならず、学部生からも参加者がありましたが、多くの未発表データを含む、最新の知見をご紹介いただき、参加者は大変刺激を受け、有意義な会となりました。
石澤先生、大変貴重なご講演をありがとうございました。
2022.10.03
2022/10/6(木)~博士課程前期課程および博士課程後期課程入学試験(11月入試)の出願を開始します
試験日 :2022年11月12日(土)
出願開始:2022年10月6日(木)~2022年10月20日(木)
※出願は「Ritsu-Mate」を登録の上、出願書類の提出(郵送のみ)が必要です。
