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立命館大学実践教育学会 第9回研究大会 実施報告
― 学級経営が支える学びの世界:共に創り上げる学びの協働コミュニティ ―
2025年10月26日(日)、立命館大学朱雀キャンパスにおいて、立命館大学実践教育学会第9回研究大会が開催されました。本学会は、教職研究科の教員・院生・修了生を中心に組織され、理論と実践を往還させながら教育の質的向上を目指す活動を行っています。当日は、対面およびオンラインをあわせて130名を超える参加者があり、活発な議論と交流が行われました。今回のテーマは「学級経営が支える学びの世界」。不登校やいじめ問題など、教育現場が直面する課題に対し、児童生徒の自治的な力を育む学級づくりの意義を理論・実践の双方から探究しました。
第1部 実践報告会
第1部では、教職研究科修了生である末廣純成先生(滋賀県竜王町立竜王中学校)と北山智己先生(京都府立嵯峨野高等学校)が登壇されました。末廣先生は「多様な個が光る学級経営-生徒の可能性を引き出す価値付けを通して-」と題して、生徒同士の関係性づくりを中心に実践を報告。北山先生は「古文が『自分ごと』になる授業を目指して-国語科言語活動×探究でつくる-」をテーマに、教科横断的な授業づくりを紹介しました。
参加者からは、
「具体的な事例に基づくお話が非常に勉強になった」
「先生から生徒へという関係から、生徒同士で学び合う仕組みへの変化を理解できた」
「理論と実践の往還を意識した報告で、深い学びにつながった」
といった感想が寄せられ、教育現場に即した実践報告に多くの共感が集まりました。
第2部 講演会
第2部では、上越教育大学教授・赤坂真二先生を講師に迎え、「学級経営が支える学びの世界:自治と安心を基盤とした学びの協働コミュニティ」と題して講演が行われました。赤坂先生は、心理的安全性を基盤とした学級づくりの重要性を指摘し、非認知能力を支える「信頼できる他者」との関係性や、クラス会議 の教育的効果について多面的に解説されました。
参加者からは、
「どんな立派な指導案でも、学級経営が機能していなければ教育効果は薄れる」
「自治的な学級づくりの実践に理論的裏付けを得られた」
「赤坂先生の豊富な知識と経験に基づくお話が圧巻だった」
といった声が多く寄せられました。
第3部 シンポジウム
第3部では、「共に創り上げる学びの協働コミュニティ」をテーマに、現職教員・修了生・大学教員によるシンポジウムが開催されました。登壇者には、長澤香澄先生(京都市立梅津小学校)、谷村正一郎先生(香美市立山田小学校)、そしてコーディネーターとして荒木寿友教授(立命館大学教職研究科)が参加し、赤坂先生がコメンテーターを務めました。
それぞれの発表では、児童生徒が安心して学び合う学級づくりや、学校組織における若手とベテランの連携 を通じた学びの展開など、現場の工夫が紹介されました。
参加者からは、
「理論を実践にどう生かすかを考える良い機会になった」
「現職の先生方のご実践に感銘を受けた」
「大学院での学びを現場で再現するヒントを得た」
などの感想が寄せられました。
本研究大会は、理論と実践を往還するという教職研究科の理念を体現する貴重な機会となりました。登壇された先生方の誠実な実践、そして参加者一人ひとりの真摯な学びの姿勢により、教育現場の新たな可能性を共有する場となりました。教職研究科および実践教育学会では、今後も教育実践の質的向上と学びの共同体形成を目指し、研究と対話を重ねてまいります。
