将来は途上国の教育推進に携わりたい。国際関係学部で育んだ目標、尊敬できる仲間にも出会えた。

内田有咲 さん
国際関係学部 3回生

大学内のフードバンク運営やフィリピンでのボランティアなど、学内外で精力的に活動する内田さん。国際関係学部での学びと成長、将来の目標についてお話を伺いました。

立命館大学 国際関係学部を志望した理由や入学前に学ぼうと思っていたことを教えてください。

内田以前から世界の子どもたちの貧困や飢餓、ユニセフなどの国際機関に興味があったので、そのような問題を扱える国際関係学に関心を持ちました。さらに立命館大学の国際関係学専攻では、2回生からプログラム選択があることからもわかるように、国際関係学の中でも自分の興味・関心に即した内容を追求できる点に魅力を感じました。また、将来海外で働くことを視野に入れていて英語力を伸ばしたかったので、英語で国際関係学を学べるグローバル・スタディーズ専攻が私には最適だと思い、志望しました。

国際関係学部ではどのようなことを学びましたか。

内田国際関係学における理論や概要から、世界の各地域における状況、SDGs、国際機関や国がどう機能するかまで幅広く学んでいます。2回生になってからはアフリカ研究、国際協力論、Advanced Topics in Area Studies、Global Simulation Gaming、Global Studies Seminar、Development Studiesやその他多くの授業を受講しました。また、外国語副専攻プログラムを専攻し、1年次に履修したフランス語の学びをさらに深めています。

特に強く印象に残っているのは2回生時のGlobal Simulation Gaming(GSG)です。私は国際機関の中でもユニセフ、特に途上国における子どもの教育に最も関心があったのですが、ありがたいことにGSGでは、ユニセフの“Director for Education and Adolescent Development Program”というこれ以上なく理想的な役職を担当することができました。授業では、現場を知る元国連職員の先生のもと、国際機関の立ち位置から、国際機関として必ず考慮しなければならない要素、非効率的な取り組みと効率的な取り組み、各国政府との交渉において押さえるべきポイントまでご教授いただきました。ユニセフとして何ができるのかプログラムを考える際に、様々な記事を読んで世界における現状、既に実施されている取り組みやその課題点を深く理解できたのも大きな学びであったと思っています。GSGでは最終的に、他の国際機関と連携して教員トレーニングや教材支援のプログラムを提案し、多くの国々と合意に達することができました。

国際関係学部に入学して2年が経ちましたが、ご自身で「成長した」と感じることはありますか。

内田1年次から多くの授業を受講してきたことで、最近ではそれぞれの授業で習った内容の繋がりをよく感じるようになりました。同じ地域について別の視点から議論をしたり、これまでの授業で習った理論を当てはめたり、以前勉強した内容が別の授業において背景知識として役立つことで、より深く包括的な理解が可能になっています。少しずつですが、本や動画、授業で触れる説明や意見を鵜呑みにするのではなく、自分の理解と照らし合わせて疑問を持ち、批判的に捉えられるようにもなってきました。また、それらの知識と英語力の向上に支えられて、授業中の発言も以前より積極的にできるようになったと感じます。

入学前は国際関係学部の授業のみに関心がありましたが、入学後は多くの尊敬できる素敵な仲間に出会い、授業で扱う勉強内容を超えた様々な学びがあったと感じています。彼らの将来の目標、物事に向き合う姿勢、社会問題についての豊富な知識、異なる価値観の受容力などに触れて、人として成長させられています。大学が知識を身につける場であることはもちろんですが、自分が求めればさまざまな形でそれ以上の学びが得られる場でもあると今は思います。

学部以外で取り組んでいることについて教えてください。

内田「Ritsumeikan Food Bank」という学生団体の中心メンバーの一人として2年間活動させていただきました。衣笠キャンパスで食料に不安のある学生を対象に食料配布などを行っている団体です。団体が設立されて間もない頃に入ったので、初めは何をするにも手探りで苦労しましたが、その分得たものは大きかったと感じています。より効率的に物事を進め、一部の人に負担が偏らないためにはどうすればいいのか工夫をし、話し合いを重ねて体制を変化させてきたことで、最初の頃と比べるとだいぶ運営が楽になりました。私は高校生まではリーダーとして活動した経験がゼロに等しかったのですが、この団体でメンバーを率いる立場になったことで、声掛けの仕方や仕事の割り振り、聞き手を惹きつける発表などあらゆる場面で使えるスキルについて考える機会も増えました。このように明確なシステムのない中で一から何かを創り出す経験や対人スキルは他の場面でも役に立っていると感じるほか、今後の人生においても活きてくるだろうと思います。現在はその活動から派生してできた学生研究グループ「Food Access & Insecurity Research」で、大学生の食料不安や栄養意識について研究をしています。立命館の生活協同組合や父母教育後援会事務局にインタビューを行い、大学の取り組みや学生の福祉についてお話しさせていただきました。Beyond Borders Plaza でのイベント開催や研究結果発表に向けても準備を進めているところです。

将来の目標を聞かせてください。また、それを実現するために努力していることがあれば、教えてください。

内田途上国における深刻な貧困や派生する問題を軽減するための手段として、子どもの教育の推進に携わりたいと思っています。昨年の夏休みには、国連職員を目指す学生を対象にした講座に参加し、国際機関人事センターの方や元国連職員の方々から数日間にわたって実践的なお話を聞いたり、似た目標を持つ仲間と議論したりしました。本やインターネットには載っていないような詳細かつ経験談を含んだ生の声を聴き、それに対して質問をすることで、世界に存在する問題の根深さや複雑さを認識すると同時に、国際機関で働くイメージが具体化されて、将来を考える上でとても参考になりました。そのほか、ニュース記事やビデオを通して世界で起きていることをできる限り中立の立場で正確に把握し、それに対して自分の意見を持つことを大切にしています。

2023年の春休みには、フィリピンのいわゆる「スラム街」と呼ばれる場所に行ってNGOで働く方に話を聞いたり、現地の児童養護施設でボランティアをしたりしました。全体の中の一部ではありますが、一国の中の貧富の差やその他の課題を肌で感じるとともに、自分の適性やどのような方法で国際協力に携わりたいかを探るよい機会になったと思います。語学力の向上に関してはフランス語を第二外国語として専攻しており、英語は常日頃から使用していますが、意識的にアウトプットの機会を設け、資格取得に必要な勉強などを進めています。今学期は「プロフェッショナル・ワークショップ」という国際社会での活躍を目指す学生向けの授業も受講し始めました。今後は海外の大学院への進学、国連やJICAでのインターン、ボランティアなども視野に入れていきたいと思っています。

国際関係学部を志望する受験生に対してメッセージをお願いします。

内田国際関係学部には、自分の関心が向くトピックを見つけて授業内外での追求を可能にする環境が整っています。人と人との繋がりや様々なプログラムを活かす、もしくは生み出すことで、一人一人あらゆる形で充実した学生生活を送ることができる場所だと感じています。国際関係学部の冊子やホームページの紹介内容にピンときた方、具体的に何をしたいかは決まっていないけれどワクワクした方、心惹かれた方にはきっと向いていると思います! ぜひ息抜きも忘れず、心と体を大切に受験勉強に取り組んでください。応援しています。

2024年5月更新

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