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2024.10.10

南山大学との合同ゼミ実施しました。

 2024年9月28日・29日の2日間、本専攻の宮内肇ゼミ、南山大学外国語学部(名古屋市)の宮原佳昭先生ゼミの学生による「合同ゼミ」を実施しました。
 この「合同ゼミ」は、今学期に卒業論文を執筆する予定の学生が、みずからの卒論構成を発表することで、その方向性などについて考える機会とすることを目的としています。2日間で23篇のさまざまなテーマの発表があり(下記参照)、日頃とは異なる雰囲気のなかで、自身の考えを聞き手に対して正確に理解してもらうことは、卒論を執筆するうえにおいても貴重な体験になりました。
 この経験をふまえて、納得のいく卒業論文を執筆してほしいと思います。

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【当日の雰囲気】
<参加学生の感想>
■ 卒論構想発表会では、自分のテーマ、その背景や構成について発表することで、研究の方向性を再確認することができました。先生方からのフィードバックを通じて、研究の方向性を明確に定めることが重要であると感じました(Iさん)。
■ 合同ゼミの中での発表において、卒業論文を執筆するうえで、さらに理解を深め調べていく点が明確になった。また、他大学の学生たちに発表を聞いてもらうなかで、これから自分が執筆する卒論を、もともとも背景知識がない人に読んでもらう際の読者側の視点に立って書こうという意識が芽生えた(Sさん)。
■ 一人で進めているとどうしても視野が狭くなり見えづらくなっている部分に気づかせてもらうことのできる良い機会だった。…自分がなぜその研究を始めたのか原点に立ち返りたい。そして、楽しみながら進めていきたい(Aさん)。
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【2日間のゼミを終えて】
<報告テーマ>
【第1セクション】
 「台湾の実験教育について」
 「民工子弟学校から見る農民工の教育意識」
 「香港における歴史的建造物の役割――姿を変える美荷楼」
 「香港の選挙制度の特質」

【第2セクション】
 「韓国と台湾のフライドチキンと日本のKFCの歴史と比較」
 「外国人介護労働者が選ぶ国の条件――日本、台湾、韓国の政策と待遇の比較」
 「日本・韓国百貨店のこれから」
 「中国浙江省と愛知県西尾市の抹茶の比較・分析」

【第3セクション】
 「アジアで流行するファッションテイスト『コア』――『バレエコア』に着目して」
 「中国における外来語の変化――音借用から意訳語」
 「ガイドブックとSNSの旅行口コミサイトの違いからみる日本・東京のイメージ形成」
 「『82年生まれ、キムジヨン』と『僕の狂ったフェミ彼女』比較」

【第4セクション】
 「リスク回避から見る寧波幇買辦の特徴――怡和洋行上海支店買弁徐鴻逵の保証ネットワーク」
 「中国招商局集団の歴史と日本の海運事業の歴史、そしてとくに現代における名古屋港との関連性についての分析」
 「蔣介石の思想――カイロ会談における日本への対応を通じて」

【第5セクション】
 「アジアで愛されるハローキティ」
 「山寨における中国人の意識」
 「アニメ『時光代理人――LINK CLICK』から見る、映画監督・李豪凌の特徴」

【第6セクション】
 「アジアゾウの危機を救う――雲南省の活動を中心に」
 「中国民法から見る伝統の受容と現代化」
 「火鍋から見る台湾人独自の価値観」
 「中国のファン団体である『中華バー』が韓国芸能事務所に与える影響力」

2024.09.24

「東アジア現地実習(韓国)」でソウルに行ってきました

 海外実習科目「東アジア現地実習(韓国)では、韓国の名門大学高麗大学校韓国語教育センターでの2週間にわたる短期留学(語学研修・文化体験)と、ソウル近郊でのグループ別フィールドワークを行っています。韓国語の実力を向上させ、現地の人びとと直接触れ合うことで現代韓国に関する知的好奇心を高めることを目的としています。
 2023年に3年ぶりに実施できましたが、2024年度も22名の学生が参加して、楽しくかつ充実した学びを得られました。
 入学式終了直後に求められた、いきなりの自己紹介に戸惑いながらも、韓国語で頑張ってもしっかりと答えて、2週間の授業後にはしっかりと受け答えできるようになっていました。

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<授業の風景>

 螺鈿キーホルダーやハングルカリグラフィーを用いたポーチ作りなどは初めての体験でしたが、出来上がった作品はどれもこれもすばらしい出来で、想い出を振り替えられるいい記念品になりました。また、土曜日を利用した国立中央博物館見学では、韓国の至宝の数々に出会い、歴史や当時の人びとの生活に思いを馳せる時間となりました。

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<ハングルカリグラフィーを作る受講生(左図)、受講生が作成した螺鈿キーホルダー(右図)>

 そのほか、2周目の午後には、グループでテーマを設定したフィールドワークでソウルや近郊都市のあちこちを回りました。日韓関係、伝統カフェとリノベーション、美容事情、チェーン店比較などなど、現代韓国社会の多様な在り方を調査しました。
 日本ではわからなかった現地の様子をじかに観察・調査することで、今後の学びの礎を築きました。

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<国立中央博物館での記念撮影(左図)、修了式(右図)>

 数十年ぶりといわれたソウルの夏。最後は台風による帰国遅延も危ぶまれましたが、無事に関西空港に到着し、参加学生たちは暑かったソウルでの日々の余韻に浸りつつ、帰宅の途につきました。

 なお、活動記録もご覧下さい。

 同時期に実施した「韓国イニシエーション実習」および「東アジア現地実習(中国)」の活動についてもご覧下さい。

2024.09.24

「韓国イニシエーション実習」を実施しました。

 「韓国イニシエーション実習」は、はじめて韓国を訪れる方を主な対象とする、実習授業です。2024年度実習では、ソウルを中心とした首都圏、および釜山を訪れました。
 朝鮮王朝の王宮である景福宮や、2022年まで大統領府の置かれていた青瓦台では、これまで教科書で学んできた場所や風景に身近で触れることができました。韓国の学生が詳しく説明してくれたおかげで、理解もより深まりました。
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<青瓦台(左・中図)と朝鮮王朝の王宮・景福宮(右図)>

 また、これまでも受講生からのリクエストが多かったという、DMZ(非武装地帯)にも訪れました。朝鮮半島の分断の歴史や現状について考える機会を得ることができました。
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<DMZでの記念撮影(左図)、現地での食事(中・右図)>

 この他、受講生自身がテーマを設定し、フィールドワークを行ないました。韓国の市場やコンビニエンスストア、方言などについて、現地で直接見たり聞いたりしながら調査を進めました。合間には、現地の食も楽しみました。

  同時期に実施した「東アジア現地実習(中国)」および「東アジア現地実習(韓国)」の活動についてもご覧下さい。

2024.09.21

中国での現地実習を4年ぶりに実施しました。

 東アジア研究学域が開講している海外実習科目「東アジア現地実習」を4年ぶりに実施しました。
 ここでは、中国での実習科目である「東アジア現地実習(中国)」の模様を紹介します。

 「東アジア現地実習(中国)」は、中国の大学での短期留学と農村および都市でのフィールドワーク・巡見を通じて、学生自身の中国に対する意識を高め、自身の視座にもとづく中国理解を目指した海外実習です。
 受講生の広西師範大学での学びの様子は、記録動画をご覧下さい。

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 受講生は、広西師範大学での学びを終えた後に、三江県程陽村へ移動し、5日間のフィールドワークを実施しました。
 この程陽村は、中国の少数民族のひとつであるトン族の人々が生活している農村です。
 トン族は、中国西南(貴州・湖北・湖南・広西の4省にまたがる)地域に居住していますが、実習を行った「三江トン族」は、その最南の山村に居住する人々です。

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<受講生が滞在した三江県程陽村>

 稲作を主とする農業をいとなみ、とくにもち米を食することが特徴とされます。林業や漁労(淡水魚)、魚の養殖、あるいは茶葉栽培や酒造りなども盛んです。また、鼓楼や風雨橋などに象徴されるように、優れた建築技術は、多くの観光客を魅了し続けています。
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<トン族の集いの場である鼓楼(左図)と風雨橋(右図)>
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<伝統儀礼の演出を待つトン族の人々(左図)、漁をする男性(中図)、藍染の布を打つ女性(左図)>

 受講生は、渡航前に各自がトン族の生活や文化について調べ、自身の現地での調査テーマを考えました。そのうえで、実際に程陽村にて、そこに暮らす人々から話を聞いたり、周辺の集落や町での観察を通じて、フィールワークを実践しました。

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<茶葉販売店での聞き取り調査(左図)、山歩きで地形を観察(中図)、周辺の集落への巡見>

(実習期間:2024年8月7日~9月3日)

 同時期に実施した「韓国イニシエーション実習」および「東アジア現地実習(韓国)」の活動についてもご覧下さい。

2023.07.07

南山大学・常葉大学との合同ゼミナールを実施しました

 2023年7月1日・2日の2日間、本専攻の宮内肇ゼミ、南山大学外国語学部(名古屋市)の宮原佳昭先生ゼミ、また、常葉大学外国語学部(静岡市)の若松大祐先生の学生による「合同ゼミナール」を常葉大学にて実施しました。

 この「合同ゼミナール」は、3大学の学生が、2つの<グループワーク>を通じて、中国・東アジアを研究する視座や方法あるいは研究の意義について、実践的に考えることを目的にしたものです。
 
 ひとつめの<グループワーク>では、まず、学生が事前に読んだ課題図書について、いかに読んだのか、そして、どのようなことに興味・関心を持ったのかについての報告を行いました。そのうえで、次に、自分たちが中国・東アジアに対して、どのようなことに興味・関心があるのかについてのディスカッションを行いました。なお、課題図書は、斎藤淳子『シン・中国人――激変する社会と悩める若者たち』(ちくま新書、2023年)でした。

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【グループワークの様子】

 このディスカッションをふまえ、ふたつめの<グループワーク>では、もし自分たちが、中国・東アジアをフィールドに共同研究をするならば、どのような研究計画を立てるのかについて相談し、実際に研究計画を作成しました。研究計画を立てる際には、研究の意義、方法や実現可能性、予想できる結論などについて議論し、最後に、模造紙を用いて研究計画書を作成し、報告会を行いました。
 日頃のゼミとは異なる顔ぶれと良い緊張感のなかで、じっくりと研究とは何かを考える貴重な機会となりました。

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【研究計画書を作成する様子(左)研究計画書の報告会(右)】

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【合同ゼミナール参加者の記念撮影】

2023.03.13

本専修院生の絵画作品が関西水彩画展で入選しました

 本専修の小島夏海さんの作品「眠れる虎」が第79回関西水彩画展(関西水彩画会)にて入選しました。
 小島さんは、中国の民間絵画で、春節に家屋のなかや門口に飾られる「年画」の構図や技法が、中国共産党の宣伝画(例えば、文化大革命のポスター)に、いかなる影響を与えたのかを研究テーマとして、2022年度秋学期に修士論文「文革期宣伝画のなかで生きつづける新年画の技法」を提出されました。
 今回の小島さんの作品は、昨年の干支である「虎」を描きつつ、紅紙に書いた福の字を上下逆さまに貼った「倒福」や、縁起のよい魚(余と同音で豊かさを意味する)に子どもがまたがった「年画」を配置した構図です。タイトルの「眠れる虎」も、近代中国(清朝)に対する西洋諸国の呼称を想起させます。まさに、ご自身が取り組んだ中国の伝統「年画」の現代版作品として観賞できる興味深い作品です。
 おめでとうございます。これからも独創性のある作品を創作してほしいと思います。
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【小島夏海「眠れる虎」】

2022.12.18

上野隆三先生が還暦を迎えられました

本専攻・専修の上野隆三先生が今年の3月で還暦を迎えられました。
そこで、大学院の授業にてお祝いをしました。
これからも、お元気でご指導を賜りたいと存じます。
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【本専修の大学院生とともに】

2022.06.27

南山大学との合同ゼミナールを実施しました

 2022年6月25日(土)・26日(日)の2日間、本専攻の宮内肇ゼミナールの学生と、南山大学外国語学部アジア学科(名古屋市)の宮原佳昭先生のゼミナール学生さんとによる「合同ゼミナール」が開催されました。
 また、特別ゲストとして、常葉大学外国語学部グローバルコミュニケーション学科若松大祐先生にもご参加いただきました。
 この合同ゼミは、今年度で7度目の開催となりました。

 第1日目は、本学と南山大学をつなぐ二元中継のオンラインで、東アジアに関する「読書案内」と題する、参加者が関心を持っているテーマについての書籍を紹介し合いました。
 第2日目は、個々のオンライン形式で「卒業論文のテーマ設定トレーニング」と題して、みずからの興味・関心をどのように思考すれば、学術研究・卒業論文に結び付けることができるのかについて、グループで議論し、その議論の「過程」と各グループで考えた「卒業論文のテーマ」の報告会を行いました。

 両日ともオンラインの環境ではあったものの、和気あいあいとした雰囲気のなかで、白熱した議論が展開されました。この2日間の「学び」が、今後のゼミでの研究発表や卒業論文の執筆に活かされることを期待したいと思います。

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【合同ゼミナール参加者の集合写真(左)と様子(中)、『レジュメ集』表紙(右)】

第1日目の「読書案内」にて紹介された書籍
■ 第1部 東アジアの文化現象を考える
(司会:宮内肇 / コメンテーター:宮原佳昭)
  • 中島恵『中国人のお金の使い道――彼らはどれほどお金持ちになったのか』PHP新書、2021年1月。
  • 安田峰俊『中国人のリアル――恋愛事情から、お騒がせ大国を「ゆるく」論じてみた』ティー・オーエンタテインメント、2010年12月。   
  • 金成玟『K-POP――新感覚のメディア』岩波新書、2018年7月。   
  • 黄未来『TikTok――最強のSNSは中国から生まれる』ダイヤモンド社、2019年10月。   
■ 第2部 東アジアにおける「民族」を考える
(司会:宮原佳昭 / コメンテーター:宮内肇)
  • 王柯『多民族国家中国』岩波新書、2005年3月。   
  • 木村幹『韓国愛憎――激変する隣国と私の30年』中公新書、2022年1斯波義信『華僑』岩波新書、1995年3月。
■ 第3部 東アジアの若者はなにを抱えているのか
(司会:宮内肇 / コメンテーター:若松大祐・宮原佳昭)
  • 水野俊平『台湾の若者を知りたい』岩波ジュニア新書、2018年5月。
  • SEALDs『日本×香港×台湾――若者はあきらめない』太田出版、2016年6月。   
  • 阿古智子『貧者を喰らう国――中国格差社会からの警告(増補新版)』新潮社、2014年9月。   
■ 第4部 東アジアの国際関係の諸相
(司会:宮原佳昭 / コメンテーター:若松大祐・宮原佳昭)
  • 高嶋航『スポーツからみる東アジア史――分断と連帯の二〇世紀』岩波新書、2021年12月。
  • 益尾知佐子『中国の行動原理――国内潮流が決める国際関係』中公新書、2019年7月。
  • 菅野朋子『韓国エンタメはなぜ世界で成功したのか』文春新書、2022年1月。
  • 惠隆之介『沖縄が中国になる日』扶桑社、2013年3月。
  • ハウ=カロライン・白石隆『中国は東アジアをどう変えるか――21世紀の新地域システム』中公新書、2012年7月。

2021.09.14

『学生論集』に本専攻の卒業論文が掲載されました

 今年度の『学生論集』が公刊されました。
 これは、昨年度の文学部の各専攻から選ばれた優秀論文が掲載された論文集です。
 本専攻からは、上原佑香さんの「中国社会と老親扶養――社会保障政策と世代間関係の変容から見る」が掲載されました。
 上原さんは、中国政府は、高齢者介護の政策を推進しつつも、一方で、伝統的な家族内における相互扶助を奨励していることを先行研究と中国現地の新聞を多用しながら分析し、中国社会における高齢者をめぐる政策と実態とのねじれを鋭く描き出しました。
 COVID-19による現地調査が困難な状況において、これだけ中国社会の実態を浮き彫りにした点が高く評価されました。
 ぜひとも、ご一読下さい。
 本書は、文学部事務室で受け取ることができます。
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<『学生論集』第27号、2021年9月>

2021.09.14

新しい<共同研究室>移転のお知らせ

 本専攻の共同研究室が、改修工事の終わった明学館の2階に移転しました。それにともない、新しく机を購入してより使いやすい研究室になりました。
 また、これを機に、これまで研究室で購入していた中国の新聞『北京青年報』・『南方週末』のバックナンバーを整理しました。
 秋学期(9月27日)はオンライン形式ではじまりますが、共同研究室を利用することはできますので、授業の予習や発表の準備にご利用下さい。
 OG・OBの方も、お近くにお越しの際には、ぜひとも新しい共研を訪ねてみて下さい。
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<新しくなった共同研究室(左) / 専攻で購入している『北京青年報』のバックナンバー(右)>