バッテリレス紫外線センサシステムを開発 ~人体が浴びる紫外線をバッテリレスでリアルタイムに検知可能~
立命館大学理工学部の道関隆国教授らの研究グループは、バッテリレスで太陽光の紫外線量を測定できるバッテリレス紫外線センサシステムを開発しました。本成果は、2021年11月4日(木)23時(日本時間)に電気・情報工学分野の学術研究が集まる国際学会「IEEE SENSORS 2021」で発表いたしました。
紫外線は、日焼けやシミなど人体への悪影響が懸念されますが、適度に浴びることでビタミンDの生成など健康効果が得られます。また、産業分野では照射や殺菌などに広く活用されており、用途次第でさまざまな効果が得られます。そこで有用な技術となるのが、紫外線量を検知するウェアラブルなバッテリレスセンサです。
従来の近距離無線通信(NFC)技術を用いたバッテリレス紫外線センサは、通信距離が10cm程度しかなく、紫外線量を計測するたびにスマートフォンをセンサに近づける必要がありました。そのため、リアルタイム性に乏しく、ハンズフリーで計測することができませんでした。
今回開発した技術は、1個の球状太陽電池とフォトダイオードを用いて、バッテリレスで紫外線量を計測し、計測データをBluetooth Low Energy(BLE)で送信できる極低電力センシング回路構成技術です。本技術により紫外線量をリアルタイムかつハンズフリーでセンシングすることが可能です。