現役学生5名が語る、最新の就活事情
新型コロナウイルス感染症の影響は、学生の就職活動にも変化をもたらしています。説明会・面接選考のオンライン化が進み、これまでの様相とは違った就職活動を、学生たちは歩んできました。
今回、就職活動を終えたキャリアセンター公認の「就活⽀援学⽣団体」ジュニア・アドバイザー(以下、JA)5人に、2021年の就職活動についてお話を伺いました。
- 座談会参加メンバー
堂元 渉さん(法学部4回生)
堤 光太朗さん(産業社会学部4回生)
日置 紘太さん(法学部4回生)
元廣 京輔さん(文学部4回生)
吉田 佳世さん(政策科学部4回生)※オンライン参加
オンライン化が進んだコロナ禍の就職活動
就職活動と一口に言っても、学生によって情報収集の仕方や先輩・友人等への相談、インターンシップへの参加有無などさまざまな点で違いがあります。コロナ禍においては、インターンシップや説明会のオンライン化が進んだことで、リアルで同じ業界・企業を志望する学生同士が情報交換する機会が少なく、「他の就活生の状況が分かりにくい」「自分の立ち位置が分かりにくい」と感じる学生が多かったと推察されました。
日置さん: 私は2回生の夏頃にキャリア教育センターが主催する協定型インターンシップに参加したことが就職活動を開始した時期です。読売新聞東京本社を訪問し、さまざまな社会人の方とお話しすることを通じて、社会人になるために必要な心構えを肌で感じ、就職活動への意識を高めました。
元廣さん: 私たちの代は、すでにコロナに対応する形で就職活動がはじまっていたので、企業や就活支援サイトが主催する説明会のほとんどがWEBでした。そのため、情報収集がしやすい一面もあったと思います。
吉田さん: オンラインということで、実際に企業の社員さんと直接話をする機会も少なく、就職活動をはじめた当初は、雰囲気やイメージがつかみにくく、不安になることもありました。
オンライン中心の採用選考。一度も対面で会わずに内定も
近年の就職活動は、説明会だけでなく採用選考もオンライン中心となっています。学生たちは業種や職種は違っていても、オンラインならではといえる様々なことを経験しています。
元廣さん: 私が志望していた業界がIT系だったこともあり、選考はすべてオンライン。内定式もオンラインだったので、社員の方々とはまだ一度も会っていません。
堂元さん: 私は証券業界を中心に志望していましたが、就職活動解禁となった6月以降、1次面接がオンラインで2次面接以降が対面というケースが多かったと思います。オンライン面接した次の日に対面での面談ということもありました。
堤さん:
留学をしていた関係で、2年生のときに、アメリカで行われたボストンキャリアフォーラムに参加しました。コロナの影響で、留学の途中で帰国することになりましたが、日本に帰ってきた2021年4月から本格的に就職活動をスタート。ちょうど、ボストンキャリアフォーラムの東京版もオンライン開催になっていたので、できる限り興味ある企業にエントリーしましたね。
印象に残っているのは、22卒向けのインターンと思ってエントリーしたが、実は21卒向けの本選考だったこと。結果的に、その会社の方が自分を面白いと評価していただき、そのまま選考が進み、3回生になったタイミングで1つ内定をいただきました。オンラインのメリットとしてたくさんの企業にアクセスできる一方で、間違えてエントリーした事例(失敗)ですが、結果的によかったです。
日置さん: 就職活動を進める中で感じたのは、どこからでも企業にアクセスできることです。地方の方々も現地にいかずに、首都圏や関西圏の企業が募集するインターンに応募することができるので、競争が激しくなった気がしました。これまで対面であれば、交通アクセスや時間の関係で参加できなかった方々がアクセスできるというフェアな環境が整ったことはメリットとして大きいと思います。
学生生活もオンライン中心。相談相手は人それぞれ
コロナの影響で、大学の授業もオンラインで行われる授業も多く、キャンパス内で友達と話をする機会が少なくなりました。その中で、学生たちはこれまで培ってきたつながりやキャリアセンターの企画を上手く活用しながら就活に取り組んできたといいます。
吉田さん: 私の場合は、キャリアセンターを利用させていただき、職員の方からのアドバイスや自分で企業のことを調べたりインターンシップに応募したりしながら情報収集しました。先輩方やOBOG訪問などはほとんどしませんでした。
堂元さん: 私の場合はOBOG訪問も20名以上、インターンも7社程度、さらにゼミの先輩へ相談したりしました。
日置さん: 私は、縦(先輩)とのつながりがあまり形成できていなかったので、結構苦労したと思います。インターンに複数日参加し、選考を通過している方とつながり意見交換・情報交換することで、裾野を広げてきました。
堤さん: 直近の就活情報は近い先輩(1、2個上)に聞き、企業視点の就活情報はOBOG訪問や面接の場で聞いて情報収集しました。学生から見たコロナ禍での就職活動と企業から見た就職活動を社会の動きと合わせて比較できたことは、プラスに働いたと思います。
キャリアセンターも積極的に活用するべき
自らの就職活動体験談をさまざまな角度から伝えてくれているJAのみなさん。それぞれ違いはあるものの、キャリアセンターを上手く活用していました。
堂元さん: キャリアセンターが主催する面接練習会は大変参考になりました。ある面接官役の企業様から「証券会社の志望理由を話してください」と問いかけられたとのですが、正直うまく言語化できなくて。ありがたいことに、その方とは1対1でトコトン自分の意志を言語化するところまでサポートいただくことができ、あの経験があるから、今があると思っています。
元廣さん: JAのオンライン企画ですね。それまでOBOG訪問などしてこなかったんですが、JA企画でOBOGの話を聞いて色々と知れたことで視野が広がりました。
日置さん: 私は、就職活動をはじめた頃は基本的にマスコミ業界しか見てなかったので、キャリアセンターのマスコミ関連企画に参加しました。特に、読売新聞社と連携した論作文講座、面接講座などで得た経験は、結果としてマスコミ業界に進むわけではありませんでしたが、就職活動を通じて役に立った企画でした。新聞記者の方は書くプロでもあり、ものを聞くプロなので、新聞記者の方から学んだ知識は、ESや面接選考の際に参考になりました。
吉田さん: ES添削はもちろん、小論文の指導もしていただきました。自分の実現したいことをいろんな角度から、アドバイスをいただくことができて、自分の成長にもつながったと思います。
自分らしい就職活動を目指して
最後に、就職活動を経験したJAの学生から、これから就職活動を控える学生へアドバイスをいただきました。
吉田さん: 無理し過ぎないこと。就職活動はうまくいく時期、いかない時期があります。私はゴールデンウイークあたりに悩んだ時期がありました。ですが、就職活動はご縁の部分もあるので、適度に休みながら気合を入れ直して、ありのままの自分を伝えることを意識してほしいと思います。
堤さん: 人脈作り。立命館大学の学生ですという身分だからこそ、いろんな業界、いろんな方々と人脈を作ることができます。その人脈は、必ず将来に生きると思います。
日置さん: 沼にはまらないこと。世間には、ハウツーみたいな話(自己分析はこしたらいい、企業研究はこうしたらいいとか)がたくさん出ていますが、就職活動を終えて振り返ると、就活の本質はそこではない。自分のオンリーワンを探すことを追求してほしいです。
元廣さん: 自分のやり方でやる。これしろあれしろ、あれがいいこれがいいなど、世の中情報はたくさんあるけど、私の場合はどれをとっても自分に合いませんでした。自分がどういう結果を求めているのかをイメージし、逆算して活動することで、まわりと比べることなく活動できると思います。
堂元さん: 自分の人生に当事者意識を持って行動しろ。人生の主人公は自分自身、どう動かすかは自分自身です。もちろん失敗したときは自分の責任、成功も自分の功績。自分の人生の当事者として未来を切り開いていってほしいです。
インタビュー:2021年11月12日