先端総合学術研究科 岸政彦教授の編著『東京の生活史』が第76回毎日出版文化賞を受賞
11月3日(木)、先端総合学術研究科 岸政彦教授の編著『東京の生活史』(筑摩書房、2021年)が第76回毎日出版文化賞 企画部門を受賞しました。
同賞は、敗戦から間もない1947年、日本の出版文化の向上を願って創設され、優れた著作物や出版活動を顕彰するものです。この度、計335点の中から4部門、計4作品が選出されました。
『東京の生活史』は、一般公募から選ばれた150人の「聞き手」が、東京に暮らす150人の語り手から1対1で生活史を聞き取り、その人生の物語を綴った原稿をまとめた、1200頁におよぶ大著です。このたび、その前例のない本づくりのプロセスが高く評価され、受賞に至りました。
岸政彦教授のコメント
このたび、伝統ある毎日出版文化賞をいただき、たいへん嬉しく思っています。私は、関西と沖縄を中心にして、25年にわたり、人びとの生活史を聞き取ってきました。私にとって生活史の語りは、単に調査研究のために用いる「データ」ではなく、それ自体でとても貴重な、価値のあるものです。『東京の生活史』では、150人の聞き手が聞いてきた膨大な語りを、編集も解説も一切なく、そのままの語りで並べました。そこに浮かび上がるのは、まさに「生きられた東京」の姿です。東京に続き、現在も沖縄と大阪で、同じ形でのプロジェクトが進行中です。これからも人びとの人生の語りを聞き取る仕事を続けていきたいと思います。