2016年6月、前・現 International Studies Association(ISA :国際関係学会)会長がそれぞれ立命館大学に滞在し、研究交流・特別講義を行いました。ISAは国際関係学の分野でもっとも大規模かつ権威ある国際学会であり、その前・現会長が同時期に大学において講義を行うのは、世界的に見ても極めて異例です。このことは、立命館大学国際関係研究科が、世界の国際関係分野の最先端の研究者とのネットワークを構築してきた成果といえるでしょう。

 前ISA会長のAmitav Acharya客員教授(アメリカン大学教授)は西欧・非西欧型の枠組みを越えた国際関係学の新たな枠組み、Global International Relations (IR)の提唱者で、国際関係学理論や、アジア太平洋の国際関係の第1人者であり、2013年度から立命館大学でも学生・大学院生を指導しています。

 現会長のT.V. Paul 客員教授(マギル大学政治学部教授)は、バラク=オバマ アメリカ大統領の2009年ノーベル平和賞受賞を称えるノーベル平和センターの展示に、著書の「The Tradition of Non-use of Nuclear Weapons」が選ばれるなど、核抑止や核軍縮をはじめとする国際安全保障分野や、アジア・南アジアの国際関係分野において著名な研究者であり、今年度、はじめて立命館大学で講義を行いました。

 今回の訪問では、両教授とも中国の台頭を受けた新たな国際秩序のあり方について講演をし、留学生を含む多くの参加者と白熱した議論となりました。また講義を通して、アジア・欧米各国および日本の大学院生に対して熱心に指導をされ、さらに、国際関係研究科の教員とGlobal IRという概念の精緻化や、その中で日本の大学、とりわけ立命館大学が果たしうる役割について意見交換するとともに、アジアの国際関係の展望、安全保障研究に関する共同研究の可能性についても議論を交わすなどといった研究交流を行いました。

 一連の授業、講演・研究交流は、 国際関係研究科(Research Training)とR-GIRO研究プロジェクト:オール立命館による学際統合型平和研究拠点(代表:本名純教授)が連携した、教育・研究の融合・実践例の一つでもあります。

 よりグローバル化した環境に直面する日本と世界。国際関係や安全保障の考え方も大きくかわりつつあります。この分野に関する研究は、今後の世界がその課題とどのように向き合っていくのかを考えるうえで必須の領域であるといえるでしょう。

 国際的な最先端の研究者の招聘や交流を通じて、国際関係学部・研究科の教育・研究はさらに発展していきます。

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