2024.08.09 TOPICS

FC今治高等学校里山校(学校法人今治明徳学園)と「探究学習と大学の学びとの接続に関わる共同研究会」 設立に関する協定締結~大学の高度な専門性とEdTech企業の最先端技術で、高校での探究学習を大学へつなぐ新たな高大連携プログラムを開発~

 8月9日(金)、ステーションコンファレンス東京(東京都千代田区)にて、立命館は、学校法人今治明徳学園FC今治高等学校里山校((愛媛県今治市、学園長:岡田武史、以下FC今治高校里山校))と「探究学習と大学の学びとの接続に関わる共同研究会」設立に関する会見を行い、探究学習で芽生えた問題意識や課題解決への意欲を、大学入試を経ても継続させ、卒業後は実際の社会活動にコミットしていくことを後押しする、新しい高大連携プログラムの構築および入試企画の開発を目指す計画を発表しました。

 社会環境が大きく変化する今、主体的に動き、イノベーションを起こすことのできる多様な人材が必要であるとされています。文部科学省もこの潮流を受け、小・中・高校教育における学習指導要領を改訂し、探究学習を導入しました。探究的な思考力と横断的・総合的な学習能力の育成を目指し、学生の主体的な学びを促進する取り組みが進んでいます。

 しかし、高校卒業後の学び、特に大学教育との接続は十分とは言えず、大学入試を経ても探究を継続しながら適切な学部でより専門性を深め、社会で活躍するための基盤を身に着けることは未だ課題となっています。そこで、今回、立命館とFC今治高校里山校は共同研究会を設立し、探究学習と大学の学びの接続に関する研究を進めます。相互の人的・知的資源を活かして連携を行うことにより、顕在化する社会課題、テーマに対して、大学の高度な専門性とEdTech企業の最先端技術で、高校での探究学習を大学へつなぐ新たな高大連携プログラムの開発を目指します。

 研究会はatama plus株式会社、株式会社Inspire Highにもご協力をいただきながら、多様な学習歴のマーケットおよび探究学習の実態をしっかり把握、研究し、AI教材を活用した「UNITE Program(※)」も活用しながら入試企画の開発を目指します。AIや学習データなどを活用した新しい学習スキームの開発に取り組むことで、社会に新たな価値を創出してまいります。

(※)UNITE Program
立命館がatama plus株式会社との共同研究において開発した、志望する各学部(・学科)での学びをより充実させるために特に重要な基礎学力を指定単元として設定し、AIを活用した学習教材で修得できるプログラム。学部によって要件は異なるが、高校等での学習成績に関わらず、指定単元を学習し、修得すれば、対象となる総合型選抜への出願要件を満たすことができる。

協定締結日

2024年8月9日

主な連携内容

(1)探究学習で培った課題解決能力や主体性を十分に活かせる高大連携プログラム・プログラム連動入試企画の開発
 探究による学びでは大きな問題意識を課題設定し、社会課題解決への使命感・モチベーション・意欲を醸成しながら、課題を解決していくためにどのような学びを展開する必要があるのかを考えます。そして、大学・学部の学びを理解し、学びに必要な基礎学力を身につけることができるような高大接続を検討します。16学部21研究科を持ち、入学者の50%以上を近畿圏外から受け入れている立命館大学、実践や実学中心の新しい教育を取り入れているFC今治高校里山校、さらに、最先端のテクノロジーを駆使したAI教材を開発するatama plus株式会社、探究的な学びを促進し、新学習指導要領に基づいた探究プログラムを全国の小学校・中学校・高等学校の授業に提供している株式会社Inspire Highのそれぞれの特徴や強みを活かし、高大連携プログラムや入試企画を開発します。

(2)研究内容社会的還元への協力
 探究学習をより発展させるような入試やプログラムを大学高校間で進められるような情報発信を行います。

(3)相互の人材交流
 生徒・学生間交流、教員(コーチ)間交流、探究学習支援として大学院生、研究者をFC今治高校里山校へ派遣などを検討します。

森島朋三 学校法人立命館 理事長のコメント

 立命館大学は、R2030中期計画において「次世代研究大学」を目指し、「イノベーション・創発性人材の育成」を掲げています。社会環境の急速な変化に対応する中、学生には自ら問いを設定し、前例にとらわれない解決策を具体的に立案・実行できる能力を育むことを目指しています。高大接続や大学入試においては常に先を見据え、新しい教育モデルを検討してきました。近年では、教科学習をICTなどで効率的に行い、特色ある探究活動に時間を割く高校が増えてきています。探究学習の経験を、大学生活においても継続し、社会活動にコミットしていくためには、高校と大学における探究の学びが密接に連携するプログラムを構築することが重要になってきます。本研究会は、高校と大学の接続や入試のあり方を変え、教育の価値転換につながる可能性を秘めています。今回の協定締結を契機に、FC今治高校里山校様とともに、日本の教育と社会に新たな価値を提供できるよう取り組んでまいります。

岡田武史 学校法人今治明徳学園 学園長のコメント

 FC今治高校里山校を立ち上げたのは、社会が大きく変化する中で、これからの時代に必要な人材を育成したいという強い思いがあったからです。主体性を持って自ら考え、行動し、そして周囲の人々と協力できるような「キャプテンシップ」を持った人材を育てるために、FC今治高校里山校では必修科目数を最適化。生徒一人ひとりが自分の興味関心に基づいて好きなことに時間を使い、没頭して深く探究できるようなカリキュラムを用意しています。また、地域企業やゲスト講師との連携も積極的に行い、実践的な学びの機会も多く提供しています。
 卒業後、生徒たちが自分の可能性を最大限に活かせるよう、進路は個々に決めてもらいたいと考えています。大学進学を希望する生徒もいるでしょう。その際、高校で培った探究心が大学でも評価され、さらに深められるような環境が重要だと考えています。今回の立命館大学様との連携により、高校での探究学習が大学でのより深い学びへと切れ目なく繋がっていく、新たなアプローチを模索していきたいと思っています。そして、この取り組みが、日本の教育のあり方を変える一石となることを願っています。

   
左から森島朋三理事長、学校法人今治明徳学園 岡田武史学園長
   
左から伊坂忠夫副総長、森島朋三理事長、岡田武史学園長、FC今治高等学校里山校 辻正太校長

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