文学部 東山篤規教授が「イグノーベル賞 知覚賞」を受賞
文学部の東山篤規教授が、「光学的・身体的変換視野の効果(股のぞき効果)」に関する研究で、第26回イグノーベル賞知覚賞を受賞されました。なお、本研究は大阪大学人間科学研究科の足立浩平教授との共同研究によるものです。
イグノーベル賞は、人々を笑わせ、そして考えさせる業績を称える賞です。同賞は並外れたものを祝福し、想像力を賞賛し、人々の科学、機械、テクノロジーへの関心を刺激するために制定されました。今年で26回目を迎えており、9月23日(金)午前7時(現地時刻9月22日18時)にハーバード大学で発表がありました。なお、日本人の受賞は10年連続となります。
東山教授は「触覚と痛み」と「空間知覚」を研究テーマに、人間の感覚・知覚に関する研究を行ってきました。今回の受賞は、「股のぞき」によって視野と上体を逆さまにすると、視野が平面的に見え、とくに遠くの物が小さく接近して見えるという現象の解明が対象となっています。この現象の代表的な事例として、京都府の『天の橋立』で砂嘴(さし)を股のぞきしてみると、砂嘴が橋のように空にかかっているように見えることが挙げられます。実験によって、これは網膜像の上下ではなく上体の上下の逆転が原因で視覚世界が変化することによって生じることがわかりました。
<東山教授のコメント>
今回の受賞を通じて、アメリカの学問の懐の深さを感じました。こういう浮世離れの感がする研究を真剣に取り上げ、評価してくれたことをうれしく思います。若い学生・研究者は、誰もしないこと、自分が面白いと思うことを研究してほしい。そして、この賞が、そうした研究の励みになることを願っています。また、今回の受賞を通じて、研究成果を英語で海外に発信する重要性を再認識しました。