理工学部・小林 大造教授、薬学部・林嘉宏教授が、創発的研究支援事業における2024年度新規研究課題に採択
理工学部・小林 大造教授、薬学部・林嘉宏教授の2名が、科学技術振興機構(JST)創発的研究支援事業における2024年度新規研究課題に採択されました。
2024年度研究提案の募集を行った結果、2,262件の応募があり、書類選考と面接選考を経て、今回、立命館大学より、理工学部 小林 大造教授「ピエゾフォトトロニクスを用いた人工シナプス機能の創成」、薬学部 林嘉宏教授「疾患特異的単球の同定に基づくサルコペニア発症機構の解明」の研究課題が採択され、長期的に支援されます。
理工学部・小林 大造教授のコメント
研究概要
高効率で低消費電力な信号処理システムである網膜と脳の仕組みをハードウエアで再現する研究が注目されています。本研究では「曲げやひずみにより光発電性能が増減する性質」および「光を繰り返し与える毎に光発電性能が高まる性質」を併せ持つフレキシブルな薄膜太陽電池を応用して、神経細胞同士の情報伝達の架け橋である「シナプス」の機能を再現します。光、ひずみや力といった刺激から学習できる柔らかい人工シナプスに挑戦します。
コメント
創発的研究支援事業に採択頂き大変嬉しく思います。いつも共に創意工夫し、研究に取り組んでくれている研究室の学生たちや、日頃よりご支援ご協力を頂いている皆様に感謝しています。はじまったばかりの研究ですが本事業を通して学生と共に自らも学ばせて頂き、様々な研究者と連携しながら、研究の種から大きな花を咲かせられるように全力で取り組みます。


薬学部・林嘉宏教授のコメント
研究概要
加齢性サルコペニアは、老化に伴う筋量減少および筋力低下を特徴とする病態です。老化により生体内で生じる慢性炎症環境の関与が示唆されていますが、その発症機序はよくわかっていません。本研究では、サルコペニア発症に深くかかわる免疫細胞集団を特定し、その機能や誘導機序を解明することで、サルコペニア病態の基盤的理解をめざします。これにより、将来的な予防法や新規治療法の開発につながる成果が期待されます。
コメント
このたび創発的研究支援事業に採択いただき大変光栄に思います。老化に伴うサルコペニアという社会的課題に対し、免疫細胞の働きに注目して挑む本研究は、未知への挑戦でもあります。支えてくださる皆さま、恵まれた研究環境に感謝しつつ、健康寿命の延伸につながる成果を目指して全力で取り組んでまいります。


創発的研究支援事業について
創発的研究支援事業は、特定の課題や短期目標を設定せず、多様性と融合によって破壊的イノベーションにつながるシーズの創出を目指す「創発的研究」を推進するため、既存の枠組みにとらわれない自由で挑戦的・融合的な多様な研究を、研究者が研究に専念できる環境を確保しつつ原則7年間(途中ステージゲート審査を挟む、最大10年間)にわたり長期的に支援します。
採択後は研究者の裁量を最大限に確保し、各研究者が所属する大学等の研究機関支援の下で、創発的研究の遂行にふさわしい適切な研究環境が確保されることを目指します。また、創発的研究を促進するため、個人研究者のメンタリング等を行うプログラムオフィサー(以下、「創発PO」)の下、個人研究者の能力や発想を組み合わせる「創発の場」を設けることで、創造的・融合的な成果に結びつける取組を推進します。また別途、柔軟な研究中断とそれに伴う延長制度や、研究環境改善のための追加的な支援も計画しており、優れた人材の意欲と研究時間を最大化し、破壊的イノベーションにつながるシーズの創出を目指します。