グランフロント大阪内にある「The Labアクティブラボ立命館ブース」において、3月1日より立命館大学日本バイオ炭研究センターの展示がスタートしました。
 今回の展示では、立命館大学大阪いばらきキャンパス内に2022年11月17日に開設した、「立命館大学日本バイオ炭研究センター」の紹介として、バイオ炭の活用による温暖化防止などの有効性および、その農地施行の事例、社会実装を進めているカーボンマイナス・エコシステムを実物と映像を用いてバイオ炭の世界を体感できる展示をしています。

立命館大学日本バイオ炭研究センター所属研究員からのコメント

研究センター長
OIC総合研究機構 柴田晃客員教授

2022年末、立命館大学の大阪茨木キャンパスにおいて、日本における唯一の実質的なバイオ炭専門研究拠点として、「日本バイオ炭研究センター」が開設されました。当センターでは、IPCCで承認された二酸化炭素除去方法であるバイオ炭による炭素隔離方法(いわゆるCCS:Carbon Capture & Storage)を通じて、国内外の研究者とともに、日本を代表するバイオ炭研究機関として、世界をリードするバイオ炭研究を進めております。
当センターでは、単なる研究ではなく、具体的なバイオ炭を使った社会実装つまり地域におけるゼロカーボンを目指した社会モデルを創成することを目標にしております。
この目標達成のためには、単に自然科学的なアプロ―チのみならず社会科学的なアプロ―チを必要としており、単一の視点からの研究ではなく、あらゆる観点からの研究者の集合・集積による融合型の研究が必要です。そのため、当センターは現在、学内外の農学・工学・心理学・経済学・経営学・社会学等の研究者が集まっており、日本におけるバイオ炭の智の集積拠点と言っても過言ではないと思っております。

副研究センター長
経営学部 依田祐一教授
政策科学部 中野勝行准教授  
 

バイオ炭には大きな可能性があります。第1に、地表上のCO2を直接、除去(Removal)することができる環境面の価値、第2に菌の棲み処となって土壌を改良する農業面の価値です。これまでの自然科学者らの尽力により、上記の2点が明らかになってきました。
現在は、経営学等の社会科学の知見を援用して、社会実装を強力に推進する局面にあります。具体的には、日本政府によるバイオ炭のJクレジット制度がはじまっています。また、将来、日本の地方における多様なバイオマス資源によるカーボンクレジットの創出を行い、国内外で環境価値として流通・展開させることができる可能性があります。そのためには、デジタル技術を駆使して、よりスピーディに、スケールさせることができると考えています。DX(デジタル・トランスフォーメーション)を梃子にGX(グリーントランスフォーメーション) を推進します。(経営学部 依田祐一教授)

2050年のカーボンニュートラルな社会実現へ向けて、残された時間はあと27年。多くの化石燃料を消費する現在の暮らし方、そしてそれを支える生産活動は、大きな変革が求められています。このような中、温室効果ガスの増加量を抑制する省エネなどの活動に加えて、大気中から温室効果ガスを削減させる『バイオ炭』という新たな方法が登場しました。バイオ炭の作り方から農地への施用に至るまでの一連の流れをご覧くださり、その農地で栽培された農作物が食卓に並ぶという将来の姿を想像して頂ければ幸いです。(政策科学部 中野勝行准教授)

(展示協力)
ピンスポットオーディオ:情報理工学部 音情報処理研究室 西浦 敬信教授
(展示演出)
政策科学部 3回生 北元柊人



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