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【SSH】シンガポールNational Junior Collegeにおいて共同科学研究研修を実施

2023年09月19日 高校
 7月31日~8月8日、本校の生徒(高校1年生1名、2年生4名、3年生1名)の計6名がシンガポールにある本校の提携校であるNational Junior College(NJC)で実施された研修に参加しました。NJCは長年本校主催のJSSFに参加しており、今年度の5月には両校のさらなる連携強化のために教育協定を結んでいます。これまでにも両校の生徒たちが協力して行う国際共同科学研究を実施していましたが、今回コロナ禍を経て4年ぶりの対面での企画となりました。

 参加生徒たちはNJCの生徒たちとともに以下のようなプログラムに参加しました。
7月31日 NJC到着
8月1日 シンガポール植物園研修、シンガポール国立大学(NUS)訪問、講義受講、施設見学
8月2日 開講式、学校見学、水リサイクル施設訪問・見学
8月3日 共同科学研究
8月4日 共同科学研究、クラブ活動体験
8月5日
 リフォード桟橋、マーライオン、ガーデンズ・バイ・ザ・ベイにおいて研修
8月6日
 ダウンタウン観光
8月7日 共同科学研究
8月8日 成果発表会
8月9日
 帰国

 国際共同科学研究の取り組みだけでなく、シンガポール国立大学(NUS)での講義受講や水リサイクル施設の訪問等、充実したプログラムを組んでいただき、充実した日々を過ごしました。シンガポールでは、下水を高度処理し再利用する計画が進められ、20年前から原水としての実用化が始まっているそうです。「NEWater」(ニューウォーター)と名付けられたこの水は、下水処理場で通常の処理が終了した水に、更に三段階の浄化処理を施し、 飲用可能な水準まで高度処理した再利用水だそうです。今回の研修で生徒たちは最先端の水リサイクル施設を訪れ、シンガポールにおいて天然資源が不足しているにもかかわらず純度の高い飲料水のニーズを満たしていることを学びました。また、シンガポール国立大学(NUS)を訪問し、科学研究と方法論に関する講義を受け、研究施設を見学させていただく機会も得ました。また、私営住宅と公営住宅の両方を見学し、シンガポールのコミュニティがどのように形成されているのか、その違いを目の当たりにすることもできました。生徒たちが今回の国際共同科学研究において持続可能な開発目標(SDGs)に合致する研究テーマを考え始めるための適切な考え方を身につけることに大いに役立ちました。

 また、NJCの生徒と一緒に楽しい時間も過ごしました。ボルダリング・クラブの生徒とともに学校のロッククライミングを経験したり、中国の伝統的な楽器を演奏したりしました。週末にはクリフォード桟橋へ行き、マーライオンやガーデンズ・バイ・ザ・ベイでの研修を行いました。ナショナル・デー・コンサートに参加したり、地元の料理を楽しんだりして異文化体験を広げました。

 最終日は共同科学研究プロジェクトの目標や今後の計画についてプレゼンテーションを行いました。NJCの理科の先生方から、研究の本格的な指導に向けて様々なフィードバックや提案をいただきました。今後、1つのチームは持続可能なコンクリートを作る環境に優しい方法に焦点を当てる研究を、もう1つのチームは、ワインの製造工程で発生するブドウの搾りかすをリサイクルし、その皮を使って日焼け止めを作成する研究を行う予定です。

 生徒たちは皆、英語力の向上と研究プロジェクトの成功に意欲を高めて帰国しました。12月にはシンガポールNJCの生徒たちが本校に来て研究を進めます。今回受けた温かいもてなしをお返しできることを心待ちにするとともに、それまでにシンガポールと日本でICTを活用し議論を進めながらそれぞれに実験を行っていく予定です。

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【参加生徒感想】

■科学の課題研究という一つの目標のために海外の高校生と会話するには、普段英語の授業で習う単語とは違う専門用語が沢山必要でしたが、一つの単語の意味がわかるとそれに関連した事も理解できるようになりました。自分が今まで学校の授業で学んだ知識と英語とを結びつける作業はとても楽しく、達成感がありました。私は講義などを受ける際は、必ず質問しようと決めていて、それを実際に実行する事が出来てよかったです。また、一緒に研究をしているシンガポールの友達と私の興味のある分野が似ていて、将来研究者として一緒に仕事ができたらいいね!という話もする事ができ、将来に向けてのネットワークも作ることが出来たと思います。

■今回実際に海外で研究の議論やプレゼンを行ってみてサイエンスと数学は世界共通なんだなと実感しました。英語で瞬時に理解をして、その場で自分の意見を伝えることはすごく難しかったし友達に助けてもらう場面もあったけれど、積極的に伝えることが出来るようになったかなと思います。私は今まで学校の英語の授業も理解するのに一苦労で毎回授業に対して怯えながら構えていたけれど、帰国してからは意見を伝えることやそもそも英語に慣れたのもあって授業がすごく楽しく受けられるようになりました。

■実際に会って交流することで研究をより頑張ろうと思えました。まだまだ研究は始まったばかりなのですが、研究をしっかりと完成させたいですし研究を楽しみたいと思えました。これは実際に会ったからこそ思えたのだと思います。科学の研究をするのは初めてなので不安はありますが、共同研究だということを活かして頑張っていきたいと思いました。
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