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【SSH】タイと日本の二国間サイエンスフェアTJSSFで本校から2組が研究発表を行いました
2021年03月08日
高校
2021年2月24日、25日の2日間、タイのPrincess Chulabhorn Science High School Trang校の運営により実施されたオンラインでのサイエンスフェアThailand Japan Students Science Fair (TJSSF)に、本校3年SSGクラスの生徒2組3名が参加しました。このサイエンスフェアは毎年Princess Chulabhorn Science High School系列の12の学校が順番に運営しているもので、今年度は2020年6月にTrang校で実施される予定でした。コロナ禍により幾度も延期された結果、卒業式直前の2月24日、25日の2日間にオンラインで実施されることになりました。


本校からは昨年6月に現地への派遣を予定していた2組3名の生徒たちが研究発表を行いました。1つは化学分野の「さまざまな条件下における信号反応の時間の変化」です。信号反応とはインジゴカーミンの酸化還元反応を用いた反応であり、色の変化によって、酸化還元反応が可視化して分かる反応です。攪拌方法や水酸化ナトリウムの濃度などの実験条件が、どのように反応速度・反応時間に影響を与えるかについて発表しました。もう1つは生化学分野の「ソラレンを使用した抗菌シートの作成」です。ソラレンは光毒性や抗菌性を持ち、オランダビユの種子や柑橘類などに含まれており、PUVA療法として使われています。果物や野菜から抽出したソラレンを利用して抗菌シートの作成ができれば、人体への害の少ない抗菌シートができるだけでなく、廃棄食品の有効活用にもつながると考え実験を組み立てました。ソラレンの抗菌性の定量や作成したシートの評価など、基礎的な研究を行ってきた成果を発表しました。2組とも長期間日々粘り強く実験を続け成果につなげた研究であり、堂々と英語での発表と質疑応答を行うことができました。コメンテーターの方や生徒からたくさんの参考になるアドバイスや質問をいただくことができました。
研究発表のほかにも、2日間を通してさまざまなオンラインでの活動がありました。開会式の後にはノーベル物理学賞受賞者の梶田隆章氏の特別講演が行われました。サイエンスアクティビティでは、タイの先生の説明を受けながら実際に印刷したワークシートを使用して工作をすることを通じて生物分野の遺伝子について学びを深めました。フィールドワークでは、マングローブの動画を視聴しながらクイズに答えたり、その重要性などについての講義を受けました。タイの文化発表等もあり、実際に訪問することはできませんでしたが、バーチャルでタイ文化を大いに感じることができました。
2020年度は、コロナ禍の中、本校主催で開催したJSSFを皮切りに、タイやシンガポールで行われた5つのオンラインサイエンスフェアに招待され、参加することができました。このような状況でも、国際科学教育の学びが継続されていることに感謝し、今後も本校の豊かな国際ネットワークにおける研究活動や国際交流の中で生徒たちが育っていってくれることを願っています。
以下、参加生徒3名の感想です。
- 課題研究を始めた時は、慣れない装置や薬品を使うことが難しかったりと、苦戦することだらけでしたが、この2年間、自発的に研究に取り組み、最後には海外のサイエンスフェアで発表ができるまでに成長することができ、とても自分に自信がつきました。
- 2日間のTJSSFを通して高校生活を振り返ることができました。昨年度参加したJSSFでは運営に精一杯でしたが今回のTJSSFでは自分の研究について見つめ直すことができました。最後となるサイエンスフェアで今まで積み重ねてきた集大成を見ていただくことができたような気がします。4月から始まる大学生活への最後のステップとしてよい経験ができました。
- 今回が高校最後のサイエンスフェアで、いろいろなことを考えましたが、すごく成長することができたと、どのアクティビティにおいても感じるフェアでした。2年生の頃はほとんど理解できなかった海外生の研究発表が、今回はスムーズに理解できるようになっていました。自分の発表や質疑応答もやりきることができて、何より自信に繋げることができよかったです。今回は新しいものを吸収するというよりは自分自身を振り返り次につなげてくれるフェアだったと思います。