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【SSH】高校3年SSGクラスで屋久島研修を実施
2021年12月22日
高校
12月16日(木)〜19日(日)の3日4泊、高校3年SSGクラスの生徒が鹿児島県屋久島において屋久島研修を行いました。コロナ禍で何度も延期された後、ようやく実現した研修に、生徒たちは大きな興奮と喜びを持って参加しました。
1日目、屋久島に到着後、益救(やく)神社へお参りし、生徒全員の健康と幸せを願ってのご祈祷をしていただきました。その後、宮之浦川で初めての屋久島の自然に触れました。
2日目はいよいよ縄文杉登山です。朝4時過ぎに宿舎を出発し、小グループに分かれてガイドさんと一緒に縄文杉を目指しました。途中、植物や動物についての興味深い説明をガイドさんから聞かせていただきながら、片道5時間以上かけて、全員縄文杉までたどり着くことができました。ヤクシカ、ヤクシマザル、巨樹、巨岩、そして縄文杉をはじめとする迫力ある屋久杉たちや多様な植生を実際に目にし、感動の連続でした。
3日目は里の体験学習として、千尋の滝、果樹園、ガジュマル、安房港を小グループでまわりました。迫力ある花崗岩と滝、ポンカン狩り、ガジュマル登り、漁船クルーズなど、全て忘れられない体験になりました。昼食は漁師飯として、飛び魚や亀の手など、珍しいお食事をいただきました。そして、午後からは今回の学びの集大成としてのプレゼン準備です。各グループとも今回の研修に向けたリサーチテーマを持って参加しています。事前学習で学んだり調べていたりしたことを現地で実際に体験し、またガイドさんや訪問先の地元の方々から直接たくさんのお話を聞かせていただき、それをもとに夜遅くまで翌日の発表会に向けて熱心に内容をまとめました。
最終日の4日目の午前中は観光センターで発表会を行い、屋久島の方々に聴いていただきました。発表後の質疑応答では、自分達だけでは気づかなかったような全く別の視点からのアドバイスやご意見を多くいただくことができ、非常に深い学びや発見に繋がりました。見学が中心となる研修とはひと味違い、能動的・主体的に学びを深め、その総まとめとしてのプレゼンテーションを地元の方々に聴いて頂くことを通じて、生徒たち一人ひとりのものの見方や考え方を広げることに繋がったと感じます。
屋久島の大自然、そこでの空気、雰囲気、人、全てが、京都での普段の生活では出会うことができない、本当に貴重なものでした。
屋久島研修ではたくさんの現地の方々に大変お世話になりました。暖かく迎えていただき、豊富な知識と屋久島への愛情で私たちにたくさんのことを語ってくださいました。この場を借りて厚く御礼申し上げます。
<屋久島研修の各班研究テーマ>
- 屋久杉の神秘~cryptomeria japonica~
- 水の島~世界重要地域屋久島~
- 生命の島を目指して~屋久島の香りから~
- 離島・僻地のエネルギー源
- 日本が誇る屋久島~協力金の活用~
- 垂直分布から見る屋久島の可能性
- 水の島~海との共存~
<生徒の感想(抜粋)>
- 広大な自然とガイドの方々の温かさに触れ、学ぶことが沢山ありました。これだけ広大な森林でも、過去に大量に伐採されていたというお話を聞いて、1000年以上、さまざまな文化が発展し、私たちの周囲が変わり続ける中で、育ちつづけることの難しさや、それを実現している屋久島の自然に感動しました。またガイドさんのお話から、自分も自然の一部であるという認識がこの自然を守っているのではないかと思いました。自然を新たな技術で守ろうとする考えもある中で、原点に立ち返って考えるという新たな視点を得ることができました。実際に来てみないとわからないこと、ガイドさんに教えていただかないと学ぶことができないことをたくさん吸収することが出来ました。
- 僕は屋久島研修を通して本当に心が浄化されたな、心の持ち方が変わったなと感じました。山登りや観光では実際に自然に触れた時自然の偉大さ、共生するということの意味が少し分かった気がします。また、3日目の午後から様々なガイドさんのお話をきかせていただきそれぞれの思い、様々な観点、行動力に大変感銘を受けました。発表後にいただいたアドバイスで、まだまだ自分の考え方が甘いことが分かったし、綺麗事でなく真剣に取り組むことの大切さ、心の底からの意見の偉大さ、重要さを知ることができました。
- 今回の屋久島研修で身に付けた力は短期間で得た様々な知識と、その知識から班で協力して屋久島の方々に私たちなりの考えを発表する力です。縄文杉やガジュマル、水の澄んだ川や滝など多くの自然に触れ合うことができました。すべての環境はつながり合っていて、保護するという考えではなく自然とともに共存していくという人間も自然の一部であるという考えを持つ必要があるのだと気づくことができました。本当に多くの貴重な経験をありがとうございました。
- 今回の研修に参加して本当に良かったと思っています。私は今回の研修で特に自分の中で物事を捉えるときの見方が大きく変わったなと感じます。大自然、温かい島の人々などこの4日間で様々な新しい環境に身を置くことは自分にとってとても大きな刺激となりました。大学に入る前の自分の考え方や将来の道を整理したいこの時期に屋久島という場所に行けたことすごく嬉しく思います!全てのことに感謝を忘れずに今までよりもさらに深い考えを持って行動したいと思いました。
- 屋久島研修を通して、考え方の違いというのを強く感じた場面が何回もありました。私たちの班のテーマはエネルギーについてでした。大阪や京都、いわば都会に住んでいる私たちでは、考えもつかないような発想や、信じられない暮らしが屋久島にはありました。中でもすべてを自給自足で補っている方の暮らしにはたくさんの驚きがありました。どの島民の方からも屋久島への愛というのを感じられ、本心から環境の事を思う気持ちが今後の私たちには必要なのだと、学びました。
- 豊かな自然というのは、僕は田舎在住なのですっかり見慣れていると思いましたが、全く違いました。特に1000年以上生きた屋久杉は本当に大きくて、この地球で歴史が続いているのだということをとても感じられました。それを踏まえて、自分たちもガイドさんの立場に立って屋久島をより良くしていくための提案を考えたことはとても難しかったですが、初めて考えることばかりでとても勉強になりました。特に、問題に対して一つの解決策にこだわらずに、いろいろな観点から問題を捉える力が身についたと思います。
- 今回の研修旅行では沢山のことを学び、普段の生活では感じることのない屋久島の大自然の偉大さに圧倒されました。特に、二日目と三日目は、屋久島の人々が大事に保存されている大自然を実際に肌で感じたり、ガイドの方々に沢山支えてもらったため、心に残るとても濃い時間を過ごすことができました。また、四日目の発表では、自然を大事に保存して将来に受け継いでいくためには、相当な努力と多くの知恵が必要であることを改めて気付きました。今回屋久島に来て、貴重な経験を沢山することができて本当に良かったです。