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【SSH】令和5年度スーパーサイエンスハイスクール生徒研究発表会にてポスター発表賞を受賞

2023年09月06日 高校
 8月9日(水)・10日(木)に令和5年度スーパーサイエンスハイスクール生徒研究発表会が神戸国際展示場で開催され、本校代表として高3SSGクラスの谷尾芳子さんが全国221校のSSH校代表とともにポスター発表を行いました。生物分野での課題研究の発表で、タイトルは「匂いによるショウジョウバエの行動への影響」です。高3SSGクラスの生徒2人、高2SSGクラスの生徒3人も参加し、各校代表の研究発表を聞くことができました。

 ショウジョウバエはモデル生物の1つであり、分子生物学や行動学の分野において多用されています。先行研究では、数十匹のショウジョウバエを装置に入れて実験しています。しかし、ショウジョウバエや他の生物において個体群密度による「密度効果」が知られています。本研究では、集団によってどの程度、ショウジョウバエの行動に差が生じるかについて調べました。まず、ショウジョウバエの行動観察を容易にするため、3DプリンターでY字型の装置を作成しました。分岐前の場所に眠らせたショウジョウバエを1匹または5匹置き、分岐した両端にプロピオン酸と酵母を含ませた脱脂綿と水を含ませた脱脂綿を置きました。ショウジョウバエは基本的に匂い物質のある方へと移動しました。この動きの軌跡を取得し、1匹のみと5匹の状態を比較しました。結果、5匹同時に置いた場合は1匹のみよりも行動量が多く、また匂い物質の無い方へも盛んに移動することがわかりました。個体同士の動きが影響しあっていることが考えられます。実験条件を安定化させるために、絶食時間の間隔を調整したり、ショウジョウバエの個体の成長段階をそろえるといった工夫を行いました。

 発表生徒は審査員の先生方の前でも堂々と発表し、また、質疑にも丁寧に対応することができました。高校2年生から1年半、熱心に研究してきた成果を十分に伝えることができました。他の参加生徒も、各SSH校の代表生徒の研究発表を積極的に聞き、大きな刺激を受けて課題研究に対する意欲がさらに高まったようです。

 10日(木)には彰式が行われ、谷尾さんの研究がポスター発表賞を受賞しました。今後のますますの活躍を期待しています。

【参加生徒の感想】
今回、高校生活で最も力を注いできた課題研究の集大成として、ショウジョウバエの行動の変化について発表を行いました。その結果、ポスター発表賞という賞を頂くことが できて大変嬉しく思います。私は 1 人で研究を行なってきたので心が折れそうになる 瞬間もたくさんありましたが、先生方や家族、同じように研究に励む仲間に助けられ、 実験を進めることができました。私はこの研究を通して、課題に対して自ら試行錯誤する面白さや実験の楽しさを学びました。高校生活では追いきれなかった疑問がたくさんあるので、これからも研究に励んでいきたいと思います。

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