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【SSH】さくらサイエンスプログラムでタイKamnoetvidya Science Academyを受け入れました

2024年08月19日 高校
 国立研究開発法人科学技術振興機構(略称JST)の国際青少年サイエンス交流事業(さくらサイエンスプログラム)を通して、7月21日~27日の7日間、タイの高校Kamnoetvidya Science Academy (KVIS)の生徒7人を受け入れました。KVISは9年前にタイ最大の石油会社であるPTTが創設した科学校で、タイでトップクラスの科学高校として大きな成果を出しています。教員、施設はもちろん、国際的な科学コンテスト等でも安定的に大きな成果を出しており、生徒のレベルも世界最高水準の学校の一つといえます。立命館高校とはKVIS設立初期から友好関係を持っており、相互のサイエンスフェアへの参加や高校生による国際共同研究により交流が続いています。
 今回の受け入れでは本校生徒との交流に加えて、立命館大学、大阪大学、京都大学、OMRON株式会社などで最先端の科学技術について研修を行いました。本校生徒がバディとなり、ウェルカム企画等を計画してタイの生徒との親睦を深め、今後長く続く友情を築けました。プログラムの内容は以下の通りです。

7月21日(日)
 長時間のフライトの後、タイの皆さんが元気に関西空港へ到着しました。空港で迎え、バスで京都四条烏丸のホテルへ移動。ホテルでオリエンテーションを行い、夕食を食べたらホテルに戻り初日を終えました。

7月22日(月)
 朝から立命館高校へ向かいます。この日は終日、立命館高校での取組です。東谷校長からの挨拶の後、バディ生徒と小グループに分かれキャンパスツアーを行い、生徒が企画したウェルカムパーティーですぐにタイの生徒と仲が深まりました。午後は一緒に英語で物理の授業を受けて、タイの生徒と本校生徒が一緒に液体窒素の性質を体験しながら楽しく学ぶことができました。そのあと、本校の茶室「瑞兆軒」で浴衣を着て日本の文化を体験できました。最後にタイの生徒と本校生徒が自分たちの研究について発表し、質疑応答を行いました。

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7月23日(火)
 京都大学と立命館大学の衣笠キャンパスでの研修です。午前中は京都大学大学院理学研究科のRoger Wendell教授よりニュートリノと宇宙について「Matter’s Neutrino Key」という講義を受け、物質の存在の謎とニュートリノの研究の関係について学び、強い関心を示しました。終了後、立命館大学の衣笠キャンパスに移動し、国際入学課の方から立命館大学における5つの英語で学べる学位プログラムについて説明を受けました。日本の大学への進学についても興味深く聴いてもらえました。その後、金閣寺を拝観し、京都の文化に触れたのち、京都市内に移動し、夕食までいくつかのグループに分かれて、立命館のバディ生徒を交えた観光及び交流を行いました。

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7月24日(水)
 午前中はオムロンコミュニケーションプラザでオムロンの企業理念と歴史について学び、最新技術を体験しました。日本の企業で科学技術がどのように社会のために活用されているか学ぶことができました。午後は立命館大学びわこ・くさつキャンパス(BKC)に移動し、SRセンターでの研修を行いました。SRセンターは、シンクロトロン放射を利用した最先端の研究を行う施設です。このセンターでは、高精度の分析や構造解析が可能な実験装置が整備されており、大学内外の研究者や企業が利用できます。また、学生や若手研究者の教育・研究支援にも力を入れています。この研修では参加生徒たちが4つの混合グループに分かれ、それぞれがSRセンターの研究者の指導のもと、事前学習の後、異なるビームラインで実験を行い、データを収集し分析しました。この日は立命館の生徒もKVISの生徒と一緒にBKCに泊まり、研修のまとめと発表準備を行いました。

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7月25日(木)
 午前中はSRセンターで研究施設の見学のあと、生徒が前日の研修について各グループで英語による発表・質疑応答を行い、指導してくださった大学教員より講評をいただきました。KVISの生徒と本校生徒が協力して発表準備を行ったことと、発表当日の研究者による助言によってSRセンターでの研究について理解が深まり、実際に行われている研究を垣間見えて関心意欲が高まったようです。午後は立命館大学大阪いばらきキャンパス(OIC)に移動しました。今年4月に当キャンパスに移転したばかりの情報理工学部にて、タイ出身の情報理工学部のRuck Thawonmas教授より講義を受け、知能エンターテインメント研究室の最新技術を体験できました。

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7月26日(金)
 朝はOICにある映像学部の教育・研究施設であるシアター教室を見学しました。シアター教室とは、Dolby Atmos等の最先端技術とを取り入れた映画館のような教室のことで、ここで映像学部の授業を行ったり学生の作品を上映したりする空間です。生徒は映像と音響のすごさに感激を受けました。そのあと、大阪大学の豊中キャンパスに移動しました。大阪大学総合学術博物館の見学の後、2つの講義を受けました。1つ目は竹内裕子先生による嗅覚に関する講義で、実際にサンプルの匂いを嗅いで物質を当てるなど、楽しく学ぶことができました。2つ目は八木厚志先生による経済と数学に関する講義で、数学の意義と有用性について理解を深めることができました。最後にフェアウェル企画で修了証の授与を行い、本校生徒が作成した思い出動画を流したり手紙を交換したりして、別れを惜しみながら、大学を出発して空港近くのホテルへ向かいました。

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7月27日(土)
 朝からホテルを出発し、空港までお見送りして、帰国の途に着かれました。

 今回のプログラムによって、KVIS高校と立命館高校との間の関係が深まりました。今後の両校の交流の発展に期待しています。今回の取り組みは、さくらサイエンスプログラムの支援により実施しました。素晴らしい機会をいただきましたこと、さくらサイエンスプログラムの関係者の皆さまに感謝申し上げます。


<本校生徒の参加者の感想(抜粋)>
  • 2回目の海外の生徒との交流であり、受け入れは初めてでしたが、しっかりと交流することができたと思います。また、他大学やキャンパスの見学によって、自分の将来へのイメージを以前よりも膨らませることができたと思います。他大学やキャンパスの見学では、実際にそこで講義を受けることができたのも非常に素晴らしかったです。また、BKCでのプレゼン作りや観光などを通して交流を深め、自分の協調性やコミュニケーション能力といった力をより高めることもできたと思います。これらの理由から、今回の研修は、有意義な、非常に素晴らしいものであったと思います。
  • バディをやってみて会ったばかりの頃はお互い知らないことだらけで何をしたらいいのかわからず困った事もあったが時間をかけて仲良くなるということを身につけることができた。バディだけじゃなく他の生徒とも良い関係を築くことができた。今回の研修は非常に貴重な講義をたくさん受けることができた。京大でのニュートリノの講義を受けて宇宙に対してもっと興味を持つことができた。今回の研修で人と交流することを改めて知ったり科学の知識を増やしたりすることができて非常に成長することができた。
  • 前からタイの友達と会う機会が多かったけど、今回は前よりも沢山交流してタイの人達のことがものすごく大好きになりました。この研修では初めて経験することが多く、ものすごく大変だったけど、理解できた時の喜びを経験しこれから勉強で理解する大切さを見つめ直すきっかけになりました。また今後も沢山の国内研修に積極的に参加したいです。たくさんの貴重な経験をありがとうございました。
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