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RARA*×ライスボールセミナー(CEチャレンジ)
2025年02月14日
高校
高2CE課題研究で現在進めている探究学習の参考にするために、2月3日(月)7限に、立命館大学の博士課程に在籍する大学院生のお話をうかがいました。
一人目の方は、現在「キャリア発達のプロセス」について研究を進めておられ、「役に立つように見えないものの中に人生を豊かにしてくれるものがある」、「人生転んでも、意外となんとかなる」という二つの観点から「キャリア発達」についてのお話をしてくださいました。「計画的偶発性理論」といった専門的な知見を用いて、「キャリアの転機の8割は偶然の出来事によって決まる」こと、さらにそのようなキャリアの転機には、「好奇心・持続性・楽観性・柔軟性・好奇心」といった5つの要因が関係しているとお話され、参加した多くの生徒も興味深く聞いていました。
二人目の方は、現在「将棋を科学する」というテーマで研究を進めておられ、「強い側を不利にする」というタイプと「弱い側を有利にする」というタイプの二つの「ハンディキャップ」に注目して、「駒落ち」という「強い側を不利にする」という珍しいハンディキャップを採用する日本の「将棋」の捉え方から、日本文化の特徴や西洋との比較を行う視点を提示していただきました。また、文科省が展開する「トビタテ!留学JAPAN」を利用し本研究テーマで留学(チェコ)した経験についても豊富な写真とともにお話いただきました。
B会場
一人目の方は、「15 分で学ぶ⾏動分析学 ―⼈の⼼と⾏動を研究する―」というテーマで講演してくださいました。人の行動を環境との関係で捉え、その原理を理解すること。特定の「きっかけ」(先行条件)によって、結果としての「行動」は変化すること。自分や他人を変えようと考えるとき、「きっかけ」(行動や言葉)を変えることは有効であること。それによって、人との関わり方や自分のあり方も自然と変化させることができることを学びました。
二人目の方は、「私たちが使った製品の⾏⽅はどうなるの?―太陽光パネルリサイクルに注⽬して―」というテーマで講演してくださいました。従来の経営学では、製品の大量生産・販売を行う「動脈産業」に焦点が当てられてきました。しかし、持続可能な社会の実現を目指す「サーキュラーエコノミー(循環経済)」の確立には、製品使用後の回収や再資源化を担う「静脈産業」との連携が不可欠だと知りました。例えば、環境に優しいとされてきた「太陽光パネル」についても、使用後のリサイクルや再利用の仕組みを構築することが重要です。いわゆる環境に優しいものを購入するだけでなく、製品のライフサイクル全体を考慮し、循環のサイクルまで考えて商品の生産を計画することが大切だと学びました。
専門的な理論など、高校2年生には難しいところはありましたが、立命館大学・大学院における研究の方法や研究を志すきっかけの話など、生徒にとっても学びの多い講演になったように思います。
*RARA(https://rara.ritsumei.ac.jp/)は立命館先進研究アカデミーの略称で、立命館大学の先導的・先進的研究拠点の形成に向けてリーダーシップを発揮することが期待される中核研究者の集まり(アカデミー)のことです。本企画にはこのアカデミーよりいわゆるドクターコースの院生が派遣されました