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2014.02.17
インドネシアの3つの大学と「国際PBLによるイノベータ育成プログラム」について協議
東南アジアと日本が相互に学ぶべきことは、多岐にわたっています。現在、東南アジアと日本の経済的相互依存は、ますます深化しています。震災や噴火などの自然災害に対して、東南アジアと日本がともに助け合う政策課題も多くなっています。
立命館大学政策科学部は、インドネシア・タイの5大学との間で「国際PBLによるイノベータ育成プログラム」を開始します。PBL(Project/Problem-based Learning)は、プロジェクトや課題を自ら設定して学ぶ方法です。このプログラムは、ASEAN各国政府主導の学生交流プログラムであるAIMS(ASEAN International Mobility for Students Programme)に関わる大学の世界展開力を促進する計画として、文部科学省から採択されました。
(ガジャマダ大学構内) (ガジャマダ大学学長と政策科学部長)
今回、重森臣広政策科学部長を団長とする訪問団がインドネシアの各大学を訪問し、プログラムの具体化について意見交換を行いました。古都ジョグジャカルタにあるガジャマダ大学、高原都市にあるバンドン工科大学、首都ジャカルタの近郊に広大なキャンパスをもつインドネシア大学が協定校です。
(バンドン工科大学学長と政策科学部長) (バンドン工科大学構内)
このプログラムでは、タイやインドネシアの著名な大学に派遣された立命館の学生が現地学生とともに学びます。また来日した両国の学生とともに立命館の学生が学びます。学ぶ場所は大きく変わりますが、英語で研究プロジェクトを共同で考えるという主たる学習方法は同じです。政策課題について両国の学生が英語で学ぶ・・・それが国際イノベータへの道です。
(インドネシア大学にて) (インドネシア大学構内)
政策科学部は、立命館大学の他学部とともにこのプログラムの募集を行います。具体的な募集日程や案内については春以降にお知らせします。
2013.12.25
政策科学部における一年間の研究成果を発表するアカデミック・フェスタの開催
当日は、まずPS Exposition本選からおこなわれました。今年度は6組が、各ゼミで実施される第1次予選(~11月15日)、各ゼミ代表者が公共政策系分科会、環境開発系分科会、社会マネジメント系分科会に分かれて競い合う第2次予選(12月10日)を経て出場しました。
今年度の本選出場者の研究テーマは、タイムリーというより、日本が長期に渡って抱える課題を多角的な視野から分析した研究テーマ、次世代を担う当事者として未来志向的な方策を考察した研究テーマを設定する出場者が目立ちました。これは政策科学部の学際的な特色をよく表しています。そのなかで優勝したのは、「京都市における袋路の実態と経年変化」という研究テーマで発表したグループです。建造物の老朽化が進む袋路の現状と変化を既存のデータやフィールド調査を通して特性別に整理・評価し、袋路環境改善のための政策を考察した研究で、グループワークならではの成果が表れていました。
準優勝者の研究テーマは「国からの地方公務員給与削減要請に対する地方の対応の検証」です。地方公共団体の政策行動を給与削減要請に対する異なる対応から要因分析した意欲的な研究です。さらに、「植物工場普及における我が国の政策の在り方と方向性 -国際的競争力の確保に向けて-」「日中関係の改善に向けての青少年交流事業の強化について -独仏青少年事務所の事例から-」「持続可能な創造都市 -飯田モデルの意義と展開-」「京都府におけるサービス付き高齢者向け住宅の調査」と続きました。
次に1・2回生の最優秀賞受賞者による発表がおこなわれました。1回生の基礎演習リサーチ・プロポーザル・コンペティション最優秀賞受賞者の発表は「カンボジアにおける社会関係資本に基づく教育推進機関導入の実現可能性」で、今後のフィールド調査につなげることでより高い研究成果を期待できそうな研究です。また、政策科学部では英語基準のCRPS専攻(Community and Regional Policy Studies Major)がこの9月より開設されましたが、1回生ゼミであるIntroduction to Academic ResearchのResearch Proposal Competition最優秀賞受賞者は “Internationalization of Japanese Corporations”という研究テーマで発表しました。発表・質疑応答はすべて英語でおこなわれ、会場は日英両言語による研究発表が以前から当たり前だったような空気に包まれました。最後に、2回生の研究入門フォーラム最優秀プロジェクトが、グループワーク、フィールドワークを最大限に活かして商店街の衰退原因を分析した「龍安寺参道商店街の活性化にむけて」と題する発表をおこないました。
アカデミック・フェスタは今回で9回目ですが、企画・運営は学生スタッフによっておこなわれています。これもまた政策科学部の実践による学びの一環といえるでしょう。閉会後には、学年を超えた交流を通じて自分の学びを客観視し、新たな知見を得ることの大切さに気付いたという参加者からの感想もありました。
2013.12.25
研究入門フォーラム二次選考会を開催しました
・ベトナムプロジェクト「ベトナムの金融システムにおける政策トレードオフ~持続的経済発展を目指して~」
・報道研究プロジェクト「報道被害防止施策の在り方の検討~日本のBPOとスウェーデンの報道評議会の比較を通して~」
・マーケティングプロジェクト「効果的なブログマーケティング戦略案の模索~アクセス解析ツールを用いて~」
・高齢者福祉プロジェクト「地域コミュニティにおける認知症ケア~地域包括支援センターの役割に注目して~」
・竜安寺参道商店街プロジェクト「龍安寺参道商店街の活性化に向けて」
5つのプロジェクトの発表と質疑応答が行われ、教員による厳正な審査の結果、衣笠キャンパスに近い竜安寺参道商店街の活性化をテーマとして、現地でのヒアリング調査や学生へのアンケート調査、国勢調査などのデータ分析を通じて研究した「竜安寺参道商店街プロジェクト」が最優秀プロジェクトに選出されました。
選に漏れたプロジェクトもいずれも完成度の高い発表でした。「報道研究プロジェクト」で発表した臼杵大地さんは「研究入門フォーラムを通じて、これまでしてきた勉強と、仮説を立て検証して未解決の問題を解き明かしていくという研究の違いがわかった。最初はプロジェクトがまとまらず挫けそうになることもあったが、メンバーの個性が刺激になって発想の幅が広がり次第にプロジェクトが一つにまとまって、グループワークや仲間の大切さを学ぶこともできた。この1年を通じて学んだことを来年入るゼミ(専門演習)に活かして、1回生の時から目標だったアカデミックフェスタに出場したい」と述べました。フロアで熱心に発表を聴いていた学生たちからは、発表の優れた点や至らなかった点を参考にして自分たちの研究を進めていきたいという感想も聞かれました。
最優秀プロジェクトに選出された竜安寺参道商店街プロジェクトは、12月20日(金)に開催された政策科学部アカデミックフェスタにおいて、2回生代表として発表を行いました。
2013.12.25
基礎演習リサーチプロポーザルコンペティションを開催しました
政策科学部では、学年ごとの小集団クラスをコア科目と位置付けています。1回生では「基礎演習」がコア科目です。政策科学部政策科学科政策科学専攻は、政策科学に関する科目を教授し、問題解決指向的な精神を備え、政策実践力と政策構想力を持った人材を育成することを目的とします。基礎演習では、前期後期通して様々な政策課題や政策争点について、新聞記事や論文、レポートなどからリサーチしたことをもとにディベートや意見交換、ディスカッションをします。その中で批判的思考や多角的視野、論理的思考、プレゼンテーション能力や文章構成力を育み2回生の研究入門フォーラムに繋げていくことを目標としています。
今回発表してもらったリサーチプロポーザルは1回生の学びにおける集大成であり2回生の集団コア科目「研究入門フォーラム」へと直接繋がり自分が行きたい分野のフォーラムに関する、研究計画書を書いてみるという課題です。1年間の基礎演習の間に2回のライティング課題に取り組み、基礎演習担当の教員や院生のティーチングアシスタントにより丁寧に添削され論理性、文章論述能力を鍛えることが出来ます。
リサーチプロポーザル(研究計画書)では、まず「研究タイトル」、そして研究の問題点や意義を記述する研究概要を書きます。リサーチプロポーザルでは、偏った政策研究、政策提案ではなく政策科学部の基本の三本柱である批判的思考や多角的視野、論理的思考を重視した研究が求められます。「先行研究」では類似、関連した論文、レポートからどこまで自分がしようと考えている研究が他者によって進められているかなどを整理、把握しこれからの研究の参考にします。またその際に参考にした文献、資料には「参考文献」が求められます。また外国語能力向上のために、外国語の「研究タイトル」及び「研究の概要」も必要とされています。
今回行ったリサーチプロポーザルコンペティションでは各基礎演習12クラスで予選を行い、クラス代表を決めました。評価の基準は(1)研究タイトル・概要:研究課題および研究目的の明確さ(10点満点)、(2)先行研究:先行研究の調査分析を主とする事前調査(10点満点)、(3)プレゼンテーション:発表態度、質問対応などプレゼンテーションスキル(5点満点)、の合計25点満点で競われます。担当教員以外の教員11名から採点され、今回1位はAクラスの三浦なつきさんが選ばれました。「カンボジアにおける社会関係資本に基づく教育推進機関導入の実現可能性」というテーマで非常に完成度の高いリサーチプロポーザルでした。どのプロポーザルも良く出来ていて1回生の質の高さを感じました。なお優勝者の三浦さんは12月20日に開催された政策科学部アカデミックフェスタにおいて、1回生代表として発表を行いました。
運営は政策科学部学生委員会のスタッフと各クラスから1名運営委員を選出してもらいました(文:学生学会委員小沢賢太郎)
2013.12.18
第9回 京都から発信する政策研究交流大会
この大会は、都市の抱える問題・課題を見つけ、それを解決するための「都市政策」を学ぶ京都の大学生・大学院生の研究交流・発表の場として大学コンソーシアム京都が主催して開催されました。
今年度は、口頭発表部門において51組、パネル発表部門において11組の発表が行われ、本学からはそれぞれ12組、7組が出場しました。
当日は、学生の研究発表に加えて、学生実行委員ら(本学3回生桑原佳佑さん・千田繁利さんを含む)による「創る都、創れば都」企画も開催され、地方都市活性化についての講演会やグループ・ディスカッションも行われました。
多くの来場者に恵まれ、本学の学生の他、他大学の学生、行政、市民の方々による賑やかな交流会となりました。
受賞内容
(受賞者名は研究代表者のみ)
○大学コンソーシアム京都理事長賞
「龍安寺参道商店街プロジェクト」2回生 川上萌仁香他(研究入門フォーラム)
○日本公共政策学会賞
「TMOによる中心市街地活性化法~飯田市を事例に~」2回生 久米由香子他(研究入門フォーラム)
「先進国と新興国の幸福感及び影響要因に関する研究―日中両国国民の生活実感調査を通じて―」大学院生 林祥偉
○優秀賞
「介護ロボット産業の政策的取り組みの課題と今後の方向性―経済分析によって得られる新たな視座―」3回生 安田あずさ(石川ゼミ)
「都市のスマート化と電力システム改革の課題の検証―持続可能なCEMSの構築と事業化―」3回生 松本薫(小杉ゼミ)
「京都MICEの誘致に向けて―香港の事例より―」3回生 武市明莉(上久保ゼミ)
「2010年尖閣諸島沖漁船衝突事件をめぐる政策決定過程―揺れる民主党政権と対中外交―」3回生 本田純一(宮脇ゼミ)
「社会と個人の時間を考える時間政策によるまちづくり―今後の日本における個人の時間とコミュニティの再構築―」4回生 多田楓(高村ゼミ)
○ベスト質問賞
藤井望美 王鳳陽
2013.11.27
留学生と日本の学生が共に学ぶCross-Border Policy Issues
この授業は、留学生と日本の学生が参加し、英語と日本語の二言語を用いて日本の社会、文化、歴史、政治に関するトピックについて調査し議論する科目です。受講生のセミナーやコミュニケーションは英語で行われています。多様な価値観や文化を持つ受講者による建設的な議論を行うため、このクラスでは留学生と日本人学生混成のグループワークが組織されています。
この科目では、留学生と日本の学生が相互に考え方の特徴を学ぶことが目標とされています。多様な価値観を知り、グローバル社会についての理解を深めるとともに、日本社会、文化、歴史、政治への関心を高めることが期待されます。
11月29日の授業では、戦後の日本の政治システムの変遷を4つのグループが発表しました。学生の司会によりプレゼンテーションは進行し、CRPS生と政策科学専攻生が一緒のグループで発表しました。与党はなぜ長期にわたって政権を維持できたのか、なぜ1990年代に多党化がすすんだのか、官僚は議員に対して強い影響力をもっていた要因は何か、といったテーマをめぐって活発な議論が繰り広げられ、日本政治を対象として共通の議論の土壌が形成されました。