Voices for future leaders修了生紹介
5期生

佐々木 靖之Sasaki Yasuyuki
公益財団法人東日本鉄道文化財団
専務理事・事務局長
- 東日本旅客鉄道株式会社 投資計画部 課長
- 公益財団法人東日本鉄道文化財団 専務理事・事務局長
(2024年7月更新)
立命館西園寺塾を通じてのご自身の変化や成長について
学ぶことの楽しさを再認識できたことと、「人としてもっと成長したい」と考えるようになったことです。資格・語学・マネジメントなどの「スキル」を得る努力はあれども、自分自身を愚直に見つめ直す機会は近年ありませんでした。西園寺塾では、課題図書とレポートにより、自らの価値観・歴史観・道徳観、そして善き未来のあり方について何度も自問自答するとともに、講義とディベートを通じて自分を客観視し、様々な気づきを得ることができました。
第一線で活躍されている講師の方々や塾生と出会い、話をしながら、答えのない諸課題と対峙していくなかで、道を切り拓いていく知的体力と人間性に憧れ、「自分をもっと磨きたい。私も謙虚な学びと責任ある意見表明を続けなければならない」と強く思うようになりました。
このような素晴らしい出会いと学びの場を創ってくださった立命館西園寺塾、講師・塾生の皆さまに、感謝の気持ちでいっぱいです。
特に印象に残っている講義・フィールドワーク・出来事はどのようなことでしょうか。また、その理由についてお教えください。
- 講義
中島岳志先生による「アジア主義」の講義は、日本・アジアの歴史と未来に関心を持つ機会となり、特に印象に残っています。アジアの時代と言われる21世紀、理想としてのアジアを語るには「多様性と寛容」の価値の体現が不可欠です。「西洋的」あるいは「覇道」に基づく考え方に対峙できる普遍的な思想を構築・共有し次代の国際秩序を牽引できるのか、政治を入り口として歴史・文化・哲学・個人の生き方まで連なるテーマの深遠さを感じるとともに、世界に通じる日本観・アジア観を身につけたいと思いました。 - フィールドワーク
京都フィールドワークでの「これでもか」と繰り出される魅力的な講義・見学・体験の数々。「世界に目を向けるためには、まず日本を知らなければならない。あなたは、どこまで日本の歴史・伝統・文化を語れますか」と、その都度突きつけられました。楽しい中にも緊張感と学びがあふれ、細部までこだわりが詰まっています。立命館大学の底力を感じました。 - 出来事
講義後に開催される講師を招いた「意見交換会」。「土曜日に毎週飲み会・・・!?」と思ったのは最初だけでした。
まず講師の先生と同じテーブルに席を確保し、講義・ディスカッションでの消化不良の解消、発言できなかった本音の開陳、お酒を介した先生方の“意外な一面”“こぼれ話”“裏話”などなど。欠席するなんてもったいない、西園寺塾の重要な構成要素でした。
さらに、真面目な話からプライベート・趣味の話まで、毎週重ねた「リング外」での制限時間なしの応酬は、間違いなく塾生の結束を固めました。
今後の夢や目標を教えてください。
視野を広く、俯瞰する視点を持つこと、自利利他の心を持つことなど、西園寺塾で学んだことは多くありますが、私の最終的な目標は、「敬意を払われる人になる」ということです。
開講式で、西園寺公望公の「日本は強い国にならなくてもよい。敬意を払われる国になるべきだ」という言葉を学びました。個性を発揮しつつも認められる、敬意を払われるとはどういう存在か。何のため学び、働き、生きるのか。容易に答えは出ませんが、自身に引きつけて考えたとき、常に心に留めておきたい目標になりました。
「学然後知不足(学びて然る後に足らざるを知る)」。安易な結論に流されず、学び、自ら考えることを継続してまいります。
未来の西園寺塾 塾生にメッセージをお願いします。
一流の講師陣による講義と事務局の方々の細かな心遣い、忌憚なく意見交換できる素晴らしい仲間を得て、自ら求めるものが多いほど、得られるものも多くあります。固定観念にとらわれず、講義テーマや自分自身と謙虚に向き合い、新たな気づきを得る楽しさを感じてください。学ぶ内容は、仕事上に活かせることはもちろんのこと、価値観や生き方にまで及ぶ質と深さを備えています。
2020年6月8日掲載
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