Voices for future leaders修了生紹介

5期生

内藤 賢

内藤 賢Naito Masaru

株式会社内田洋行
経営管理統括グループ 経理部 部長

立命館西園寺塾を通じてのご自身の変化や成長について

西園寺塾では、経営に関する内容に加え、「日本人のアイデンティティや文化」「東洋の思想」「人類のこれまでとこれから」など様々な講義があり、それら一つひとつが私自身に大きな影響を与えてくれました。なかでも、私自身が最も変化したと実感するのは「多様性の尊重」と「利他の心」という発想を得たことです。
前者については、つい私たちは「効率性」の名のもと、排除する方向に物事を考えがちですが、これこそが大事な概念であると考えを改めました。また、後者については、修了式で本郷真紹先生がおっしゃった「自利利他」の考えであり、私がこれから為すべきことだと考えています。もちろん、一緒に学んだ大切な仲間たちを得たことも最大の収穫です。この塾で、「一生付き合っていきたい」と思う素敵な“友人”ができました。

特に印象に残っている講義・フィールドワーク・出来事はどのようなことでしょうか。また、その理由についてお教えください。

  1. 大田嘉仁先生(元 京セラ株式会社 取締役執行役員常務)の講義
    なんといっても、稲盛和夫先生の近くで、その経営手腕を見てこられた大田先生の話です。
    稲盛先生が自身のカリスマ性を保つために大変な努力をされていたというお話と、それに伴って「努力をしていない人は、努力をして結果を出している人を『天才』と呼んでしまう」ということをおっしゃっていたことが強く印象に残っています。
  2. 入交昭一郎先生(元 本田技研工業株式会社 副社長など)の講義
    「リーダーシップを発揮するための必要条件」として、以下の5つを挙げていらっしゃいました。「自ら考え、意見を持つこと」「自分の判断力に確信を持てる能力」「リスクに対する恐怖心を抑え込む胆力を持つこと」「決断を行動に移すエネルギーを持つこと」「結果を出すこと」。
    「能力」や「結果」など、「精神論」だけではない部分に言及されたことに共感しました。
  3. 山口周先生(独立研究者/著作家/パブリックスピーカー)の講義
    「現在の経営は『論理』と『経験』だけをベースに判断をする傾向にあり、その先には『正解のコモディティ化』しかない。これを避けるためにはこれら2つのほかに『アート』の要素を取り入れ、3つの『高度なバランス』のもとで経営をしていくべきだ」という先生の主張に感銘を受けました。また、「『フェア』であることは、中長期的に見ればもっとも効率が良い」「システムを改変できるのはシステム内部にいて影響力と発言力を持つエリートだけ」という2つのお言葉は、私自身の今後の生きていく指針として、西園寺塾全課程で最も印象に残ったものでした。

今後の夢や目標を教えてください。

入交先生の講義では上記に加えて、「アクティヴ・ノンアクション」と「NOBLESSE OBLIGE」についてのお話をしていただきました。日々の仕事に追われるのではなく、先の見えない暗闇に勇気を持って踏み出せる、そして「多様性」を尊重し、「利他」の心を持って社会に貢献できる、そのようなリーダーになりたいと考えています。

未来の西園寺塾 塾生にメッセージをお願いします。

入塾式の時、名誉顧問である西園寺裕夫先生より、「立命館西園寺塾は問題解決のハウツーを教えるわけではなく、生き方を考える場」というお言葉をいただきました。そのお言葉通り、西園寺塾は超一流の講師の方々からお話をお聞きし、深く考え、講師の先生方や塾生たちと議論する、素晴らしい学びの場です。仕事との両立は非常に厳しいですが、修了した時、自分の視座が大きく高まっていることを実感するでしょう。
また、この年齢になると、顔をクシャクシャにして笑うことは少なくなっていると思いますが、そんなことができる、尊敬すべき素晴らしい仲間たちとの出会いが待っています。人生の幅がぐっと広がること間違いなしです。