大坂 博幸教授 OSAKA Hiroyuki
- 所属学科
- 数理科学科
- 研究室
- 大坂研究室
- 学位
- 博士
経歴概要
1986年3月 弘前大学教育学部中学校教員養成課程数学科 卒業 1988年3月 新潟大学大学院理学研究科修士課程数学専攻 修了 1992年3月 東京都立大学大学院理学研究科博士課程数学専攻 修了
研究について
- 研究分野・テーマ
-
作用素環論、作用素論 、量子情報科学
- 研究キーワード
-
C*-環、行列関数
- 研究概要
-
数学モデルを抽象化しその本質を探る関数解析学が研究室の看板ですが、最近は、数理物理学、組紐理論、位相幾何学、偏微分方程式、確率論など様々な卒研が実施されています。また、中学・高校教育の教材に繋がる卒研に取り組んだりしています。「無限次元線形代数学」といわれます作用素環論が研究対象です。個々の現象を表す関数を調べる代わりに、その関数の束からなる関数空間を考えるという思想でバナッハ空間論が展開されますが、それに代数構造を入れることで、発生するC*-環の分類問題に取り組んでいます。最近は、経済理論に応用がある単調増加関数に付随する問題に取り組み、高校生に馴染みのある相加平均・相乗平均の一般化であるイエセンの不等式に関する新しい結果を出しています。また、暗号理論に応用があると期待されている量子情報理論の研究にも取り組みはじめています。 φ((∑▒〖a_i x_i 〗)/(∑▒a_i ))≤(∑▒〖a_i φ(x_i ) 〗)/(∑▒a_i ) において、i=1,2,a_i=1,x_i>0,φ(x)= -log(x) とおくと、相加平均・相乗平均の関係式が導ける。計算してみよう!!
-
インタビュー
研究者になったきっかけ
中学二年生の数学の時間の時、線分[0, 1]にある点の数と線分[0, 2]にある点の数が等しいと教えられ非常にショックを受けました。また、中学三年生の時から時間が離散なのか連続なのかということを考え始め、受験数学以外に興味を持ち、高校時代はモノグラフとい数学冊子や遠山啓先生や矢野健太郎先生の本を多く親しみました。当時広中平祐先生が数学のノーベル賞であるフィールズ賞を頂き、数学が一般の人から注目をされましたが、数学者になる気持ちはなく、中学時代に影響を受けました先生と同じ道を目指して弘前大学教育学部に進学しました。その当時の教育学部の数学科は、理学部と異なり提供科目数は少ないが、内容に優劣はありませんでした。偶然矢野先生のお弟子さんの昆正博先生に数学の美しさを学び、また、石井純先生に数学の厳しさを教えられ、そして、理学部の古田孝之先生に数学の楽しさを教えられ、新潟大学理学部の大学院に進学することに決めました。修士・博士に高校の教壇に立つ機会がありましたが、運良く(?)東京都立大学(現・首都大学)で博士号修得と同時に大学の教員になり、今に至っております。