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- “熱狂の瞬間を共に創る” アメリカンフットボール部高橋健太郎監督×Re/LIVE運営企画リーダー内田秀太(スポーツ健康科学部・4回生)
“熱狂の瞬間を共に創る” アメリカンフットボール部高橋健太郎監督×Re/LIVE運営企画リーダー内田秀太(スポーツ健康科学部・4回生)
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2024.06.06
立命館大学びわこ・くさつキャンパス開設30周年を記念して6月9日午後2時から、立命館大学アメリカンフットボール部PANTHERSがライバル・関西学院大学FIGHTERSとDaigasエナジースタジアム(クインススタジアム)で対戦します。この記念試合は「スタジアムをエンジ色に染めあげる!」を合言葉に、学生が運営主体となり、スポーツを応援し、最高の観戦体験を提供するホームゲームイベント「Re/LIVE」として開催します。試合を迎えるにあたり、今年1月に就任したアメリカンフットボール部の高橋健太郎監督と、Re/LIVE運営企画リーダーの内田秀太さん(スポーツ健康科学部4回生)が来場を呼びかけながら「立命館」、「スポーツの魅力」、「応援」をキーワードに熱く語り合います。
Re/LIVEとは
立命館大学の学生が、立命館スポーツの応援文化醸成をビジョンに掲げ、立命館スポーツの最高の瞬間・観戦体験を創り出し、何度も思い出せるような感動を提供することを目指して企画する、ホームゲームイベントです。
―高橋監督は2004年に卒業(経済学部)、在学中は甲子園ボウル、ライスボウル2連覇を達成されました。まず、監督に就任した思いを聞かせてください。
高橋:パンサーズは私の人生を変えてくれたかけがえのない存在です。人として成長させてもらい、また、「日本一」の経験はその後の人生において大きな拠り所になりました。そのパンサーズが8年間、日本一になれず、パンサーズに関わる人たちが悔しい思いをしている中で、人生の恩返しをするのは今だと思って就任を決意しました。
―そのパンサーズの試合を学生や地域を巻き込み「Re/LIVE」で盛り上げます。
内田:Re/LIVEは40名の有志が集まる学生組織です。私は高校時代、野球部のスタンドで応援団長の役割を果たし、吹奏楽部と一緒に応援を行っていました。私の応援文化の原体験は、まさにこの経験にあります。スポーツほど、一瞬にみんなが集中できることはないと思っています。一方大学スポーツに関して言うと、見に行ったことのある学生は本当に少ない。自分の大学のスポーツを1度も見に行ったことがないまま卒業する学生も多いと思います。Re/LIVEは、たとえその競技を知らなくてもスタジアムに足を運ぶきっかけをつくることができるような、そんなワクワク感を多くの学生へ発信しながら盛り上げていきたいと思っています。
選手の個性を活かした陣取り合戦と思って見てもらえればいい
―アメリカンフットボールの競技性や魅力を教えてください。
高橋:野球やサッカーは攻撃も守備もできないとレギュラーになれません。オールマイティーな能力を求められますが、アメリカンフットボールはオフェンス、ディフェンス、キッキングと完全な分業制です。選手一人ひとりの強みや個性を活かす、究極のダイバーシティのスポーツです。また、毎回プレーが止まり、サッカーのフリーキックやコーナーキックのようにセットプレーの連続になります。手品のような高いレベルの戦術も勝敗を大きく分ける要素です。また、格闘技的な要素でもある激しいヒット(当たり)やスピード感も大きな見所です。
内田:アメリカンフットボールを見に行ったことがない学生も多いと思います。実は僕もまだ数回しか見に行ったことがなくて...。
高橋:ルールが難しくて分からなくても、立命館のオフェンスが前進した、関西学院のオフェンスを食い止めた、というように陣取り合戦と思って観戦してもらえれば良いと思います。私はRe/LIVEがアメリカンフットボール普及のきっかけになる可能性がとてもあると感じています。米国では試合開始3時間前から観客がスタジアムの周りでバーベキューをして、試合では感情を表に出してチームを応援しながらストレスを発散する。この企画が大学スポーツの新しい見方、楽しみ方になると思っています。
―ではパンサーズの特徴を教えてください。
高橋:昨年、創部70周年を迎えました。長い歴史の中で、立命館の建学の精神である「自由と清新」がチームに根付いています。型にはめるのではなく学生一人ひとりの個性を伸ばし、うまく組み合わせて、チームとして最高のパフォーマンスを発揮する。これが私たちのスタイルです。今回のRe/LIVEの企画作りも新しいことにチャレンジしようとする意欲にあふれており、建学の精神に通じるものがあると感じます。
内田:監督のおっしゃる「自由と清新」は僕も大事だと思っています。Re/LIVEも「こんな企画をやったら面白いね!」と、40名がまずボランティアで集まりました。当日は初年度ゼミ活動から800名を超える1回生が参加し、約40の模擬店が出ます。また多くのサークルや学生団体がブースを出展し、新歓として1回生にむけたPR活動なども展開されます。学生が楽しむ機会を自らの手で創る。参加者ではなくて創り手に回ることができるような…そんな機会にしたいです。
高橋:内田さんとの対談を通じて、同じ「立命館」の血が僕たちに流れていると感じます(笑)
立命館の学生の熱狂を生み出すエンターテイメントをともに創る
―Re/LIVEは、試合に臨むチームと学生が一体となって新たなスポーツイベントを創り上げるイメージですね。
内田:高橋監督と実際に話をして、パンサーズの全メンバーに、Re/LIVEの話をさせてもらったタイミングからイベントの形が見えてきて、イベントの実現に向けて加速しました。5月のラグビー部の試合でも企画しましたが、一般学生が実際に選手と交流する時間を通じて、そうした接点によって選手やクラブに興味を持ってもらっていました。6月9日当日はノベルティーグッズやミネラルウォーターの配布も学生スタッフたちが行い、来場者の方々と積極的にコミュニケーションを取っていこうと思っています。そして今回のコンセプトである「Daigasエナジースタジアムをエンジに染めあげる」という文字のごとく、エンジ色のTシャツとタオルで一体感を生み出します。模擬店を運営する学生の皆さんにも試合を観戦してほしいと思っています。
高橋:私たちパンサーズは、パンサーズへの応援を通じて、立命館の一体感を醸成するプラットフォーム的な存在になりたいと思っています。新入生でまだ立命館になじみきれていない学生の方もいるかもしれません。内田さんを始めとした運営メンバーが大学生活を楽しむきっかけとしてRe/LIVEを開催してくれると言っても過言でないないと思いますので、ぜひ勇気を振り絞って、一歩踏み出してRe/LIVEに参加いただければと思います。イベント運営の事務局でなくても、「イベントを観戦する」、「応援をする」ということがRe/LIVEを一緒に創造することに繋がっていると思います。こうした一歩踏み出した小さな成功体験の積み重ねが自信になると思いますし、大学生活を豊かにする行動につながっていくと思っています。
―春から注目のビッグマッチになります。
高橋:春だから勝敗を気にしないという意識は全くありません。勝ちにこだわりその準備を進めています。関西学院大学を見るだけで、我々は血がたぎります。彼らには絶対に負けられません。いかに強く当たれるか、いかに素早い動きで圧倒できるか。個々人の戦いにフォーカスしながら試合観戦してほしいと思います。
―関西学院大学をホームで迎えるにあたり、「応援」はどのような存在ですか?
高橋:ファンの皆さんの声援が選手一人ひとりに勇気を与え、プレーを後押しするという意味で、ファンの皆さんは12人目のプレーヤーと言われています。
応援が大きくなればなるほど、チームそして学生一人ひとりが背負うものは大きくなります。
日本一の奪還に向けては、競技力の向上はもちろんですが、日本一になるにふさわしい精神力も必要不可欠です。支えていただいている方へ感謝し、そして応援してくださっている方々の想いを背負い、日々全力で過ごす中で精神力は鍛えられると考えています。我々にとって、「応援」はなくてはならない存在です。
「できる理由」を探して生きる
―スポーツを遠い存在と考えている学生がいると思います。スポーツの面白さとは何でしょうか。
内田:今は娯楽も多様ですが、スポーツは多くの学生にとって共通の話題になり得る魅力があります。
高橋:日本では、クラブ活動は課外活動に位置付けられていますが、スポーツを通じて、勝ちへのこだわりを通じて、得られる経験(人材育成)があります。また、目標に向けた本気の取り組みを通じて、人に与える元気や勇気もあると思います。そういう意味でも、スポーツが持つポテンシャルはとても高いと思いますし、魅力があると思います。ビジネスの世界で、人と人とのつながりや人と地域とのつながりを構築しようとすると一定のハードルがあります。しかし、スポーツが持つ魅力なのか。スポーツは損得の世界ではないからなのか。スポーツを介すとそうしたハードルが低くなるということも感じていてそういう点も魅力の一つだと思っています。
内田:Re/LIVEの企画でも多くの所に協力を求めましたが、パンサーズの名前やスポーツという言葉を出すとハードルが低くなりました。
高橋:Re/LIVEが成功したら、きっと内田さんの後輩の皆さんが続いてくれるんじゃないですか?内田さんに続く後輩の皆さんの成功体験の創出をお手伝いしたいと思っていて、パンサーズが貢献できることは、ぜひ協力させてもらいます。ぜひ、パンサーズをもっと使ってもらえればと思います。(笑)
―クラブと学生との連携のモデルケースになりますね。
高橋:社会人時代に困難なことに直面した時、無意識に「できない理由」を探していたことがありました。ある時、上司に気付かされて、その時から「できる理由」を探して生きようとマインドセットしたことを今日の対談で思い出しました。
Re/LIVEを今改めて見るとすごく大きなイベントだと思います。最初からこれだけ大きなイベントを想像して動き出すと、失敗を恐れて動けなくなってしまうと思います。それを実現している内田さんが「すごいなぁ~」と素直に思うし、改めて、「できる理由」を探すということの重要性を再認識する機会になりました。
こんなにもスケールの大きなこのイベントを企画してもらって、日本一を目指す上で、大きな活力になっています。「できる理由」を見つけながら、たとえ失敗しても、その失敗体験を大切にしてチームを改革していきたいと思います。
限られた時間を悔いなく精一杯楽しんでほしい
―9日に向けて最後の呼びかけをお願いします。
内田:立命館は何事にもチャレンジしやすい環境にあると思っていて、今回のRe/LIVEもその環境を最大限活かした企画です。まだ応援へ行くかどうか決めかねている学生の皆さんには、ぜひここで一歩踏み出してほしいと思っています。動機は本当に何でもいいんです。友達が模擬店に出ているから、でも全く問題ない。とにかくこのビッグマッチの雰囲気を感じてほしいんです。応援団やチアリーディング部の応援パフォーマンスもそうですし、100人を超える選手の方々の円陣の声出しひとつとっても感動するはずです。このホームゲームを1人でも多くの学生の皆さんと盛り上げたい。そう思っています。
高橋:Re/LIVEは本当にすばらしい企画だと思っていて、アメリカンフットボールを見たことがない人でも、興味を持ってくれるような仕掛けをたくさん作ってくださったと思っています。イベントの成功には、パンサーズが勝つという要素が必要不可欠だと肝に銘じて試合に臨みます。応援に行くか迷っている人にとっては、大学生活の楽しさを知るターニングポイントになるのではないかと思っていて、ぜひ、自分自身の殻を破るきっかけとして、会場への応援に一歩踏み出してもらえるとうれしいですし、立命館という仲間意識を高めてもらいたいと思います。大学の4年間はあっという間です。限られた時間を悔いなく精一杯楽しんでほしいです。
(あとがき)対談終了後の会話から・・・
【高橋監督から内田さんへの質問】内田さんの行動力の源泉は?
内田:何ですかね。。モチベーションについてあまり考えたことがなかったです(笑)自分が面白いと思うことに全力で取り組んでいます。Re/LIVEに関してだと、「遊ぶ」みたいなことと「学ぶ」みたいなことが重なった活動という感じがします。ふとした瞬間に「あ、この前授業で出てきたことだ」のように、いろんなことがリンクします。あとはたくさんの仲間を巻き込みながら想いを形にしていくことそのものに、ひたすらワクワクしていますね。
【内田さんから高橋監督への質問】指導者・教育者としての想いは?
高橋:競技の指導でもティーチング(教えること)では限界があります。選手の思考力が育たない。一人ひとりが考えて行動してこそ成長すると思っていて、そこを大事にしています。また、世の中が変わっているのに指導者が毎年変わらないテンプレート的な指導スタイルだと、学生は未来を想像できません。アメリカンフットボールの戦術を一つとっても日進月歩。我々、指導者が学び続けることこそが、学生と向かい合う上で、何より大事ですし、これからも大切にしたいと考えています。