プロフェッショナルに学ぶ

グローバル時代の放送メディアと情報

今井 義典

今井 義典(客員教授)
ジャーナリスト、元NHK(日本放送協会)副会長

1968年に記者としてNHKに入り、国際部記者などを経て、ワシントンおよびニューヨーク特派員として、アメリカ国内問題や国際政治・経済を幅広く取材した。
また95年から3年間、ヨーロッパ総局長としてロンドンを拠点にヨーロッパ・中東・アフリカの取材の指揮をとると同時に、自らもイギリス総選挙、ダイアナ妃の悲劇、ユーロの誕生、中東和平問題などの取材を担当した。
この間、86年4月から朝の「ニュースワイド」、また93年4月から同じく朝のニュース番組「おはよう日本」のキャスターをそれぞれ2年間担当し、朝一番の内外のニュースを日本の視聴者に伝えた。

その後2000年から国際放送局長としてNHKの海外発信と展開、また国際的な放送業界との関係を強化する業務を担当した後、再び報道の現場に戻り、2003年から解説委員長を2年間務めた。2005年からは解説主幹として、特集番組のキャスターや討論番組の司会を務めるほか、国際的な幅広い活動に携わった。

2008年1月、NHK副会長に就任し、視聴者と心の通う関係の強化や放送現場出身の経験を活かしてNHKの内部の体制刷新に努める一方、日本からの海外発信の強化に取り組み、2009年2月、衛星を使って世界に日本とアジアの情報を24時間、英語で伝える新しいサービス “NHK World TV” をスタートさせた。
また2008年11月ABU(アジア太平洋放送連合)の会長に就任し、アジアの放送の発展やデジタル化の推進などに係るとともに、内外のメディア界で国際的な連携やインターネットを含むニューメディアとの融合推進に努めた。
2011年1月NHK副会長、ABU会長を退任し、現在は立命館大学客員教授として教鞭をとるとともに、フリーランスのジャーナリストとしても活動している。

科目の概要

留まるところを知らないグローバル化の原動力は「情報」と「メディア」の急速な発達にあります。その結果、情報が人々に多大な恩恵をもたらす一方、メディアの多様化と情報の量的拡大が進行することで、様々な混乱が生じる面もあります。その混沌とした状況の中で、メディアは「信頼性」が問われる一方、利用者である市民は数多くの情報の中から「信頼」でき「判断材料」になる情報を選び出さなければなりません。
この授業では、ニュース報道や時事番組の生の情報を材料にして、放送を中心とするメディアの諸課題を考察するとともに、「グローバル社会」に生きる市民として「世界の中の自分」を最大限に活かすため、情報を活用する力を高める手法を学びます。

授業の特徴(2012年度時点)

  1. NHK大阪放送局の特別訪問
    • アナウンサーや記者との交流
    • 撮影スタジオの見学
  2. 放送ジャーナリストの実技体験
    • 原稿の書き方や取材の仕方を学ぶ
  3. キャスターやリポーターの実技体験
    • トークやインタビューの体験を通して、情報発信力を身に付ける

受講者へのメッセージ

スマホ時代の君たち、その向こう側には情報受信と発信の深~くて、広~い世界があるよ!一緒に探検してみよう。



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