教員紹介
‐TEACHER‐
山岡 雅博教授
- 担当科目
- 「共生社会時代の生徒指導・教育相談実践演習」、「実践教育特殊講義」、「教育実践高度化演習」、「教職専門研修」他
教師という仕事のやりがいとは?
学生時代に卓球をやっていた私は、中学に勤め始めたころ、卓球部の顧問になりました。その当時は、自分の持っている技術を子どもたちに教え込み、強いチームを作ることをめざしていました。私自身がプレイヤーだったのです。ところが、どちらかというと運動が苦手な子どもが多く、まず、そんな子どもたちが卓球と卓球部を好きにさせることが大事だと気付きました。そこで、子どもたちに目標や練習方法などを話しあわせ、支え合う関係ができるように配慮しました。やがて、地区大会で入賞できるようになったころ、私はサポーターになっていました。部活動に限らず、子どもたちを支え、その成長の瞬間に立ち会えることはうれしいものです。それと同時に、成長する主体としての子どもたちに寄り添い、教師もまた、主体的な支援者として成長し続ける実感が教師の喜びだと思います。
担当科目を受講することで、どのような力が身につくのか?
実践的な「指導力」の獲得をめざします。新任の教師は、子どもたちに「なめられる」不安を抱きがちです。ベテランの教師ですら、教師の言うことを聞かない子どもが出現することを恐れます。しかしながら、「指導」とは子どもたちを「教師の言うことを聞く」ようにさせることではありません。子どもたちが抱えている不安や課題が、さまざまな「問題行動」となって表出していきます。表面的に「問題行動」が見えなくなったとしても、彼らのなかに不安や課題がある限り、自立に向けた一歩は踏み出せません。子どもたちの抱える不安や課題に彼ら自身が向き合うことで、彼らの本物の一歩を踏み出すことができるのです。その結果、子どもたちの「問題行動」やクラスのトラブルがなくなっていくのです。こんな「指導」ができる力量の獲得をめざしましょう。
教職研究科(教職大学院)を目指す方へメッセージ
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- ■学部生へ
- 教員免許状を取得し、学校に採用された瞬間から「先生」と呼ばれるようになります。教職をめざす夢が実現すると、さまざまな不安を隠すように、必死に仕事に取り組んでいきます。ところが、「初心者」マークの先生にとって、すべてがうまくいくほど教師という仕事はやさしいものではありません。一つにつまずき、それを一人で抱え込んでしまうと、トラブルが続いてしまうことが少なくありません。その結果、教職を去っていく若い教師が少なくないのです。育つ子どもたちを支えるために子どもとの関係を創る教師は、同時に教師集団の支え合う関係も築く必要があります。ここでは、学び合い、支え合いながら実践的な学修を進めていきます。教師自身が学び続け、育ち続ける方法を獲得していきましょう。
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- ■現職教員の方へ
- 私自身、教員を続けながら、40歳なかごろに大学院に通った経験があります。学校現場では学級担任や生徒指導担当として、やんちゃな子どもやしんどい思いをしている子どもに関わっていました。子どもたちが落ち着いていくまで多少の時間はかかったものの、少しずつ指導に自信が持てるようになっていました。しかし、私自身の経験則を基本にした実践は深まりにくく、広がりにくいものでした。大学院では私自身の実践が理論化され、意味づけされていくことを学びました。その後の「子ども理解」が深くなり、「次の一手」に迷いがなくなっていきました。気づけば学校全体の生徒指導も変わっていったのです。学びなおす意味は人それぞれ違いますが、私にとって、自分自身に向き合い、出会い直したことに大きな意味がありました。