アジアスポーツ文化研究(韓国)

企画研究
アジアスポーツ文化研究と韓国スタディプログラム

漢陽大学(韓国)

プログラムの概要

このプログラムは、韓国の大学での講義や現地学生との合同セミナー、スポーツ関連施設見学、日本と韓国の歴史的・文化的関連の深い遺跡・文化財等の訪問・見学を通じて、①韓国におけるスポーツの歴史や文化を理解する、②「東アジアの平和と安全」「人権」「日韓関係」などのテーマに関連する知識を習得する、③国際的に通用する広い視野、相手国の文化を尊重する姿勢を養うことを目指すプログラムです。日韓両国におけるスポーツの歴史、現状、社会的意義を理解すると伴に、現地学生との交流などを通じて、日韓両国の共存共栄的な発展を目指すことのできる人材を育成していきます。

渡航先での特徴的な学び・プログラム

  1. 現地の学生と「スポーツ」や「日韓大衆文化」をテーマに合同セミナーを開催します。セミナーでは日本語による発表だけでなく、英語による発表も行われ、レジュメやパワーポイントも英語で事前に作成します。準備は大変ですが、発表を終えると、自らの成長が実感できます。
  2. 現地の大学教員から、韓国におけるスポーツの現状や、日韓の歴史と文化に関連する特別講義を受講します。日本ではなかなか聞くことのできないこれらの講義を通じて、韓国社会を理解するとともに、韓国社会と比較した日本社会を改めて理解することができます。
  3. 韓国体育大学、2002FIFAワールドカップ記念館、ワールドカップ競技場、オリンピック記念館、国民体育振興公団等、韓国のスポーツ施設見学を実施します。韓国のスポーツ振興政策やこれまでの韓国社会とスポーツとの関係性、歴史について学ぶことができます。
  4. 植民地時代の資料が多く残る西大門刑務所や、韓国民主化の聖地である明洞カトリック教会など、日本と韓国の歴史的・文化的関連の深い遺跡・文化財等の訪問・見学を実施します。植民地時代の日韓関係を改めて学ぶことのできる場となります。
  5. 現地学生と1泊2日の合同合宿を実施します。一般的な観光では、体験することのできない現地のリアルな生活や、同年代の韓国の学生と生活を共にするなかで、新たな気づきや学び、国境を越えた仲間が得られます。
  • 日韓学生合同シンポジウムの様子
    日韓学生合同シンポジウムの様子
  • 特別講義の様子
    特別講義の様子
  • 2002FIFAワールドカップスタジアム
    2002FIFAワールドカップスタジアム
  • 明洞カトリック教会
    明洞カトリック教会
  • 韓国の学生との合同合宿
    韓国の学生との合同合宿

教員メッセージ

このプログラムでは、韓国のスポーツの歴史や文化、日韓の歴史や大衆文化を学ぶことを通じて、韓国社会においてスポーツが持つ意義や役割と韓国社会の実態を明らかにしていきます。プログラムを通じて、現地の学生と一緒になって学び、意見を交換しあうという経験は、単なる観光では手に入れることができない多くの気づきを皆さんに与えてくれます。この機会を活かして、日本だけでなく世界に目を向け、海外のスポーツ事情やそれを取り巻く社会に目を向けてみてください。これからの「アジアの時代」を創っていく若い学生の皆さんに、ぜひ受講してもらいたいプログラムです。

武田涼佑
voice#1

武田涼佑
(メディア社会専攻・3回生)

プログラムを選んだ理由

政治、経済、文化など日本と韓国は切っても切れない関係にある。しかし、両国の間には様々な問題も山積している。そこで実際に韓国に行き、今後の日韓関係の在り方について自分自身で考えてみたかったから。プログラムを受講した。
私はメディア社会専攻だが、最近のメディア報道(特にインターネット)を見ていると韓国について批判的なものをよく見る。確かに日韓間にはオリンピック男子サッカーでも物議を呼んだ竹島問題や従軍慰安婦問題等の複雑な問題が山積している。内容に頷ける報道もあるが、明らかに「右傾化」したものが多い印象を受ける。情報の真偽はどうなのか?「百聞は一見に如かず」の言葉通り、実際に韓国社会の特にスポーツ文化に焦点を当て自分自身で判断してみたいと考えプログラムを受講した。

プログラムを通して学んだこと

韓国の大学生と歴史問題の話をする中で、自分の立場があるように相手にも立場があることを改めて学んだ。今までは自分(日本)の視点からでしか情報や問題を考えられなかったが、今回のプログラムをきっかけに相手(韓国)の視点からでも考えられるようになった。情報を鵜呑みにするのではなく個人個人が熟考し取捨選択をする大切さを学んだ。

プログラム参加前と参加後で自身の考え方・行動がどのように変化したか

以前は、メディア報道のせいか韓国の国民全体が「反日」という印象を抱いていた。しかし、実際に様々な人々と交流してみると、市民レベルでは「反日」といった感情は感じられず、むしろ友好的な交流できた。確かに政府レベルでは領土問題等で揉めている両国だが、市民同士の文化交流などは積極的に行っていくべきだと感じた。

プログラムでの経験を今後どのように活かしていきたいか、進路予定

私は将来、記者になりたいと考えている。今回のプログラムを経験して一つの事象を様々な視点から捉え・考えることの大切さを学んだ。報道する自分にも立場や考えがあると同様に相手にも立場や考えがあることを肝に銘じて、主観的になり過ぎない報道ができるようになりたい。


木田かおり
voice#2

木田かおり
(スポーツ社会専攻・2013年3月卒業)

プログラムを選んだ理由

韓国学生との交流を通じて互いの理解を深めたいと考えたから。
韓国に足を運び現地の学生と交流したのは前年度に続いて2回目でした。近くて遠い国と称される日韓関係ですが、韓国人学生との交流によって少なくとも私の中ではその距離が解消されていくように感じました。一度だけではなく二度目、三度目と交流を重ねることに必ず意味があり、また韓国人学生から多くの刺激が得られると考え参加しました。

プログラムを通して学んだこと

合同セミナーでは発表者として漢陽大学の学生と同じ壇上に立ったものの、彼らの英語でのプレゼンスキルの高さに圧倒されました。表情や発表資料の作り方、見せることや伝えることに関してレベルの高さがよくわかりました。学生の成長に大きな差を生む、普段の学ぶ環境の重要性を学びました。

プログラム参加前と参加後で自身の考え方・行動がどのように変化したか

今回は発表者としての経験をはじめ、このプログラムに関連したことで、今まではあまり経験してこなかった役割を担うことがありました。同じプログラム内容でも役割によってそれぞれに得られるものは違うのではないかと感じます。これからもいろいろな経験を積み成長するためにも積極的な姿勢を持ち、課題を乗り越える経験を多く積んで自己成長につなげたいと考えるようになりました。

プログラムでの経験を今後どのように活かしていきたいか、進路予定

これまでは人前に立つことは避けがちでしたが、自らの成長のためにもこうした機会を大切に今後の糧としていけるようになりたいと思いました。準備段階から苦労が多かった分、他の学生ではできなかった経験や得られたことは確かなはずです。与えられたチャンスをしっかりと活かすという意識を持ち続けたいです。



産業社会学部のおすすめコンテンツ